UKP&Iクラブのシップ・インスペクターは、乗船検査の際に、様々なメンバーの船上での良い事例や優れた取り組みを見聞しています。本ページでは、他の船舶でも取り入れることができる例をご紹介します。


タンカーの非常曳航設備

タンカーの船尾に設置される非常曳航設備は、概ねプープデッキ上のストレージドラムに取り付けられるワイヤートーイングペナント、メッセンジャーロープを収納するストレージボックス、およびピックアップギアボックスで構成されています。この設備はピックアップボックスからフェアリードを通って導かれたメッセンジャーラインで、デッキ上のワイヤペナント接続部に恒久的に取り付けられており、緊急時に機器を簡単かつ迅速に展開できるよう設計されています。

しかし、この状態は、合成繊維またはワイヤーロープで作られたメッセンジャーが様々な天候にさらされることを意味します。ワイヤーロープは海水にさらされるとすぐに腐食し、合成繊維ロープは直射日光やファンネルの煤から保護されていないと劣化します。これらの影響によって、メッセンジャーラインの破断荷重が大幅に低下し、緊急事態においてシステムに不具合が生じる可能性が生じます。

メッセンジャーラインの露出部分に保護スリーブを取り付けることで、不具合のリスクを大幅に低減することができます。このスリーブは、例えば、キャンバス製でもよいですし、消火ホースの一部から取ってもよいですが、ロープを定期的に点検できるよう、取り外しが可能な状態にしましょう。ワイヤーロープのメッセンジャーが取り付けられている場合、露出部分を十分にグリスアップし、撥水テープで覆う方法がよいでしょう。

アンカーラッシング

アンカーラッシングは、海上航行中にアンカーを失わないようにするために使用するものです。 非常に深い水の中でアンカーチェーンが全て繰り出された場合、ウインドラスの巻取力がアンカーとケーブルの総重量を巻上げるのに十分でない可能性があることに注意してください。 これを防ぐために、ウインドラスのブレーキを閉め、チェーンストッパーをかけ、更にアンカーラッシングを使用してアンカーを固定しましょう。 アンカーラッシングは、固定システムの一部を形成していますが、アンカーの全重量を保持するようには設計されていません。

工作室の保護具

クラブの船上リスクアセスメントやコンディションサーベイにおいて、工作機械に保護具や切削くず飛散防止カバーが取り付けられていない例が散見されています。 以下の写真は、透明で耐衝撃性の高い材料の保護具を旋盤、ドリル、グラインダに取り付け、効果的かつ良好に維持された状態を例示しています。 高速で回転する工作機械によって、作業者だけでなく、工作室内にいる他の乗組員の目や身体に重大な損傷を及ぼす可能性があります。 PMS(Planned Maintemance System)に工作機械の保護具の状態に関する定期的な検査を含めましょう。

船上の吊り上げ装置

チェーンブロック、ストラップ、スリングなどの可搬式の吊り上げ装置の定期点検・保守がされていないことがあります。装置の年次検査のために、簡潔で効果的なカラーコードシステムを取り入れているメンバーの例もあります。 下の写真の例では、今年のカラーコードを赤として、検査済みのアイテムを赤いパッチでマークするか、検査日を記した赤いタグを付けています。 したがって、機器の点検が最新であるかどうか乗組員が一目で確認できます。 使用前に必ず吊り上げ機の状態をチェックすることをお勧めします。

NAVTEXメッセージ

ブリッジの当直員が処理しなければならない情報は増え続けていますが、航行警報や船舶気象通報の管理はきわめて重要です。 ナブテックス受信機で印字されたロール紙が丸まったままチャートテーブル上に放置されることなく、前当直員と共に、受信したメッセージの内容のうち航海上の懸念される事項を確認し、それに対処したことを積極的に記録している例もあります。ナブテックスメッセージは別々のカテゴリに分類され、下の写真のように目立つように掲示されています。

カーゴホールドへの立入

閉鎖区域への立入に関する注意事項が守られず、カーゴホールドに入った乗組員や陸上要員の死亡事故が依然として多いのが実情です。 乗組員には危険性について注意喚起を行い、立入前に内部の酸素濃度を確認するようアクセスハッチに警告表示をしておくのがよいでしょう。多くの種類の貨物によって、カーゴホールドが酸欠状態になり、引火性または有毒なガスが放出されている可能性があります。従って、閉鎖区域への立入前手順を常に遵守するよう警告表示で明示することもよいでしょう。

堪貨性検査

堪貨性に関する検査およびテストの記録は、貨物クレームでの抗弁においてメンバーおよびクラブの貴重な証拠となります。 整理された、検査当時の写真付きの文書記録に加えて、カーゴホールドハッチカバーに最新の風雨密検査の日付を記している例もあります。 こうすることで、定期的かつ積荷前にこの重要なテストを実施する必要性に関する乗組員の意識を向上させ、船主が本船の堪航性を確保するに必要な相当の注意義務を尽くしていることが一目瞭然となります。

化学品の保管

ある船舶では、化学品を安全に格納するための枠を乗組員が作製し、悪天候時に化学品が流出するリスクを低減しています。また、化学品保管場所にはPPE(個人防護具)が備えられています。
しかし、残念ながらPPEが備えられていない例もあります。インスペクターが訪問したいくつかの船では、化学薬品置き場にPPEが配備されていないものもありました。

ハーネス型安全帯

本船上のすべての安全帯をハーネス型に取り替えた例がありました。このタイプの安全帯は落下時の衝撃を和らげ、衝撃損傷を防ぐことが出来ます。

PPE置き場

ある船舶では、施錠された化学品倉庫の入り口にPPE(個人防護具)置き場を設置しています。
この倉庫が施錠されていることで、乗組員は立入前にひと呼吸おくことになり、立入る際はPPEに気が付き、使用することでしょう。化学薬品を取り扱うときは、常にPPEを使用しましょう。

溶接作業場所

下の写真の例では、ウェルディングカーテンによって溶接エリアが区切られています。
作業エリアは潜在的に非常に危険であるため、このようなよい事例は、事故を防ぐのに役立ちます。

係留ロープの保護

"blow tubes"、すなわち排気管に高圧蒸気を注入してスートブローを行うと、船尾甲板は煤煙で覆われてしいます。 その結果、ドラム上の係留ロープに、しばしば硫黄の焼け跡ができたり、極端な場合には火災につながることもあります。 この単純な防護措置は、係留ロープを保護するものです。ロープの上に半分に切ったドラム缶が置かれているだけです。  船尾係留ロープを保護する別の方法として、難燃性キャンバスでロープ覆う方法もあります。

海賊行為の阻止

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あるメンバーは、危険度の高い水域を通過する際に海賊を阻止するシステムを考案しました。 このフェンスは、船長が必要と判断すれば展開し、また取り外し可能です。クリックすると画像が拡大表示できます。

無炎ライター

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Ozilite自動タバコライターは、壁または柱に設置される無炎ライターです。ライターまたはマッチの使用が許可されていない場所、つまり直火を避けるべきではあるが、喫煙は許容される場所での設置を意図した装置としてよく知られています。

バルブ標示

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この写真は、ある船の機関室の船外排出弁と海水弁に蛍光塗料を使用してはっきりと標示している例です。標示を目立たせ、浸水や停電の状況下でもバルブを容易に識別可能にしています。

機関室HI-FOG 式局所消火装置

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エンジンルームにHI-FOG式局所消火装置を設置している船を見かけました。 このシステムは、CO2システムより環境に優しいだけでなく、運転中に乗組員が逃げることを可能にします。

トレーニングスケジュール掲示板

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ホワイトボードにその月のトレーニングスケジュールを詳述している一例です。 この取組みは、船上での訓練と安全に関する積極的なアプローチを示しており、また、乗組員に実施される訓練を知る機会を提供しています。

化学品容器のスタンド

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本船のエンジニアは、船上で使用される化学品の容器用スタンドを製作しました。 使用中の化学品容器を支える優れた方法であり、内容物の飛散や、容器の動きを防止します。 拡大するには画像をクリックしてください。

ガス庫の色分け

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酸素とアセチレンの倉庫を色分けすることは、これらのガスを分離しておくことが重要であるというメッセージを強調するためにも良い考えです。 この写真はある船舶で見られた例を示しています。 ガスシリンダーの異なる色の意義を理解していない乗組員がいる可能性があるため、この取り組みは特に有効です。

吊り上げ器具の色分け

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吊り上げ器具を色分けすることによって、吊り上げ荷重に適さない器具が使用されることを防止できます。 下の写真は、船舶用機器の色分け表示と、隔壁に描かれた表の例です。

緊急連絡先


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シップ・ファインダー


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