24/10 - 強制保険 - 「ブルーカード」

Trulli

アウトライン

  • この回覧は「ブルーカード」発行に関する手続きの標準化を促進するために、国際グループ及びIMOが実施する措置についてメンバーの皆様にお知らせするものです。
  • UKクラブは国際グループの全クラブと同様、PDF電子ファイルで発行したブルーカードを個別に照合するための専用ウェブサイトを立ち上げます。
  • 2010年11月にIMO法律委員会はその旗国対応グループの決議を承認し、すべての旗国は各クラブのウェブサイトにて船舶の加入及びブルーカード発行について照合するとともに、国際グループ・クラブが電子的に発行したブルーカードを受入れなければならないとしました。
  • 上記の電子フォーマット以外の形式でブルーカードの提示を要求されたメンバーは、関係管理当局に本クラブ回覧およびIMO法律委員会の決議を提示していただくようお願いします。

組合員各位、

強制保険 - 「ブルーカード」 

本クラブ回覧は、国際海事機関(IMO)により採択された国際的な損害賠償補償制度によって要求されるクラブ・カバー及び保険付保を証明するための手続きの標準化について最近の動向をお知らせするためのものです。保険者が必要な保険カバーが有効であることを証明する、いわゆる「ブルーカード」という書面に基づき旗国当局が証明書を発行する手続きは1975年に始まりました。1969年CLC条約が発効した当初、付保証明は当該船舶に対して発行されていました。以来、タンカーの油濁責任に関する国際的な補償制度は、1969年CLCあるいは1992年のCLC条約に引き継がれ現在160の旗国が加盟するまでに至っています。各旗国が国際グループ・クラブを保険者と認め、そのブルーカードに基づいて証書を発行するという手続きは長年受け入れられてきた事です。

この10年間でブルーカードは電子化され、大多数の管理当局はPDFファイル形式のブルーカードを受け入れてきています。

どのクラブも、偽造ブルーカードが証書の申請に使われた事実を認識していません。それでもなお、ごく一部の管理当局は、書面によるブルーカードを要求し、中にはクラブのスタンプあるいは透かしの入った紙に印刷したものを求めているところもあります。

各クラブは、油タンカーだけに適用されるCLC条約の下でこのような要件に沿うべく努力をして参りましたが大半の船舶に適用されるバンカー条約の発効に伴い、関連の作業はかなりの負担となってきました。確かに、この手続きに関わる事務的な負担は最大の課題となっています。なぜならバンカー条約に加盟する旗国は増加する一方であり、IMOの条約において様々な強制保険制度の発効、とりわけ船客に対する責任、危険有害物質、船骸撤去などに関する条約の発効が予測されているからです。もし、これら制度の証書手続きが順調に行えるのであれば、各クラブが提供する付保証明は、なんの物的利益もない古めかしい手順に邪魔されることなく、効率よく統一的な方法で発行され、提供されることが不可欠となります。

この目的を達成するために2つの重要な進展がありました。

第一に、少数の旗国の懸念、つまりPDFフォーマットのブルーカードはクラブのスタンプあるいは透かしの入った紙に印刷した正本より安全でないとする懸念を和らげるための措置が取られました。この点について、すべての国際グループ・クラブは、それぞれのウェブサイトに船舶データベースを構築しました。これにより、特定の船舶が必要な保険カバーを付保しているかどうか、ブルーカードが発行されているかどうかについて簡単に照合することができます。

第二に、ブルーカードの形式に関する問題について、満足できる統一的なやり方を維持する事を念頭に、IMOにより検討されました。2009年3月の第95回IMO法律委員会において、バンカー条約の統一的な履行を促すための旗国対応グループが設立されました。同対応グループの結論は、すべての加盟旗国は大多数の国に既に採用されている実務に従い、特にブルーカードがクラブから送信された電子メールに添付された事が明らかであるか、ブルーカードが発行されたことが当該クラブのウェブサイトで確認が出来る場合には、国際グループ・クラブにより電子的に発行されたブルーカードを受け入れるべきだという事でした。

2010年11月の第97回法律委員会において、同委員会は対応グループの結論を承認し、回覧でこれを広く告知しIMOのウェブサイトに掲載するよう勧告しました。

従いまして、各クラブは引続きブルーカードを電子的に発行し、今後それぞれのウェブサイトで個別に照合できる手段を提供して参ります。また、特定の環境において万一管理当局がブルーカードの信ぴょう性に疑念を抱いた場合には、各クラブは喜んで管理当局の問合わせに応じます。そうでなければ、各クラブは標準的な証明手続きに関わるかなりの事務作業負担に加えて、国際制度や大多数の旗国が受け入れている方法に沿わない国の要求に応える船主を支援することは必ずしも出来るものではありません。

上記の電子フォーマット以外の形式でブルーカードの提示を要求されたメンバーは、関係管理当局に本クラブ回覧およびIMO法律委員会の決議をご提示いただくようお願いします。

国際グループのすべてのクラブは同様の回覧を発行しています。 

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Staff Author

PI Club

Date2011/01/01