アウトライン

• 国際グループは2つの電子商取引システムBolero (www.bolero.net) 及び ESS (www.essdocs.com
• )の下で行われた貨物運送に関して生じた責任をてん補することを承認しています。ESS商取引システムの新バージョンDSUA2013.1は今回承認されました。
• クラブ・ルールにおいて紙ベースシステム上、従来から免責となっている事柄は電子商取引システムについても同様となります。
• 電子商取引システム利用者は、P&I保険以外の追加てん補が必要となるリスクを負うことがあります。
• 本回覧はクラブ回覧16/10を参照しています。

組合員各位

電子商取引（ペーパーレス）システム

- Electronic Shipping Solutions (ESS)及び Bolero International Ltd. - ESS DSUA Version 2013.1 

本クラブ回覧は、国際グループがElectronic Shipping Solutions (ESS)の電子取引システムの最新版を承認したことを確認するものです。本バージョンはDSUA2013.1と呼ばれており、船荷証券(bills of lading)と貨物運送状(waybills)の両方の電子商取引に用いることができます。このバージョンは、従来のESS電子商取引システムDSUA 2009.3に代わるものですが、DSUA 2009.3もクラブ・カバーは引き続き承認されています。DSUA 2013.1は2013年3月18日をもって有効となります。

2010年9月発行のクラブ回覧16/10（電子商取引（ペーパーレス）システム）でご案内した通り、2010年2月まで国際グループの全クラブのルールは、電子商取引、つまりペーパーレス・トレーディング・システムでの貨物の運送に関する責任について、譲渡可能な紙の書類を使用した「通常の」紙ベースのシステムの下では生じなかったであろうと考えられるものについてはてん補から除外していました。 

多くの電子商取引システムを検討した結果、国際グループは、2010年2月20日より、国際グループが事前に承認したシステムであれば、そのシステムの下での貨物の運送に関する責任について、カバーの対象とすることに合意しました。

クラブ回覧16/10発行時点におけるバージョンについて、グループが承認した2つのシステムは、Electronic Shipping Solutions が運営するThe ESS system - version DSUA v. 2009.3 及び Bolero International Ltd.が運営するThe Bolero system - Rulebook/Operating Procedures September 1999でした。これら2つのシステムは引き続き承認されています。両社のウェブサイトは、www.essdocs.com及び www.bolero.net　です。

上記どちらかの運営者が改訂を行う場合には、いかなる変更もグループの要件を確実に満たすために、この2つのシステムの使用および運用に伴う法的文書はグループとその法律顧問により検討されることとなります。

貨物輸送に関連して、従来からクラブ・ルールでてん補対象から除外されていた項目は、もちろん引き続きESS及びBOLEROにおいても、紙ベースのシステムと同様に除外されます。（つまり運送契約で定めた港あるいは場所以外での荷揚げ、あるいは先日付け又は後日付けで発行された電子書類や電子記録、譲渡可能な電子書類や、電子記録の提示なしの貨物の引渡しなどについて従来と同様の扱いとなります。）

メンバーが電子商取引システムを利用する場合には、従来のP&I保険の特性にない責任を負うかもしれないことにご留意ください。ESSあるいはBoleroシステムのいずれかを利用しようとする船主あるいは傭船者が、そのシステム運用に必要な義務とされる特殊な契約の当事者となることを求められることによって、それら責任が生じるかもしれません。一例として、守秘義務違反やコンピュータ・リンク保持義務の違反に対する責任などが考えられます。メンバーにおかれては、これらリスクが伝統的P&I保険の対象ではない以上、他の保険契約が必要であることをご理解ください。

最後に、グループとしては、メンバーの皆様がいずれかのシステムを使用することについてご報告いただくことや、法律的、実務的な利点あるいは問題について各クラブにお知らせいただけると、今後2つのシステムの使用やその推移を監視する上で役立つと思われます。

グループの各クラブは、同様の回覧を発行しています。