事故の教訓: ビルジ・システムの逆流による貨物の水濡れ事故

Date: 17/01/2018
Author: Captain David Nichol
Source: UK P&I Club

船種:バルクキャリア


事故の概要:

本船は、あるミネラル貨物を積載するためカーゴホールドを清掃し、水密検査を完了した。さらに、カーゴホールドのビルジ・システムや浸水アラームの正常稼動の確認も行った。 出港の数日後、第2カーゴホールドの浸水アラームが警報を発した。 しかし、乗組員がホールドビルジを計測したところ、乾いていたようであったため、浸水アラームの故障であろうと考えた。 毎日のホールド・ビルジ点検でも、特に問題は見られなかったが、荷揚港で、タンクトップの上部2mの高さまで、貨物が濡れていることが発見された。荷揚終了後、海水が左舷ビルジウェルを通って逆流したことによりホールドが浸水したことが判明した。 この事故で、荷受人から高額な貨物損害クレームが起こされた。


分析

その後のビルジ・システムの調査や試験により、直前貨物の残渣や薄片が左舷ビルジウェルの逆止弁のバルブシートに残っていたため、逆止弁が水密になっていないことが明らかになった。 カーゴホールドの逆止弁の点検と試験は、荷役前検査には含まれていなかった。 また、エンジンルームの消火・雑用ポンプとビルジ・ラインの間の他のバルブも、機関部乗組員が開放したままにしていたため、水がビルジ・ラインに流入し、欠陥のある逆止弁を通ってホールドに浸入していたことも判明した。また、調査の結果、2番左舷ビルジの測深管は下から約20cmまで詰まっていたため、浸水警報が鳴った時に、なぜビルジウェルが乾いているように見えたかがわかった。 乗組員が、パイプの最大高とサウンディング・テープ測定値とを比べていたら、ホールドの浸水前にこの欠陥に気付いていた可能性がある。


事故の教訓

  • カーゴホールドのビルジシステムの逆止弁の検査と試験は、通常の積荷前検査に含めることが望ましい。
  • ビルジ・システムのバルブや配管は、整備計画(PMS)の一環として、定期的に検査や保守を行う必要がある。
  • 使用していない時に弁が開いたままにならないよう、厳格な手順を講ずるべきである。
  • ホールド・ビルジ測深管は、遮蔽されていないことを確実にしておく必要があり、デッキ上の基準点において、図面上のパイプの最大高と実測値とを比較しなければいけない。
  • ホールドの浸水アラームが警報を発した場合、あらゆる排水を確認するため、全ての関連システムのチェックやビルジの排水を含め、徹底的に調査する必要がある。

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