10/11 - 米国における油濁について NRC及びMSRC - 分散剤の使用に関するMSRC Addendum

Trulli

アウトライン

  • 新たなUSコーストガードの要求事項として、タンカーの油濁事故対応計画書(VRP)は分散剤の空中散布の出来る漏油清掃業者(OSRO)を記載しなければなりません。
  • MSRCはタンカーのサービス・アグリーメントに、米国VRPに関する国際グループのガイドラインに沿っていない事柄を補償する内容の「分散剤散布についての付属書」(dispersant addendum)を追加しました。
  • 追加の保険カバーについてはクラブ管理者から手当できます。
  • 現在のところ、NRCは上記のような付属書は追加されていません。
  • タンカー以外の船舶について同様の要求はされていません。従ってほとんどの非タンカー船については、VRPにMSRCを記載していたとしても、分散剤散布能力を求められることはないでしょう。その場合は何も求められていませんが、直接VRPをチェックするか、VRP策定者にご相談の上ご確認してください。
組合員各位、

米国における油濁について

NRC及びMSRC - 分散剤の使用に関するMSRC Addendum 

タンカー船主について

現在、USコーストガードは、油濁清掃作業にあたり分散剤の空中散布のできる漏油清掃業者(OSRO)を、タンカーの油濁事故対応計画書(VRP)に入れる事を、求めています。この規定の詳細や施行時期はまだ確定していませんが、主なOSROであるNational Response Corporation(NRC)及びMarine Spill Response Corporation(MSRC)は両社とも、2011年8月21日までこの分散剤散布が出来なくても、引続き顧客のVRPに掲載する事ができるという許可を得ています。現在この期間は2011年9月30日まで延長されていますが、これ以降、タンカー・オペレーターは、空中散布の出来るOSROをそのVRPに入れなければなりません。

MSRC及びNRC両社は、ハワイ以外のアメリカ全土で分散剤散布が可能です。ハワイにおいては、NRCあるいはMSRCに加え、Clean Islands Councilと直接契約し、記載する必要があります。

2011年8月10日、MSRCはそのサービス・アグリーメントに「分散剤散布についての付属書(Dispersant addendum)」を加えると通知しました。このAddendumでは、クラブのてん補範囲を逸脱するような責任を船主に課しています。MSRCは国際グループとの話し合いの後、本Addendumを分散剤散布時だけに適用範囲を狭めました。2011年8月22日、MSRCはその顧客に、この改定Addendumに署名し9月9日までに返送するよう求めています。残念ながらそれでも上記の追加責任が導入された事は、MSRCのサービス契約は国際グループのVRPガイドラインに沿ったものではないという事になります。なぜなら、責任が双務的な条件ではなく、契約により特定の状況において船主に責任制限の権利を放棄させることを求めているからです。(ガイドラインについては2009年6月のクラブ回覧 06/09 をご参照)追加の保険カバーについては別途保険マーケットでアレンジされましたので、MSRC のこのAddendum(2011年8月22日版)に署名を希望されるメンバーあるいはオペレーターはクラブ管理者にご連絡いただくようお願いします。

NRCについては、現在、その協定書に改定あるいは付属書等を追加していません。

VRPにNRCあるいはMSRCを記載しているかどうかに関わらず、全てのタンカー・メンバーは、ハワイに寄港する場合は、Clean Islands CouncilもVRPに入れる必要がある事をご了解ください。尚、Clean Islands Councilの契約書は、国際グループのガイドラインに沿っていないため、P&Iカバーをフルに適用するためには、クラブを通して追加保険を付ける必要があります。

タンカー以外の船主について

タンカー以外の船舶については、MSRCが分散剤散布サービス業者として非タンク船のVRPに記載されていなくても(現時点では合衆国あるいは州がそのような能力の業者を記載する要求事項はなく)、事前にMSRCのDispersant Addendumに署名する必要はありません。万一MSRCのサービスが必要となり、分散剤の使用が予期されるような油濁事故が起こった場合には、MSRCはこれを求めるかもしれません。

しかし、もしタンカー以外の船主がそのVRPにDispersant serviceを記載し、MSRCをそのサービス提供者と明記した場合、MSRC Addendumの条項に縛られることとなり、VRPの記載を書き変えない限り、追加保険カバーが必要となります。

タンカー以外のオペレーターは、VRPにMSRCが分散剤サービス提供者として記載されていないかどうかをチェックするか、VRP策定者に確認していただき、記載のない場合は、何もアクションは必要ありません。しかし、VRPにMSRCを上記サービスの提供者として記載したいと希望されるなら、前述の通り、追加保険カバーが必要となります。詳細は、クラブ管理者から入手する事が出来ます。

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  • 7428 - Circular10AUG2011Final 36 KB

    2016/04/27

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  • 7423 - MRSC_Dispersant_Addendum_Sept2011 793 KB

    2016/02/08

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Staff Author

PI Club

Date2011/08/26