26/13 - イラン制裁に関する更新情報

アウトライン

  • EUと米国のイラン制裁の一部停止が、一時的措置ながら、2014年1月20日より実施されます。
  • 制裁の一時停止期間は、2014年1月20日から7月20日の6ヶ月間とされています。
  • 今回の緩和措置には、制裁対象に特定された個人あるいは団体との取引は含まれていません。
  • イラン産原油及び石油製品の、EU域内への購入あるいは輸入の禁止措置は、一時停止の対象ではありません。
  • クラブは、制裁緩和の対象となっている原油及び石油製品を輸送する、EU及びEU以外の所有船及び登録船舶に対して、保険てん補することが可能となります。
  • 本クラブ回覧のAnnex 1には、欧州委員会の2013年11月24日付の「共同行動計画」(JPoA)を添付しています。
  • 本クラブ回覧のAnnex 2には、イラン規制措置に関するEU理事会規則267/2012を改定する理事会規則の共同改訂案を添付しています。

組合員各位

イラン制裁に関する更新情報

本クラブ回覧は、主にイランからの原油、石油及び石油化学製品の輸送及び保険に関する、EUと米国の制裁措置の緩和について、ご案内いたします。本クラブ回覧のAnnex1に記載の「共同行動計画」(Joint Plan of Action)における核開発の縮小措置をイランが遵守することを、国際原子力機関(IAEA)が確認すれば、緩和措置は1月20日(月)に開始されることになります。

2013年11月24日、英米独仏中ロの6カ国は、イラン核協議で合意に至りました。「共同行動計画(JPoA)」は、今後半年間、双方がこれを履行することとなっており、これには国際原子力機関(IAEA)がイランの核施設及び濃縮ウラン・プラントを監視することの見返りとして、EUと米国は制裁の一部緩和をすることが含まれています。

現行の制裁措置の一時的な一部停止という形で実施される今回の制裁緩和措置は、欧州連合加盟国と米国において法改正が実施できる範囲と期間に限られています。ただし、共同行動計画の取決めが確実に実行されない場合には、制裁措置は復活し継続することとなっているため、注意が必要です。予測される緩和措置の影響は、以下の通りです。この情報は「共同行動計画」の情報と、国際グループが確認のためにEUと米国当局から入手した内容です。

1.EUの措置

1.1 実施時期

欧州委員会は、共同行動計画における政治的目的を履行するための実施規則(Implementing Regulation)とEU理事会決議(EU Council Decision)を、1月20日に同時発表するとしています。 実施規則は、(本クラブ回覧Annex2に添付の)同委員会の改訂案を一語一句反映する模様です。国際グループは、各国の協調体制により、各国外交・政治上の承認を前提として、EUと米国で1月20日をもって各国が制裁緩和措置を実施することとなると、了解しています。

1.2 一般的注意事項

制裁緩和案の実施を検討した結果、船主及びクラブにとって以下の2点が、重要と思われます。

(i) 現行措置の一時停止期間

制裁措置の一時停止案は、2014年1月20日から6カ月間という一定期間であるということは重要な点です。今回の一時停止措置が継続又は延長されるかは、この期間中の展開次第です。船主がこの一時停止措置を利用し、現行措置が緩和される2014年1月20日以降に容認される運送契約を締結する場合には、いかなる契約も遅くとも2014年7月20日までに、確実に履行完了していなければなりません。6か月経過後に制裁措置の一時停止が延長されない場合、当初理事会規則267/2012で設定された猶予期間と同様の猶予期間かあるかどうか、当局は確約できません。

(ii) 制裁対象の特定団体との取引

今回の制裁緩和措置では、制裁対象に特定された個人または団体に関する現行の取引禁止の一時停止は規定されておりません。例えば、EU理事会規則267/2012の第37章bの停止措置は、NITC(The National Iranian Tanker Company)又はその他イランの特定個人・団体への傭船を容認していません。欧州委員会は、もし国際グループ・クラブが、特定団体・個人(つまりポート・エージェントやオペレーター)と取引せざるを得ない場合には、各関係当局に事前に相談すべきであるとアドバイスしています。船主及びクラブが直面する実務的、法的困難については、欧州委員会の高官は認識しており、特定団体の凍結口座への支払いは、容認されるかもしれないとアドバイスしています。しかし、これは銀行が必要な送金を快く実行するかどうかによります。

1.3 EUの共同行動計画の実施が、船主及びクラブにもたらす意味

(a) 原油及び石油製品

(i) 輸入及び購入

今回、採択される予定の措置には、EU規制下の企業により原油及び石油製品を購入又はEU域内への輸入することについての現行の禁止措置の停止は、含まれていません。しかし、米国の国防授権法(NDAA:National Defence Authorization Act)の免除を受けている非EU加盟国(中国、インド、日本、韓国、台湾、トルコ)は、適用除外の条件に従い、現行で許容されている範囲内で、引続き原油・石油製品を購入、輸入することはできます。

(ii) 輸送

1月20日より、EU理事会規則267/2012の第11章1(c)に対する一時停止措置に基づき、EUにおいて所有あるいは登録されている船舶は、上記に記載した輸入・購入禁止措置と矛盾しなければ、イランからの、あるいはイランが原産国の原油・石油製品の輸送を許されることとなります。現在と同様、非EU諸国の所有・登録船舶は引き続き、当該貨物を積載することができます。

(iii) 保険

1月20日より、EU理事会規則267/2012の第11章1(d) に対する一時停止措置に基づき、クラブは、上記に記載した輸入・購入禁止措置と矛盾しなければ、原油・石油製品の輸送に従事するEU及び非EU諸国の所有・登録船舶に対し、保険を提供することができます。

第11条1(c)及び(d)に対する一時停止措置は、NDAAの免除国向けではない原油・石油貨物の輸送及び保険提供は、復活又は許容されません。イランからNDAA免除国ではない国へ、原油・石油貨物を輸送する船主及びこれらに保険を提供する保険会社は、EU及び米国の制裁措置違反となります。

(b) 石油化学製品

EU理事会規則267/2012第13条の禁止規定は、全面的に一時停止されます。これにより、石油化学製品の輸入、購入、輸送及び保険の現行禁止措置は緩和されます。石油化学製品とは、規則276/2012のAnnex Vに記載されている製品です。

その結果、EU(及び非EU)の船舶は、イランからEU内外の諸国に向けた石油化学製品の輸送が可能となります。またクラブは、これらの輸送に対する保険カバーを提供することができます。ただしEU・米国以外で適用される制裁あるいは禁止に常に従うことを条件とします。

EU理事会規則267/2012 第13条で現行禁止されているイラン産あるいはイランから輸出されていた天然ガスの購入、輸入、輸送及びこれらに対する保険・再保険の提供について、一時停止は適用されません。グラファイト及び金属原料・半製品等の製品についても同様に禁止措置が継続しています。

(c) 金融取引

EU理事会規則267/2012 第30条(3)(a)(b) 及び (c)の現行金融規制の限度額は10倍になり、各監督当局の許可なく40万ユーロまで送金出来ることになります。但し、イランの制裁対象団体または個人への支払いは依然として制裁の対象です。

(d) 原油・石油化学製品の貯蔵・輸送のために供される船舶

EU理事会規則1263/2012(第37条b)により改訂された規則267/2012で規定された原油・石油化学製品の貯蔵・輸送のための船舶を提供することに対する禁止処置は、一時停止されます。ただし制裁対象団体、つまりNITCやIRGCにより所有・管理された団体への傭船あるいはこれら団体との契約を除きます。

2.米国による制裁の停止あるいは免除

国際グループは、さらに複雑な米国制裁の概要について米国当局と協議し、米国政府の意図は、共同行動計画の目的及び取り決めに従い、EU加盟諸国で採択される制裁措置の停止と同調することにあると確認しました。 米国財務省外国資産管理局(OFAC)は、同行動計画(JpoA)を実施するために権利放棄または改訂される可能性が高い法令は、主要な関連大統領令と「イラン自由及び対拡散法」(IFCA)、「イラン脅威削減及びシリア人権法」(the Iran Threat Reduction and Syria Human Rights) 、「イラン制裁法」(the Iran Sanctions Act)の諸規定であると確認しました。

米国政府機関、つまり米国政府と財務省/OFACは、法的に権限を与えられない限り、議会制定法を修正あるいは撤回することはできませんが、大統領は自身の大統領令を改定することはできます。そのため大統領は、米国制裁について制定法上付与された権限内で、修正・権利放棄することができます。1月20日(月)まで米国の措置の詳細や範囲は分かりませんが、欧州委員会が発表した措置に沿ったものになると思われます。

要約すると、米国は以下の対応となると思われます。

・イランの石油化学製品の輸出及び、自動車製造業の製品及びサービスの輸入に対する制裁措置の一時停止

・イラン民間航空業界の安全飛行のため、予備部品や検査等サービスの供給用許可申請の迅速な処理開始

・イラン産原油を購入している6か国に対するイランからの輸入削減を求める措置を休止

・イランへの人道的取引を支援する金融ルートを設置し、国連債務の支払いや海外留学中のイラン学生に対する授業料の支払いを促進する

・容認する金融取引のEU認可限度額を修正

1月20日(月)まで、関連法令の改訂の詳細はわかりません。当クラブでは、米国の措置の内容が明確になり次第、追ってクラブ回覧を発行します。

すべての国際グループ・クラブは同様のクラブ回覧を発行しています。

【添付資料】

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