QCR Autumn 2018- 10: 控訴裁判所は、黙示的に認定しうる条項についての指針を示した: 後に判明することは条項を黙示的に認定する際には考慮すべきではない-「分別ある読み手(reasonable reader)」を基準とする客観的なテスト

QCR Autumn 2018- 10: 控訴裁判所は、黙示的に認定しうる条項についての指針を示した: 後に判明することは条項を黙示的に認定する際には考慮すべきではない-「分別ある読み手(reasonable reader)」を基準とする客観的なテスト

Bou Simon v BGC Brokers LLP [2018] EWCA 1525 (Civ)

事実
BGC社はBou-Simon氏を、後日パートナーとするつもりで、ブローカーとして雇用しました。その契約書には、BGC社はBou-Simon氏に336,000ポンドを貸し付けるが、これはパートナーシップに基づき配当されるであろう金額から返済するとなっていました。もし同氏がパートナーでなくなる場合には、BGC社で少なくとも4年間働くことを条件として未払い金は相殺されることになっていました。 その前の契約書案には、もし同氏がパートナーシップ配当金を受け取らない場合、あるいは同氏が4年以内にパートナーでなくなる場合には、貸付金は即座に支払期日を迎え、BGC社に支払わなければいけないと記されていました。しかし、この部分は同氏の利益になるよう、契約書の最終版では削除されていました。同氏はBGC社を4年以内に辞職したため、BGC社は貸付金全額を請求することとなりました。

Judgement

判決
第1審では、Bou-Simon氏がパートナーにならず4年以内で辞めた場合には、貸付金を即座に返済しなければならないという、黙示的に認定しうる条項があったと判断されました。

Bou-Simon氏は、第1審の裁判官は、最高裁がMarks&Spender Plc v BNP Paribas Securities Services Trust Co(Jersey)Ltd 事件(2016)において示した、契約上の条項を黙示的に認定するための適切なテストを採用したものの、このテストを正しく適用していない、との理由で控訴しました。

控訴審裁判所は、Bou-Simon氏の主張を認め、第1審の裁判官は、事実審理の際に認められた事実関係を考慮して当該条項を黙示的に認定しており、合意書の作成時におけるすべての条項とそれを取り巻く状況を知っていながら、契約書の「分別ある読み手」という観点から本件を扱っていない、と判示しました。控訴審裁判所は、分別ある読み手であれば、黙示的条項が「明言しなくてもありうる」とか、当該条項がない契約書にビジネス上の効力を与えるためには当該条項が必要である、と言えるほど明確であるとは考えないであろうとし、契約書は商業的あるいは実務的な一貫性にかけている、と判断しました。ただ単に、公正に見えるからといって、あるいは当事者に示されていれば合意したであろうと考えられるからという理由で、後になって判明することを、ビジネス上の契約中に黙示的に認められる条項を取入れようとすることは、適切ではない、とされました。

したがって、第1審の判断は覆されました。

コメント

本件は、当事者間で取り決めた取引に干渉することへの裁判所の躊躇と、契約中、ある条項が黙示的に認定される必要があることを、当事者が裁判所に説得するために超えなければいけない高い敷居を改めて示したケースです。
BGC社が貸付金を回収できないのは、不公平に見えますが、控訴審裁判所は、本件ではいずれも主張されなかったものの、本件における状況により、原状回復または不当利得返還の請求の可能性があることを示唆しました。

再認識するために、最高裁判所はMarks & Spencer事件において、契約に黙示的に条項を認定するための適正なテストについて述べている点が留意されるべきです。簡潔に言えば、以下の場合、条件が黙示的に認定されることがあります。:

  • 契約にビジネス上の効力を認めるためには必要である場合(より簡潔にいえば、それが無いと、契約が商業的または実用的な一貫性を欠く場合)、あるいは、「明言しなくてもありうる」いえるほどに、挿入する必要性が明らかな場合。
  • 明確な表現が可能である場合。
  • 契約の明文の条項と矛盾しない場合。
  • 概念上の合理的な当事者であれば、当該条項が必要であることに合意していたであろうといえる場合。。
  • お節介な傍観者のテストをパスする場合。

控訴審の判決が出されたとはいえ、控訴審裁判所は、傍論として、前の合意書案から削除することの可否について明確化を試みました。Asplin 判事によれば、たとえ当事者が黙示的に認定されることを求めている条項と同一の条件の削除に同意していたとしても、その条項が関連する周囲の状況の一部であり、単に交渉の過程の一部ではないといえない限り、上記の同意の事実は、求められている黙示的な認定に対する反論として依拠することはできない、とされました。

しかしSingh 判事は、削除された文言は、削除文言という形で、条項の黙示的な認定を否定することができるという提案には、説得力があるとしました。彼は条項を黙示的に認定するプロセスと、明文の条項を解釈するプロセスを区別しました。 削除が解釈という目的のために容認できなかったかもしれないという事実は、決定的なものではありません。

しかし最終的に、裁判所は、削除文言がこの文脈で、いかなる場合に許容されるかという問題は、明確でなく、従って、その論点を決定することが必要である別のケースにおいて、権威のある決定に委ねるのが最良である、と指摘しました。

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