22/10 - ベネズエラ - 船舶上の違法薬物

アウトライン

  • ベネズエラで、船主及び乗組員を捜査や起訴の対象とする新しい違法薬物取締法が施行されました。
  • 本新法“Organic Drugs Law”(ODL)は従来の法律を撤廃し、船主及び乗組員に負担と罰則を増大させるものと思われます。
  • ベネズエラに寄港する船舶には、違法薬物取締に関するリスクがある事にご留意ください。

組合員各位、

ベネズエラ - 船舶上の違法薬物 

国際グループは、船舶を麻薬密輸の道具として使用させないための各国の取組みを支援しています。しかし違法薬物の運搬のために船舶が麻薬密輸団の標的となったケースで、ベネズエラ刑法がいかに無差別にまた一方的に適用されているのかについて、国際グループでは一層の懸念を深めています。

船主及び乗組員を捜査及び起訴の対象としているこの新法規は、最近のこのような状況下で2010年10月21日に施行されました。この“Organic Drugs Law “(以下ODL)は、従来の法律を撤廃しており、船主とその乗組員に証明責任の負担と罰則を増大させるものと思われます。

従ってメンバーの皆様には、ベネズエラに寄港する船舶にはこのようなリスクがある事にご留意いただきたいと思います。

これまでもベネズエラ当局は、薬物の隠匿や麻薬取引が見つかった船舶の乗組員に対する起訴は行われていました。船舶に麻薬を隠すのによく使われる手口は、潜水して船体や防護柵に張り付けたり、ラダー・ストックの内側に隠したりする事のようです。検察官には、明らかに乗組員が薬物隠匿や麻薬取引にかかわった事に対する理論上の立証責任はありますが、実際にはその立証責任は比較的安易に果たされているようです。以前の麻薬法の下で起訴されたケースでは、多くの場合、乗組員の行為と本船上の薬物の関係が明らかに立証されないまま、その乗組員は有罪となり8,9年にもわたる禁固(懲役)刑が課せられ、裁判所により本船とその貨物もまた没収されていました。また別のケースでは、乗組員と本船は長期間拘留されたあげく、乗組員が起訴されることなく解放されています。

また、乗組員の捜査協力についてベネズエラ当局はほとんど重きを置いていないように思われます。なぜなら多くの場合、船内に薬物が見つかっただけで、本船と乗組員を拘留し個々の船員を起訴しているからです。

国際海運業界団体はIMOベネズエラ常任委員及びベネズエラ議会の個々の議員に対して、本船が知らないうちに麻薬密輸団の標的とされた場合に、この法律を適用することは公平を欠いており無実の乗組員を拘留、起訴し有罪とする結果となりかねないという問題を提起しています。 残念ながらODLはこの懸念に対応するというより、さらに厄介な制度を導入したように思われます。

ODLの下では、乗組員が違法薬物を保管あるいは仲介として密輸、取引、販売、分配、隠匿、運搬に携わった場合、犯罪となります。

「隠匿」(Concealment)とは、麻薬の不法所持を隠す、あるいはその素振りをするなどの行為が含まれます。

「取引」(Trafficking)とは、麻薬の生産、製造、抽出、準備、申し出、販売、分配、仲介、出荷、運搬あるいは輸出入が含まれます。

ODLの下で有罪と宣告された船員は、15年から25年間投獄されます。 前述の廃止法令よりも刑期はかなり長くなっています。 さらに、様々な理由で法律を適切に適用していないとみなされた裁判官や検察官は4年から8年の禁固(懲役)刑が課されます。

廃止法と同様、ODLは犯罪行為に使われた船舶の押収を規定しています。検察官の要求に従い、裁判官は麻薬の隠匿あるいは取引に関わった船舶を予審が開かれるまでの最高3カ月の間、証拠保全措置として本船の差し押さえを命じる事が出来ます。当該船主は予審において犯罪の意志がなかった事を明らかにしなければなりません。ODLは船主に犯罪の意図がなかった事を証明する義務を負わせているのです。当事者に否定、つまりこの場合は意図が無い事の立証を強制するのは非常に珍しい事です。裁判所がどのような証拠をもって「意図が無い」という難しい概念の十分な証明と受け入れるかは今のところ不明です。しかし、国際グループは船主がこの立証義務を果たすための助けるとなる要素は以下の事柄を含むとの助言を得ています。

  • 当該船舶が裸用船であり、船主はその要求された意図を達成するため、本船の使用について十分な管理権限を持っていない事実。
  • 当該船舶が(航海毎あるいは期間ベースのどちらかで)傭船されており、船主は本船の航路決定について関わっていない事実。
  • また、第三者の(特に船舶のオペレーション業務全般を提供するコマーシャル・マネジメントに関する)管理契約の存在は、船主が「意図の無い事」を示す拠り所となり得ます。

本船が保全措置として差押えられた後1年間に、もし船主が出頭せず、本船放棄の証拠が認められる場合には、検察はベネズエラ国に本船の没収を申請することができます。

国際グループ及び海運業界団体は皆、ベネズエラ当局と共に麻薬密売行為の防止に協力することを希望しており、船内での麻薬隠匿に加担していない場合には、船舶及びその乗組員が公正に扱われることを確実にしたいと願っております。前述の通り、本件についてはベネズエラのIMO常任委員およびベネズエラ議会の議員に申入れを行っており、今後も関係当局と交渉を持ち続けるよう努力して参ります。

国際グループのすべてのクラブは同様の回覧を発行しています。

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