QLU Spring 2017 May-1:英国控訴院は、ヘーグ・ルールを摂取する至上約款の解釈について指針を提供しました。 

QLU Spring 2017 May-1:英国控訴院は、ヘーグ・ルールを摂取する至上約款の解釈について指針を提供しました。 

Superior Pescadores [2016] 1 Lloyd's Rep. 561 

事実:

原告たる荷主は、被告たる船主に対して、その貨物に対する損害について、賠償請求を提起しました。貨物は、ベルギーのアントワープで船積され、イエメンまで運送されました。貨物は、本船、Superior Pescadores号がBiscay湾を航行中に、損傷を受けました。船主は、貨物の損害についての責任を認めましたが、その金額を争いました。

両当事者は、本件請求が英国の法律と管轄に従うことについては、合意しました。英国法によれば、ヘーグ・ヴィスビー・ルールは、例えばベルギーなどの、その締約国の港からの運送については、制定法の効果として、同ルールが適用されます。

船主は、荷主に対して、ヘーグ・ヴィスビー・ルール上のパッケージ・リミテーションの額を支払いました。しかしながら、荷主は、至上約款は、ヘーグ・ルールを契約上、摂取するものであるから、ヘーグ・ルールが、ヘーグ・ヴィスビー・ルールよりも高額の責任制限を規定する限りにおいて、その高額の金額を請求できる、と主張しました。

各船荷証券は、Congenbillと同じ至上約款を規定していました。それは、「1924年ブラッセルにて成立した、船荷証券に関する規則の統一のための国際条約に含まれるヘーグ・ルールが、船積国にて国内法化されたものが、本契約に適用される。」と規定しています。

英国控訴院は、英国においては、船荷証券が、(i)船積国において国内法化されたヘーグ・ルールを摂取する至上約款を規定しながら、(ii)船積国がヘーグ・ヴィスビー・ルールを国内法化している場合には、当該船荷証券は、ヘーグ・ヴィスビー・ルールを摂取するものと解される、と判示しました。

控訴院は、さらに、ベルギーにおける法的立場は、英国におけるそれと同じである、すなわち、至上約款は、船荷証券にヘーグ・ヴィスビー・ルールを摂取させるものである、とも判示しました。

問題は、ヘーグ・ルール、又は、ヘーグ・ヴィスビー・ルールのいずれの法体系が、より高額のパッケージ・リミテーションを付与するか、を確定した後のことである。ヘーグ・ルールに基づき支払われるべき賠償額は、貨物が引渡された時(又は、引渡されるべきであった時)の金の価値によることになる。
ヘーグ・ヴィスビー・ルールに基づき支払われるべき賠償額は、第4条第5項に規定された数のSDRが当該国の通貨に換算された額によることになる。英国においては、換算の日は、判決の日となる。

コメント:

ヘーグ・ヴィスビー・ルールは、主として、ヘーグ・ルールに基づく責任制限の額を増加させることが意図されていますが、同時に、抗弁や責任制限を不法行為に基づく責任にも及ばせること、また、運送人の従業員や代理人にも保護を付与することも、意図されています。ヘーグ・ヴィスビー・ルールは、さらに、運送人の責任制限額の計算の方法や、それをを否定する権利についても修正し、また、請求の時間的制限を求償請求にも及ぼしています。

QLU Spring 2017 May-1: The Court of Appeal provides guidance on the interpretation of a Clause Paramount incorporating the Hague Rules

Superior Pescadores [2016] 1 Lloyd's Rep. 561

Facts
The claimant cargo owners brought claims against the defendant shipowners in respect of damage to their cargo. The cargo had been loaded at Antwerp, Belgium for carriage to Yemen. The cargo was damaged while the vessel, Superior Pescadores, was crossing the Bay of Biscay. The shipowners admitted liability for the cargo damage but disputed quantum.

The parties agreed that the claim would be subject to English law and jurisdiction.  English law rendered the Hague Visby Rules applicable as a matter of statute law when the carriage was from a port in a contracting state, such as Belgium.

The shipowners paid the cargo owners the HagueVisby package limitation amount. However, the cargo owners argued that the clause paramount constituted a contractual incorporation of the Hague Rules and so to the extent that the Hague Rules provided for higher limits than the Hague Visby Rules, they were entitled to those higher sums.

Each bill of lading contained a clause paramount identical to that in the Congenbill clause, containing the following sentence: “The Hague Rules contained in the International Convention for the Unification of certain rules relating to Bills of Lading, dated Brussels the 25th August 1924 as enacted in the country of shipment shall apply to this contract.”

The Court of Appeal held that in England in any case where a bill of lading is issued containing (i) a Clause Paramount which incorporated the Hague Rules as enacted in the country of shipment; and (ii) that country of shipment has enacted the Hague Visby Rules, then the bill of lading should be considered as incorporating the Hague  Visby Rules.

The Court of Appeal also held that the legal position in Belgium would be the same as in England. In other words, a Clause Paramount would incorporate the Hague Visby Rules into the bill of lading.
It is only after the event that it can be established whether the Hague or Hague Visby regime will yield a higher package limitation.  The compensation payable under the Hague Rules depends on the gold value at the date of delivery of the goods (or when they should have been delivered). The compensation payable under the Hague Visby Rules depends on the value of the conversion from the Special Drawing Right amount specified in the Article IV Rule 5 of Hague-Visby Rules into the national currency.  In England, the conversion date is the date of judgment.

Comments

The Hague Visby Rules were principally designed to increase the limits of liability of the Hague Rules but at the same time also to extend the defences and limits of liability to tort claims, and offer protection to the servants and agents of the carrier. The Hague Visby Rules also amended the method of calculating the carrier’s limit of liability, the right to break the limit and extended the time limit for indemnity claims.

The decision of the Court of Appeal in the Superior Pescadores achieves certainty. The default position is that the Hague Visby Rules apply and clear words will be required if the parties intend the Hague Rules to apply.  It remains to be seen whether foreign courts will interpret the Clause Paramount in the same way as the Court of Appeal. QLU Spring 2017 May-1:
英国控訴院は、ヘーグ・ルールを摂取する至上約款の解釈について指針を提供しました。 

Superior Pescadores [2016] 1 Lloyd's Rep. 561


事実:
原告たる荷主は、被告たる船主に対して、その貨物に対する損害について、賠償請求を提起しました。貨物は、ベルギーのアントワープで船積され、イエメンまで運送されました。貨物は、本船、Superior Pescadores号がBiscay湾を航行中に、損傷を受けました。船主は、貨物の損害についての責任を認めましたが、その金額を争いました。

両当事者は、本件請求が英国の法律と管轄に従うことについては、合意しました。英国法によれば、ヘーグ・ヴィスビー・ルールは、例えばベルギーなどの、その締約国の港からの運送については、制定法の効果として、同ルールが適用されます。

船主は、荷主に対して、ヘーグ・ヴィスビー・ルール上のパッケージ・リミテーションの額を支払いました。しかしながら、荷主は、至上約款は、ヘーグ・ルールを契約上、摂取するものであるから、ヘーグ・ルールが、ヘーグ・ヴィスビー・ルールよりも高額の責任制限を規定する限りにおいて、その高額の金額を請求できる、と主張しました。

各船荷証券は、Congenbillと同じ至上約款を規定していました。それは、「1924年ブラッセルにて成立した、船荷証券に関する規則の統一のための国際条約に含まれるヘーグ・ルールが、船積国にて国内法化されたものが、本契約に適用される。」と規定しています。


英国控訴院は、英国においては、船荷証券が、(i)船積国において国内法化されたヘーグ・ルールを摂取する至上約款を規定しながら、(ii)船積国がヘーグ・ヴィスビー・ルールを国内法化している場合には、当該船荷証券は、ヘーグ・ヴィスビー・ルールを摂取するものと解される、と判示しました。

控訴院は、さらに、ベルギーにおける法的立場は、英国におけるそれと同じである、すなわち、至上約款は、船荷証券にヘーグ・ヴィスビー・ルールを摂取させるものである、とも判示しました。

問題は、ヘーグ・ルール、又は、ヘーグ・ヴィスビー・ルールのいずれの法体系が、より高額のパッケージ・リミテーションを付与するか、を確定した後のことである。ヘーグ・ルールに基づき支払われるべき賠償額は、貨物が引渡された時(又は、引渡されるべきであった時)の金の価値によることになる。
ヘーグ・ヴィスビー・ルールに基づき支払われるべき賠償額は、第4条第5項に規定された数のSDRが当該国の通貨に換算された額によることになる。英国においては、換算の日は、判決の日となる。


コメント:
ヘーグ・ヴィスビー・ルールは、主として、ヘーグ・ルールに基づく責任制限の額を増加させることが意図されていますが、同時に、抗弁や責任制限を不法行為に基づく責任にも及ばせること、また、運送人の従業員や代理人にも保護を付与することも、意図されています。ヘーグ・ヴィスビー・ルールは、さらに、運送人の責任制限額の計算の方法や、それをを否定する権利についても修正し、また、請求の時間的制限を求償請求にも及ぼしています。

Superior Pescadores号事件の控訴院判決は、確実性を達成しました。別異の規定のない限り、ヘーグ・ヴィスビー・ルールが適用され、当事者が、ヘーグ・ルールの適用を意図する場合には、そのための明示的な文言が必要となります。他の国の裁判所が、本控訴院と同様に至上約款を解釈するか、が今後、注視されるところでしょう。

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