QCR Spring 2019-3: コンテナ積みの袋詰めコーヒー豆が結露により損害を被った―貨物固有の瑕疵―運送人は貨物の船積と運送を適切に、かつ、注意深く、行うことができなかったか

QCR Spring 2019-3: コンテナ積みの袋詰めコーヒー豆が結露により損害を被った―貨物固有の瑕疵―運送人は貨物の船積と運送を適切に、かつ、注意深く、行うことができなかったか

VOLCAFE LTD AND OTHERS v COMPANIA SUD AMERICANA DE VAPORES SA [2018] UKSC 61 – 5th December 2018 – THE SUPREME COURT

事実

本件は、“less than container load/ full container load terms”(訳者注:コンテナの準備とそこへの貨物の積込みを運送人が引き受ける約定)の約定の下、コロンビアからドイツまで、通風装置のないコンテナで運送された袋詰めのコーヒー豆に対する損害賠償請求の事案です。運送人のステベは、コンテナの準備とそれへの積み込みについて、契約上、責任を負っていました。

本件がコーヒー豆の運送に関するものであったこと自体が、重要です。コーヒー豆は、吸湿性がありますので、運送中、湿気を吸収し、貯め、また、放出するものです。従って、通風装置のないコンテナが、温暖地から寒冷地への運送に用いられた場合、豆は湿気を放出し、コンテナの内側に結露を生じさせることとなります。よって、運送業界においては、コンテナ内を吸湿性のある物で覆うことにより、貨物を濡れ損から守ることが、慣行となっています。この共通した慣行にそって、本件でのステベも、クラフト・ペーパーを用いました。

荷揚港において、貨物は、結露による損害を被っていることが発見され、62,500米ドルの請求が、船主としての運送人に対してなされました。争いのある額が少額であるにもかかわらず、本件は、当事者の保険者により、重要なテストであると取り扱われました。

控訴院の判決は、弊クラブの2017年春号において、報告されています。その判決は、運送人に有利なものであり、運送人が免責事由に基づき、一応確からしい抗弁をなした場合には、運送人の過失を立証する責任が貨物所有者の原告側に移転する、と判示しました。

その判決は、最高裁判所に上訴され、最高裁判所は、以下のとおり、判示しました。

判決

最高裁判所は、控訴院の判決を覆し、以下のとおり、理由づけました。

1.最高裁判所は、ヘーグ・ルールが契約に摂取されたとしても、海上運送契約の性質が、報酬のための受託(bailment for reward)であることを変更しない、と判示しました。従って、立証責任に関する裁判所の検討は、受託に関する場合と同一のものでなければならず、運送人は、ヘーグ・ルール第3条第2項に基づく様々な点における過失なしに損害が発生したこと、又は、第4条第2項の免責事由により損害が生じたこと、のいずれかを立証する責任を負う、とされました。従って、Glendarroch号事件判決(注1) は、もはや、法としての効果を有しない、としています。裁判所は、また、第4条第2項(c)(海上の危険)及び(m)(固有の瑕疵)という免責事由との関連では、過失がないことが、それらの自由の定義の一部であり、従って、運送人は、損害がその過失なく発生したことを証明しなければならない、と判示しました。

2.最高裁判所は、また、固有の瑕疵の概念について、明確性を提示しました。運送人が、貨物固有の性質により損害が発生することを防いだであろう注意を払うことができ、また、払うべきであった場合には、それらの性質は、固有の瑕疵と解釈されるべきではない、と判示しました。従って、運送人は、合理的な注意を貨物に対して払ったものの、損害が発生したこと、又は、損害から貨物を守るためのいかなる合理的な手段が取られても、その固有の性質により失敗したであろうこと、を証明しなければならない、と判示しました。

コメント

最高裁判所の判決は、ヘーグ・ルール、又は、ヘーグ・ヴィスビィー・ルールの第3条第2項の違反を推認させるためには、貨物関係者は、良好な状態で船積されたこと、及び、損害を被った状態で荷揚されたこと、を証明しなければならないことを、確認しました。

そのような請求の防御に成功するためには、運送人は、第3条第2項の違反がなかったこと(例えば、運送が良好なシステム(sound system)に従っていたこと)、又は、第4条第2項の免責事由が適用されること、を証明しなければなりません。しかしながら、重要な点は、第4条第2項の免責事由に依拠するために証明しなければならないことは、問題となる特定の免責事由ごとに異なる、という点です。

本件の最高裁判所の判決(第33項)が、いかなる免責事由に依拠する場合にも、運送人は過失がなかったことを証明しなければならないことを示唆しているとしても、実務上、これは常に適用されるものではありません。近時のEnergy UK Ltd v Freeport Holdings Ltd事件(「Lady M」号事件)における控訴院判決では、船員の過失により火災が発生した場合であっても、免責事由に該当する、と判示された点に、注意するべきです。

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注1:本件では、立証責任は、その適切な解釈によれば、責任の免責に依拠しようとする契約当事者の側に課される、と判示されています。


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