事故の教訓: 閉鎖区域での死亡事故

事故の教訓: 閉鎖区域での死亡事故

船種: バルク・キャリア


事故の概要

石炭貨物の揚げ荷中、あるホールドではカーゴのレベルが下がり、ステベにより、ブルドーザによるトリミングができる状況となりました。ホールド内ラダーは、トランク内にあり、その開口部はメインデッキと、ホールドの下部部分のみにあるという、完全な閉鎖区域となっていました。本船の安全管理システム(SMS)においては、閉鎖区域への入域許可に先立ち乗組員は、換気を実施し、トランクスペース内雰囲気のテストが必要であるとされてます。3等航海士は、乗組員2人に対し、カーゴホールドのアクセスハッチを開け、その入り口に換気ファンを設置するよう指示しました。その業務は、通常、乗組員がホールドに入ることを必要とするものではありません。3等航海士が、ガス検知器をもって到着したとき、ハッチは開いていたが換気ファンは回っていませんでした。そして、乗組員2人がトランク内のラダーのプラットフォーム上に、意識不明で倒れているのを発見しました。警報アラームを吹鳴し、自蔵式呼吸具を装備した救助隊が編成されましたが、不幸なことに、乗組員1人は死亡し、もう一人は蘇生したもののガス中毒と酸欠で衰弱した状態となっていました。


分析

救助された乗組員は、事故における記憶がないので、なぜホールド内に入る必要性があったかは定かではありません。しかしながら、カーゴホールドへの無計画な入域は危険を伴う、ということをその悲劇は物語っており、特に、酸欠あるいは、引火性ガスや中毒性ガスが発生する恐れのあるカーゴホールドは、常に閉鎖区域として見なさなければなりません。石炭は、これら全ての危険性をもつカーゴです。ホールドアクセス用トランクは、ステベドアダメージからラダーを保護する目的で備えられていますが、ほんの限られた開口部を供えた非常に限定された空間であり、人身事故を誘発するものであり、特に下部の開口部はカーゴによりふさがれる可能性もあり、十分注意する必要があります。


事故の教訓

  • 全ての乗組員は、本船上の閉鎖区域に存在する危険物を特定し、またSOLASやIMOで要求されている安全閉鎖区域手順に関する訓練をしなければならなりません。
  • 船舶管理会社、船長、並びに乗組員は、閉鎖区域への無計画な入域に対し、それを容認する行動や、SMS手順の不履行を皆無としなければなりません。
  • カーゴホールドは、本船上、もっとも危険な空間のひとつであり、そうで無いと証明されるまでは、常に危険であると認識しなければなりません。
  • 閉鎖区域の開口部は、厳しく管理する必要があります。カーゴアクセスハッチは、閉鎖区域入域許可証なしでは、入域を禁止するという注意書を明確に掲示しておかなければなりません。

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