海から生まれた言葉 - ご存じですか?

WAVES

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英語のことわざやイデオムは船乗りが使っていた言葉が語源のものが沢山あることをご存じですか? 以下に面白い言葉を並べてみました。

"Shake a leg"

現代では"急ぐ"あるいは "さっさと行く"と言う意味ですが、これは、もともとハンモックで寝ていた船員を朝起こすときに使われていた言葉といわれています。

"Give a wide berth"

このフレーズは「距離を置く」という意味ですが、この言葉は17世紀の大航海時代に「衝突を回避する」時に使われていた言葉が語源です。

"The cut of one's jib"

現在、私たちが他人に対して好き嫌いを表わす時に("I don't like the cut of his jib")と言う表現でよく使われますが、これは、船のジブセイル(船首の三角帆)の形状が、その国籍により異なっていたことから生まれた言葉です。そのため船はジブの形によって同胞なのか敵なのかを識別することができたのです。

"At a loose end"

海上で「loose end」と言えば、ロープの使っていない方の端、つまり目的がないものということです。そのため現代では、「何もすることがない(to have nothing to do)」という意味で使われています。

"A clean slate"

昔、船の航路は見張りが立つと石版に記録を書いていました。次の見張りはその石版の文字を消して、また新たに記録を残していました。今ではこの言葉は新たに出発することを示すようになりました。

"In the Doldroms"

Doldrumsとは赤道付近海上の無風帯のことです。微風の状態のときには帆船はその場所で立ち往生することがあり、"in the Doldrums" はそのような状態を示す言葉になりました。 このイデオムは、そこから「ふさぎこんでいる状態」(in low spirits)を表わしています。


"To know the ropes"

船乗りは船上でのロープの用途や正しい結び方を学びます。そのため、"to know the ropes" や "to learn the ropes"という表現は「何かに熟練する」ことを意味するようになりました。

"Under the weather"

近頃は体調が悪い人を表す言葉として用いられています。これは船乗りや船客が天候の悪いときに甲板の下に行き、船に揺られて船酔いすることから派生したと言われています。

"No room to swing a cat"

この場合のcatは動物の猫ではなく(ムチの跡が猫の引っかき傷に似ているところから)海軍で体罰に使われていたムチの事です。catは甲板下では振り上げるスペースがないため甲板上で使われたようです。そのため「非常に狭い・窮屈」という意味となったと言われています。

"Posh"

この「贅沢な」という意味の言葉は、 "portside out starboard home"から生まれたと言われています。昔英国からインドに旅をする場合, 往きは左舷、帰りは右舷側が日陰で涼しく景色も良い特等客室であったことから、富裕層の船客のトランクは"POSH"とラベルをつけて、ポーターに運ぶ場所を指示する印として使われていました。

"Pipe down"

この場合のpipeは甲板長の喫煙具パイプの意味で、一日の終わりにパイプを打ち鳴らして消灯を知らせたことから生まれた言葉です。そのためスラングで「静かに」(keep quiet)という意味で使われています。

Laura Starr

Senior Claims Executive

Date2017/11/16