02/12 - 2012保険年度
- 2012年度のクラブ・リテンションは800万ドルに据え置かれました。
- 2012年度のプール限度額は、6,000万ドルに据え置かれました。
- 船主の油濁クレームは、ルール第5章B項ii に従い、引き続き10億ドルを限度とします。
- 合衆国航路追加保険料及びP&I戦争危険については01/12及び03/12で別途お知らせします。
- 用船者P&Iカバーについて1億ドルを超える部分についてのクレームは、再保険者から回収できる金額を限度とします。
- クラブが一切のクレームに対して責任を負う金額の総額は、従来通り、船客の責任に関しては20億米ドル、船客及び船員の責任に関しては30億米ドルを限度とします。
2012保険年度
国際グループ・クラブのプール
2012保険年度は、各クラブが保有するクレームの限度額(Club Retention)は引き続き現行の800万米ドルに据え置かれました。国際グループのプールの限度額(Pool Retention)も6,000万ドルに据え置かれ、引き続き国際グループのキャプティブ「ハイドラ」との再保険契約が継続されました。ハイドラは各クラブが再保険料を負担することで資金調達をしています。この再保険料は下記再保険料率に含まれています。
再保険契約
国際グループの超過再保険契約は、2011保険年度と同様の条件で保険更改が行われました。グループのプール限度額は6,000万ドルに据え置かれました。
例年通り、グループ・クラブの管理者は再保険プログラムにかかわる総コストに対する船種毎の負担割合を算定し、各船種別の再保険料率を調整するにあたり、同再保険契約における長年にわたるクレーム・レコードを特に考慮に入れています。再保険料率は船種毎に規定しており、グループのすべてのクラブで同じレートを適用しています。
2012年度のグループ再保険の(総トンあたりの)料率は下記のとおり確認されました。
DIRTY TANKERS | $ 0.6515 | - 7.43 |
CLEAN TANKERS | $ 0.2798 | - 8.41 |
DRY CARGO VESSELS | $ 0.3561 | - 3.99 |
PASSENGER VESSELS | $ 1.3992 | - 5.33 |
オーバースピル・プール
クレームが万一20億6千万ドル(つまりグループの超過再保険の限度額)を超えた場合、その超過額あるいはオーバースピルと呼ばれるクレームは国際グループ・クラブでプールされます。このオーバースピル・クレームに対するグループ・プールの総限度額は、従来どおり国際グループに加盟するクラブの全船舶についての、1976年船主責任制限条約における物的責任制限金額の2.5%相当額となっています。
メンバーは従来どおりルール第22条に従い、究極的にオーバースピル・コール、つまり加入船舶の条約上の上記限度額までの支払責任を負っているということになります。2012年度に、グループは各クラブに代わりグループ超過再保険を超えた10億ドル分のオーバースピル・クレームについて再保険契約を締結し、今年度についても、各クラブがそれぞれのメンバーからオーバースピル・コールを徴収する必要性を軽減するために同再保険が全グループ・クラブに適用されます。
油濁制限
保険約款第5条B項ii号に従い、理事会は2012年2月20日グリニッジ標準時正午より、油濁に関するクレームに対しクラブが責任を負う金額の総額を「賃借人もしくは裸用船者以外の用船者でない船主もしくはその代理人により加入した船舶に関しては一出来事あたり10億米ドル」とすることを決定しました。
船客及び船員に対するてん補限度額
保険約款第5条B項(iii)に従い、2012年2月20日グリニッジ標準時正午より、クラブが一切のクレームに対して責任を負う金額の総額は、「賃借人もしくは裸用船者以外の用船者でない船主もしくはその代理人により加入した船舶につき、船客の責任に関しては一出来事あたり20億米ドル、船客及び船員の責任に関しては一出来事あたり30億米ドル」とします。
P&I戦争危険付保
2012保険年度のP&I戦争危険特別担保についてはクラブ回覧03/12をご参照ください。
用船者P&Iカバー限度額
クラブ保険約款第2条前文ただし書き�に従い、理事会は下記の通り決議しました。
「2012年2月20日グリニッジ標準時正午より、組合における船舶の加入が、賃借人もしくは裸用船以外の用船者あるいはその代理人で行われ、保険約款第2条に規定する危険について、それら用船者に提供される保険に関するクラブの責任限度額が1億ドルを超える場合、組合員は、一出来事から生じた危険について1億ドルを超える金額を組合が再保険者から回収しない限り、組合から回収することはできない。」
合衆国油濁危険 - 追加保険料
これまで、国際グループの方針は、タンカーによる重大な油濁事故がない限り、タンカーの保険料を継続して引下げることにありました。最近のアメリカでの油濁事故の多くはドライ・カーゴ船によるものです。
ハイドラ保険料の減額と、国際グループの主要再保険契約を現状維持のまま更改したことにより、国際グループは、有意義な再保険料率の引下げを実現しながら、本追加保険料を大幅に減額することができました。2012年度の追加保険料の詳細はクラブ回覧01/12をご参照下さい。