回覧4/18:イラン制裁

回覧4/18:イラン制裁

 アウトライン

  • 国際グループ(IG)は、5月8日発表の大統領覚書に関し、5月8日以前に締結した契約について猶予期間中の履行義務の継続に関する事などを含むいくつかの点について明確すべく、OFACに直接照会しています。
  • イラン港湾に対する二次的制裁の再開を取り巻く状況が不透明であることから、すべてのイラン寄港について注意深く対処しなければなりません。特に、2018年5月8日以降に締結された契約に基づく場合や11月4日以降の取引に基づく寄港は特別な注意が必要です。
  • イランとの取引を検討している船主・傭船者は、P&I保険のカバーがルール第5条V項の対象であり、保険提供することにより米国が制裁を課す可能性があるリスクがある場合には対応していないことをご承知おきください。

メンバー各位

イラン制裁と海運業への影響

トランプ大統領が2018年5月8日に発表した包括的共同行動計画(JCPOA)からの米国の離脱およびJCPOAにより解除されていた米国の対イラン核関連の経済制裁を再開するという決定は、イランとの海上貿易やそれに伴う保険提供に大きな影響を及ぼす可能性があります。

米国の二次的制裁措置の再開により波及する関連事項については、5月8日に公表された米国財務省のFAQは、以下のリンクよりアクセスできます。
https://www.treasury.gov/resource-center/sanctions/Programs/Documents/jcpoa_winddown_faqs.pdf

P&Iの国際グループ(IG)は、5月8日に発表された大統領覚書の適用に関し、いくつかの点について明確にすべく、米国財務省外国資産管理局(OFAC)に直接照会しています。これには、5月8日以前に締結した契約について猶予期間中の履行義務の継続に関する事や、8月6日及び11月4日の猶予期間終了日以降に許可されるイランとの取引について、また在米国保険会社及び再保険会社の海外関連会社や子会社に適用されているGeneral License Hの撤廃に関する点などを含んでいます。

他のJCPOA参加者はJCPOA支持を再確認しており、IGは、今回の米国の決定や今後講じられるEUの施策によるIGクラブとその再保険者に及ぼす影響に関して、英国財務省および欧州対外行動局にも問合せています。短期的には、米国以外の他の参加者はJCPOAの継続的な支持を表明し、米国はさらなる制裁措置を課すという兆候もあるため、状況はより複雑になる可能性があります。 米国は、JCPOAが発効し米国の核関連制裁が緩和された2016年1月16日の「履行日」以前の状況に戻るとしています。 イランとの取引を検討している船主・用船者の皆様は、保険提供をすることが米国による制裁措置の対象にあたるリスクとなる場合には、P&I保険はそのような取引きには保険提供をしない可能性がある事をご理解いただかなければなりません。

イランへの寄港
JCPOAからの米国の離脱によって派生する影響として考えられるのは、船舶が拘留された際に、それがイラン関連のクレームである場合には、クラブからの担保の提供が困難となり得るということです。

これは、特にイラン港に関連するクレームが生じ、担保提供が要求された場合などが該当します。なぜなら、米国が再度イランの港湾オペレーターに対して制裁措置を発動することにより、「大量の資金や物的、技術的、その他の支援、あるいはイランの港を運営するとみなされる者の代理あるいはその利益のための活動や取引を支援するために物資やサービス」を提供するすべての者に対し罰金を課すためです。イランの港湾に対する二次的制裁の再開の悪影響は不透明であり、IGはOFACがこの点について明確化することを求めています。

2018年8月6日までと11月4日までの猶予期間中に、5月8日以前に締結した契約に基づきイランへ寄港する場合に多くの点について明確ではないため、IGはOFACに説明あるいはガイダンスを求めています。

イラン港湾に対する二次的制裁の再開を取り巻く状況が不透明であることから、すべてのイラン寄港について注意深く対処しなければなりません。特に、2018年5月8日以降に締結された契約に基づく場合や11月4日以降の取引に基づく寄港はなおさらです。運送する貨物についても取引に関与する当事者についても、米国の制裁違反の対象となっていないか相当な注意を払うべきです。 しかし、私どもは、現時点でイランの港湾オペレーターとの通常取引について、米国当局から明確な指針がないということを言明いたします。

個人・団体に対する制裁
2016年1月にJCPOAが履行された日には、多くの個人及び法人が米国の制裁対象者リストから削除されました。これらの人々・団体は、2018年11月5日までに同リストに再掲載され、その大部分は二次的制裁の対象となると思われます。

90日間の猶予期間に係る海上活動
2018年8月6日以降は、直接的または間接的を問わず、イランとの取引、つまり次の原材料の売買、供給又は輸送することは制裁の対象となります。 グラファイトや、アルミニウム、スチール、石炭などの未加工あるいは半完成金属、そして工業生産に使用されるソフトウェアなどです。 その原材料とは、

  • イランのエネルギー、海運または造船部門および、イランの革命警備隊によって直接的または間接的に管制されているイラン経済のために使用されるもの
  • SDNリストに掲載されたイラン人との間で売買、供給、輸送されたもの(制裁措置の対象とされていないイラン金融機関を除く)
  • イランの核・軍事・弾道ミサイル計画に関連して使用されるもの

さらに、2018年8月6日以降、以下の活動は制裁の再適用の対象となります。

  • イランとの金または貴金属取引。
  • イラン通貨の売買に関する大規模取引あるいイラン国外におけるイラン通貨での大量資金または口座の維持。
  • イラン国債の購入、予約あるいは発行の仲介。
  • イランの自動車産業。

180日間の猶予期間に関する海上および海洋以外の活動
2018年11月4日以降、以下との取引について、再び米国の対イラン経済制裁の対象となります。

  • イランのエネルギー部門
  • イランの港湾オペレーター
  • イランの海運および造船部門(the Islamic Republic of Iran Shipping Lines (IRISL), South Shipping Lineまたはその関連会社を含む)
  • 石油関連取引。中でもthe National Iranian Oil Company(「NIOC」)、Naftiran Intertrade Company (“NICO”), 及びNational Iranian Tanker Company (“NITC”)との取引で、イラン石油、石油製品または石油化学製品の購入を含む
  • 保険引受業務や保険または再保険の提供
  • イラン中央銀行およびNDAA第1245条に基づいて指定された他の外国金融機関との外国金融機関による取引。 そして
  • イラン中央銀行およびその他のイランの金融機関に対する金融電信サービスの提供。

米国財務省のFAQsによると、これらの活動に従事する者は、制裁措置や強制執行の対象とならないよう、猶予期間終了までにこれらの活動を減らすなど必要な措置を講じるべきであると述べています。

猶予期間は、2018年5月8日以前に開始されたイラン取引を徐々に終了させるために設けられています。 OFAC FAQ 2.2は、5月8日以降、猶予期間中に終了する予定の新たなイラン関連取引を行えるかについて記載しています。FAQ 2.2ではあまり明確ではないものの、OFACは、非公式ながら、たとえ猶予期間内に終了する場合であっても、5月8日以降に締結した、制裁対象となり得る活動に対しては、罰金が課せられる可能性があることを示唆しています。さらに米国は、JCPOAの下で行われた制裁措置の緩和に関連して発行されていた特別許可(Specific License)および一般許可(General License)を取り消す予定です。これはまた、米国所有の又は監督下の外国企業がイラン関連の一定の取引に従事することを承認したGeneral License Hも含んでいます。

IGは、特に米国における制裁措置の復活および船主の責任やクラブカバーへの影響について、より明確にするために、米国およびEU規制当局に引き続き問合せをしています。メンバーにおかれては、保険カバーの提供に関するアドバイスやガイダンス等について、当クラブに直接お問合せいただくか、あるいは専門の弁護士からの法的助言を求めていただかなければいけません。

本クラブ回覧で提起された問題に関する詳細は、米国の法律事務所のフリーヒル、ホーガン&マハー及びギブソン・ダンのリンクをご覧ください。

国際グループのすべてのクラブは同様の回覧を発行しています。


以上

UK P&Iクラブ 日本支店

For more information:

Contact Nigel Carden at nigel.carden@thomasmiller.com or telephone +44 20 7204 2147

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