回覧2/19:2019保険年度

Trulli

アウトライン

  • グループ再保険の料率はすべての船種カテゴリーで引下げられました。
  • 各クラブの保有するリスク(リテンション)の限度額は1000万ドルに据え置かれました。
  • グループ超過再保険のアタッチメント・ポイントは1億ドルに据え置かれました。
  • 超過再保険第1レイヤーにおいて、グループ共同保険「ハイドラ」は、年間累積免責額(AAD)を引き受けることで参画が継続されました。
  • 油濁事故に関するてん補限度額は2019保険年度も10億ドルです。
  • 海上労働条約(MLC)カバーは、限度額2億ドルで2019年2月20日に更新されます。

メンバー各位、

2019保険年度

国際グループ・クラブの2019年度再保険プログラム・プールは下記の通りです。

  • クラブ・リテンション: 2018年度と変わらず1000万ドル
  • プール・リテンション: (上記1000万ドルを超える) プール・カバー9000万ドルは2つのレイヤーで構成されます。 レイヤー1(Lower Pool)は4000万ドル、レイヤー2(Upper Pool)は5000万ドル
  • 超過再保険:(上記1億ドルを超える)20億ドル
  • オーバースピル再保険: 上記の超過再保険限度額(21億ドル)を超える10億ドル

クラブ・リテンションと超過再保険

各クラブのリテンションは、2019/20年も、一事故につき1000万ドルに据え置かれました。国際グループの超過再保険のアタッチメント・ポイントは1億ドルに据え置かれました。 

再保険契約

国際グループの2019年度再保険料率(総トンあたり)にが下記のとおり発表されました。

Tonnage category 2018 rate per gt (US$) 2019 rate per gt (US$) Change % change from 2018
Persistent oil tankers 0.5845 0,5747 -$0.0098 -1.68 %
Clean tankers 0.2626 0,2582 -$0.0044 -1.69 %
Dry cargo vessels 0.4038 0,3971 -$0.0067 -1.67 %
Passenger vessels 3.2707 3,2161   -1.67 %

再保険契約の構成変更

2018年春のグループ再保険ブローカーによる交渉に続き、共同再保険の費用対効果を改善し、継続可能性を確保することを目指して、多くの変更案が検討されました。

2019/20年の再保険プログラムの大きな変更点は、現行の第2、第3レイヤーのアタッチメント・ポイントの変更、新たに導入する複数年再保険契約、及び超過再保険第1レイヤーの80%について、1億ドルの年間累積免責額(AAD)が導入されたことです。

第1レイヤーは1億ドルを超えて7.5億ドルまでを限度としてカバーします。 第2レイヤーは7.5億ドルから15億ドルまでを限度とします。また第3レイヤーは15億ドルから21億ドルまでをカバーします。 21億ドルを超える10億ドルをカバーするオーバースピル再保険は変更ありません。

現行の3つの複数年再保険契約は1億ドルを超えた10億ドル(第1、第2レイヤー)の5%を夫々カバーしていますが、そのうち1契約が2019年2月20日に終了します。そこで新たに2019年度の第1レイヤー(1億ドルを越える6.5億ドル)の10%をカバーする複数年再保険契約を締結しました。 そのため第1レイヤーにおける複数年再保険契約の割合は15%から20%となりました。
第1レイヤーの80%(ロイズ・マーケットで手配する超過再保険部分)について、1億ドルの年間累積免責(AAD)が導入されました。

ハイドラ

2019年2月20日より、再保険の構成は上記の通り変更し、ハイドラはプール・レイヤー3000万ドルから5000万ドル(Lower Pool)の100%を引受け、5000万ドルから1億ドルまで(Upper Pool)の92.5%を引き受けます。これに加え、超過再保険の2019年度第1レイヤーの80%の部分について1億ドルの年間累積免責額(AAD)を引受けることとなりました。

2019/20年の再保険コスト配分

原則的に、各船種の「再保険金と再保険料」のバランスを中長期的に検証するという国際グループ再保険コスト配分目標にしたがい、国際グループ再保険委員会は、現行の4つの船種カテゴリーについて再保険料に対するロスの実績を検証しました。この検証には、この検証には、船種ごとのクレームに重点を置くことや、再保険コスト配分の試算のために入手可能なクレーム・データを現行の船種別カテゴリーに適用するかどうかなどの検討を含んでいます。

オーバースピル再保険

クレームが、万一21億ドル(つまり超過再保険の限度額)を超えた場合、その超過額あるいはオーバースピルと呼ばれるクレームは、国際グループ・クラブでプールされます。このオーバースピル・クレームに対するグループ・プールの総限度額は、従来どおり国際グループに加盟するクラブの全船舶についての、1976年船主責任制限条約における物的責任制限金額の2.5%相当額となっています。 相互保険加入のメンバーは従来どおり保険約款第22条に従い、究極的に加入船舶の上記相当額までのオーバースピル保険料の支払責任を負っているということになります。国際グループは2019保険年度についても、各クラブに代わりグループ超過再保険限度額を超えた10億ドル分のオーバースピル・クレームについて再保険契約を締結しました。同再保険は、各クラブがそれぞれのメンバーからオーバースピル・コールを徴収する必要性を軽減するために全グループ・クラブに適用されます。

油濁制限

保険約款第5条B項(ii)に従い、理事会は2019年2月20日グリニッジ標準時正午より、油濁に関するクレームに対し、クラブが責任を負う金額の総額を、従来どおり「賃借人もしくは裸用船者以外の用船者でない船主もしくはその代理人により加入した船舶に関しては一出来事あたり10億米ドル」とすると決定しました。

船客及び船員に対するてん補限度額

保険約款第5条B項(iii)に従い、クラブが一切のクレームに対して責任を負う金額の総額は、「賃借人もしくは裸用船者以外の用船者でない船主もしくはその代理人により加入した船舶につき、船客の責任に関しては一出来事あたり20億米ドル、船客及び船員の責任に関しては一出来事あたり30億米ドル」とします。

P&I戦争危険付保

2019保険年度のP&I戦争危険特別担保については別途クラブ回覧を発行します。

合衆国油濁危険 - 追加保険料

2019保険年度の追加保険料率はゼロに据置かれましたので、本スキームに基づく申告をしていただく必要はありません。


UK P&Iクラブ 日本支店

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  • 35211 - UK_Circular_2-19b-2 735 KB

    2019/02/01

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Staff Author

PI Club

Date2019/01/29

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