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回覧06/17 - 「2004年の船舶のバラスト水および沈殿物の規制及び管理のための国際条約」と「米国バラスト水管理規則」

アウトライン

  • IMOの第71回海洋環境保護委員会(MEPC71)においてバラスト水処理設備(BWMS)の搭載期限が改訂されました。
  • 2017年9月8日以降に建造される船舶は、本船引渡し時にBWMSが搭載されていなければいけません。
  • 2014年9月8日から2017年9月7日の間に国際油汚染防止証書(IOPP証書)を更新する船舶は2017年9月8日以降にIOPP更新検査を最初に完了する日までにBWMSを搭載しなければいけません。
  • その他すべての船舶は2017年9月8日以降、2回目にIOPP更新検査を完了する日までにBWMSを搭載しなければいけません。
  • IOPP証書を求められていない船舶は2024年9月8日までにBWMSを搭載しなければいけません。
  • すべての国際グループ・クラブは同様の回覧を発行しています。

メンバー各位,

「2004年の船舶のバラスト水および沈殿物の規制及び管理のための国際条約」と
「米国バラスト水管理規則」

背 景
クラブ回覧1/17 でお知らせしたとおり、IMOの「船舶のバラスト水および沈殿物の規制および管理のための国際条約」(以下、本条約)は2017年9月8日に発効し、また米国コーストガード規則は、米国水域内を運航しバラスト水を排出するほとんどの船舶に、2016年1月1日以降の最初のドライドックで、USCGのテスト基準を満たすUSCG型式承認を受けたバラスト水処理設備(BWMS)を搭載することを求めているとお伝えしました。

2017年7月7日にIMOの第71回海洋環境保護委員会(MEPC)において本条約の下でのBWMS搭載期限の改訂が合意されました。今回の改訂により、2017年9月8日以前に建造された船舶は、承認されたBWMSの搭載期限が、事実上2年間延長されることとなりました。 ただし重要なことは、本改訂はUSCG規則の遵守日などその他要件には影響しないということです。

IMOのBWM条約 ‐ 搭載期限の改訂

クラブ回覧1/17でお知らせした通り、本条約は、国際航路に従事するすべての船舶は、各船舶のバラスト水管理計画に従いバラスト水及び沈殿物を一定の基準で管理することが求められます。さらに、バラスト水記録簿及び国際バラスト水管理証書を保持することも、すべての船舶に求められています。

また同回覧では、最終的に、ほぼすべての船舶が2017年9月8日の本条約発効日以降、各船舶の国際油汚染防止証書(IOPP証書)の最初の更新日が到来するまでに、IMO基準を満たすBWMSを設置することが義務付けられることをご案内しました。

搭載期限に係る今回の改訂は、型式承認済みのBWMS及びバラスト水排出時に排出された容量単位ごとにサイズ別に定められた微生物の生存可能数の最大許容数を規定するD-2排出基準に適用されます。 

改訂された搭載期限の日程(本条約第B-3規則  を含む)は、以下の通りです。

  • 2017 年9 月8 日以降(キールを据付ける)新造船は引渡時にBWMSを設置する。
  • (2017 年9 月8 日以前にキールを据付けた)既存船の搭載期限は、IOPP 証書の最初の更新の検査実施時期により異なります。今回 のMEPC では以下のとおり合意されています。

既存船は以下に記載する日までにBWMSを搭載する:

  • 10.1 以下の場合は、本条約発効後、第1回目のIOPP証書更新検査の完了日まで:-

    .1 更新検査が2019 年9 月8 日以降に完了する場合、または

    2 更新検査が2014 年9 月8 日以降2017 年9 月7 日以前に完了した場合


  • 10. 2 本条約発効後、2 回目の更新検査完了日まで:-
      本条約発効後、最初の更新検査が2019 年9 月7 日以前に行われた場合、または上記10.1.2 に該当しない場合

2017年9月8日以前に建造された船舶で、MARPOL 条約に基づくIOPP 証書の更新検査の対象となっていない船舶は遅くとも2024 年9 月8 日までにはD-2排出基準への遵守が求められます。 今回改訂された日程は以下の通りです。

新造船既存船左記以外の既存船IOPP証書の所持義務のない船舶

2017年9月8日以降に

キールを据付ける場合

IOPP証書の更新検査が

2014 年9 月8 日以降

2017 年9 月7 日以前

に完了した場合

以下のいずれかが、

最初に到来する時まで

にBWMSを搭載、

150総トン未満のタンカー

及び

400総トン未満のタンカー以外の船舶、

引渡時にBWMS搭載

2017 年9 月8 日以降、

最初のIOPP 証書の

更新検査完了時に

BWMS搭載

2019年9月8日以降、

最初のIOPP更新検査

完了時にBWMSを搭載、

または
2017年9月8日以降、

2 回目のIOPP更新検査完了時*にBWMSを搭載、 

2024 年9 月8日までに

BWMSを搭載

* 本条約発効後、最初のIOPP 証書の更新検査が2017 年9 月8 日以降2019 年9 月7 日以前に完了した場合。

IMO が基本承認あるいは型式承認した60以上のBWMSのリストは次のリンクで参照できます。

http://www.imo.org/en/OurWork/Environment/BallastWaterManagement/Documents/Table%20of%20BA%20FA%20TA%20updated%20November%202016.pdf

重要なことは、IMO の第71 回MEPC で合意された搭載期限の日程は、バラスト水排出基準(D-2排出基準)の遵守の期限を遅らせたことと、それに伴う型式承認済みのBWMSの搭載期限を延期させたことです。今回合意された改訂は、本条約のバラスト水交換基準(D-1基準)への遵守や、2017 年9 月8 日に発効する本条約が求める書類の整備には何も影響を及ぼしません。

米国コーストガード(USCG)のバラスト水管理規則


2017年6月30日発行のUSCG海上安全情報(MSIB) 07-2017号では、米国は本条約の締約国ではないため、米国領海内(海岸線から12海里以内)において、バラスト水を排出する船舶は、BWM条約の下でいかなる状況であるかに係らず、米国バラスト水管理規則(US BWM規則:Title 33 CFR151 Subparts C and D)を遵守しなければならないとしています。 (クラブ回覧01/17ご参照)

US BWM規則は、本条約あるいは今回IMOで合意に至った第71回MEPCにおけるBWMS搭載の期限延長に関する決定には何も影響を受けません。USCGのMSIB 07-2017号では、米国の規則及び本条約の下でそれぞれ承認されているバラスト水管理方法の相違点を説明しています。

US BWM規則では、「船主・オペレーターが、最善を尽くしたにもかかわらず、承認を受けたバラスト水管理方法を実施できないことを書面で提出した場合、USCGは遵守日の延長を許可することができる」と定めています。

承認を受けたバラスト水管理方法とは、以下の通りです。

  1. USCGが型式承認したバラスト水管理システムを使用すること
  2. 米国の公共用水システム(PWS)からの水のみをバラスト水として使用すること
  3. 代替処理設備(AMS)を使用すること (ただし、延長許可された遵守日を含み、遵守日から5年間の延長を限度とする)
  4. 米国領域内でバラスト水を排出しないこと (海岸線から12海里以内の領海を含む)
  5. 処理目的で受入施設や他船にバラスト水を排出すること (ただし、現在いずれの方法も未承認)

USCG MSIB 03-17号では、さらにUSCGのBWM規則の遵守期限延長プログラム及びその延長申請に関する新たなガイダンスを記載しています。

また、USCG MSIB 03-17号は船主及びオペレーターは、もし本船がUSCGの型式承認済みBWMSを搭載できず、その他USCGが承認するBWM管理方法も実施できない場合は、USCGに当該船舶の遵守期日の延長を申請することができると案内しています。本船の船主・オペレーターは、延長申請にあたり、USCGに型式承認されたBWMSを搭載ができないことを示す証拠を提出する必要があります。 延長申請が認められた場合でも、その遵守期限の延長期間はUSCGが型式承認したBWMSが搭載可能となるまでの期間と、遵守できるまでの詳細な搭載工事計画や日程に基づいて決定されます。

カリフォルニア州バラスト水管理規則の要件

カリフォルニア州はUSCGより厳格な独自のバラスト水管理基準があることも、ご承知おきください。カリフォルニア州のBWMSに対する「暫定排出基準」は2020年1月1日に施行されます。 2016年12月30日、カリフォルニア州当局(California State Land Commission)は、同州に寄港する船舶に対し、バラスト水管理に関する現行の報告要件について再確認する通達を発表しました。同通達は下記リンクにてご参照ください。

http://www.slc.ca.gov/Forms/MISP/2017_LtrAgents.pdf

P&I保険カバー
IMOの第71回MEPCにおいて合意されたBWMS搭載期限の延長により、承認されたものの処理設備の不具合により、処理されなかったバラスト水の流出・排出から生じる責任に関するP&I保険カバーについては、クラブ回覧01/17でご案内した内容と変更ありません。

国際グループのすべてのクラブは同様の回覧を発行しています。

以上

UKP&I クラブ 日本支店

さらに詳しい情報が必要なメンバーは、UKクラブ日本支店あるいは Dr. Chao Wuにお問合せください。 chao.wu@thomasmiller.comchao.wu@thomasmiller.com

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