回覧11/17 - 2018保険年度
- グループ再保険の料率はすべての船種カテゴリーで引下げられました。
- 各クラブの保有するリスク(リテンション)の限度額は1000万ドルに据え置かれました。
- グループ・プールの限度額は1億ドルに据え置かれました。
- 超過再保険第1層におけるグループ共同保険「ハイドラ」の再保険引受割合は継続いたします。
- 油濁事故に関するてん補限度額は2018保険年度も10億ドルです。
- 海上労働条約(MLC)カバーは、2018年2月20日から12か月間について更改され、限度額が2億ドルに引上げられました。
2017年に現行のプールについて詳細に検討した結果、プールの構造をシンプルにし、その効果を改善するため、国際グループのプール検討委員会により多くの改訂が提言されました。この提言はグループ再保険委員会により検討され、承認されました。 現在、ローワープールは1000万ドル以上4500万ドルまでの層を、アッパープールは4500万ドル以上8000万ドルまでの層をカバーしています。2018年2月20日以降、ローワープールの限度額、つまりアッパープールのアタッチメントポイントは4500万ドルから5000万ドルに変更されます。また、現行8000万ドル以上1億ドル(超過再保険アタッチメントポイント)までの層は、5000万ドル以上1億ドルまでをカバーするアッパープールとして一つの層に統合されます。このアッパープールの7.5%については、各クラブの保有リスク(リテンション)となります。2018/19年の国際グループの再保険のしくみについては下記図表をご参照ください。
各クラブのリテンションと超過再保険2016年2月20日に1000万ドルに引き上げられた各クラブのリテンションは、2018/19年も据え置かれました。国際グループの超過再保険のアタッチメント・ポイントは1億ドルに据え置かれました。
再保険契約P&I国際グループによる超過再保険契約の2018保険年度再保険料率(総トンあたり)が下記のとおり発表されました。
Dirty Tankers | $ 0.5955 $0.5845 | -$0.0110 -1.85% |
Clean Tankers | $ 0.2675 $0.2626 | -$0.0049 -1.83% |
Dry Cargo Vessels | $ 0.4114 $0.4038 | -$0.0076 -1.85% |
Passenger Vessels | $ 3.3319 $3.2707 | -$0.0612 -1.84% |
現在、8000万ドルから1億ドルまでの層はハイドラに100%出再しています。上記プールの変更に伴い、2018年2月20日より、この層のハイドラ再保険は92.5%となり、残りの7.5%は引き続き各クラブのリテンションとなります。またハイドラは現在、超過再保険の第1層(1億ドルから6億ドル)の30%について再保険を引受けていますが、2018/19年も変更ありません。
個別再保険契約超過再保険の第1層と第2層(1億ドルを越える10億ドル分)をカバーする3年契約の複数年個別再保険契約は、2018/19年度も変更ありません。
2018/19年の再保険コスト配分原則的に、各船種の「再保険金と再保険料」のバランスを中長期的に検証するという国際グループ再保険コスト配分目標にしたがい、国際グループ再保険政策作業委員会及び再保険委員会は、現行の4つの船種カテゴリーについて再保険料に対するロスの実績を検証しました。この検証には、船種別のクレームに焦点をあてて検証することや、クレームデータを分析し、現行の船種別カテゴリーを増やす事による詳細なコスト配分の見直しが含まれています。
オーバースピル再保険クレームが、万一21億ドル(つまり超過再保険の限度額)を超えた場合、その超過額あるいはオーバースピルと呼ばれるクレームは、国際グループ・クラブでプールされます。このオーバースピル・クレームに対するグループ・プールの総限度額は、従来どおり国際グループに加盟するクラブの全船舶についての、1976年船主責任制限条約における物的責任制限金額の2.5%相当額となっています。相互保険加入のメンバーは従来どおり保険約款第22条に従い、究極的に加入船舶の上記相当額までのオーバースピル保険料の支払責任を負っているということになります。国際グループは2018保険年度についても、各クラブに代わりグループ超過再保険限度額を超えた10億ドル分のオーバースピル・クレームについて再保険契約を締結しました。同再保険は、各クラブがそれぞれのメンバーからオーバースピル・コールを徴収する必要性を軽減するために全グループ・クラブに適用されます。
油濁制限保険約款第5条B項(ii)に従い、理事会は2018年2月20日グリニッジ標準時正午より、油濁に関するクレームに対し、クラブが責任を負う金額の総額を、従来どおり「賃借人もしくは裸用船者以外の用船者でない船主もしくはその代理人により加入した船舶に関しては一出来事あたり10億米ドル」とすると決定しました。
船客及び船員に対するてん補限度額保険約款第5条B項(iii)に従い、クラブが一切のクレームに対して責任を負う金額の総額は、「賃借人もしくは裸用船者以外の用船者でない船主もしくはその代理人により加入した船舶につき、船客の責任に関しては一出来事あたり20億米ドル、船客及び船員の責任に関しては一出来事あたり30億米ドル」とします。
P&I戦争危険付保2018保険年度のP&I戦争危険特別担保については後日クラブ回覧を発行します。
合衆国油濁危険 - 追加保険料2018保険年度の追加保険料率はゼロに据置かれましたので、本スキームに基づく申告をしていただく必要はありません。
UK P&Iクラブ 日本支店