QLU Spring 2017 May-8:英国控訴院判例 ヘーグルールを摂取した至上約款の解釈について

Compania Sud Americana de Vapores SA v Hin-Pro International Logistics Ltd [2015] EWCA Civ 401

事実:

船荷証券の原本を提示されることなしに貨物を引き渡したとする請求について、フレイト・フォーワーダーであるHin-Proは、CSAVに対して、中国の海事裁判所において、複数の訴訟を提起しました。

CSAVの船荷証券第23条の規定:

「本船荷証券、及び、これに関して発生したいかなる請求、又は、紛争は、英国法に準拠し、また、ロンドンの英国高等法院の管轄に服する。上記にかかわらず、他の管轄において手続が開始された場合には、そのような手続は、通常の裁判所に提起される。チリの場合、仲裁人は、そのような紛争を処理する資格はなく、チリの通常の裁判所に、手続が提起されるべきである。」

中国での手続が開始された後、CSAVは、英国の高等法院にて手続を開始しました。第1審では、裁判所は、CSAVに有利な判示を行い、(i)第23条により、Hin-Proは、船荷証券に基づく請求は、英国の裁判所に提起しなければならないという確認、(ii)Hin-Proによる第23条違反に基づく損害賠償請求権、及び、(iii)中国における手続の恒久的な停止を、各々、認めました。

控訴審判決:


第1審の判断を支持しながら、控訴院は、次の理由に基づき、第23条は、英国高等法院の排他的管轄を定めるものである、と判示しました。

  • 「…に服する」との文言は、必須である。それは、単に、当事者に対して英国高等法院の管轄を選ぶ選択権を与えたにとどまるものではない。
  • このような条項の中立的な、商業上の目的は、(i)どの法律が準拠法とされるか、及び、(ii)すべての紛争について、どの裁判所が管轄裁判所であるかを、各々、規定することである。船荷証券について管轄権を持つ裁判所が多数存在し、また、英国法をどのように適用するのか、という点を考慮すると、当事者に英国にて裁判をなすべき義務を課さずに、英国の管轄を単に選択権としてのみ、規定することは、限定的な意義しかないであろう。
  • 船荷証券について英国法を準拠法として合意する際に、当事者は、同時に、英国の裁判所が排他的な管轄を持つことを意図していたものと認められる。この点は、本件の管轄約款が一定の場合に他の裁判所が管轄を持つことを規定していることを考えると、驚くべきことかもしれない。しかしながら、控訴院は、英国法を適用するためには、英国が最善の管轄であると考える。
  • 本件約款の第2、第3の文章は、(例えば、チリやその他の国でのように、ハンブルグ・ルールが適用されるために、または、チリのような、排他的な管轄約款という意図された目的を認識しないような国の管轄が求められたような場合など)第1の文章が無効となった場合に、英国高等法院に請求を提起するという、当事者の基本的な契約上の義務から乖離することなく、手続が「通常の裁判所」に提起されることを確保するためのものである。

コメント:

本件では、「排他的(exclusive)」との文言がないことだけでは、管轄約款は非排他的なものとして機能するものではないことが示されました。契約の当事者は、もし、準拠法と管轄の約款に記載された特定の国の管轄が、非排他的な形で適用されることを意図する場合には、その約款中にその旨を明記するべきものといえます。同時に、特定の国の管轄を排他的なものとするのが当事者の意図であるならば、その点を明記することは常に重要です。

UK Defence Clubのウェブサイトにて、更なる情報をご覧いただけます。 www.ukdefence.com

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