24/13 - 2014保険年度 保険約款補則条項の改訂

Trulli

アウトライン

  • 合衆国寄港時にかかるタンカーの追加保険料は徴収しないこととなったため「合衆国油濁条項」は削除されます。
  • 既にお知らせした、インドネシアあるいはフィリピンでニッケル鉱を積載する際の通知義務要件が、「ニッケル鉱条項」として導入されます。
  • タンカー及びOBOへの適用を明確化するため、持続性油(persistent Oil)及びその他貨物の輸送に適用される国際グループ再保険請求システムに係る条項が改訂されます。
  • 本クラブ回覧は、08/12及び04/13を参照しています。

組合員各位

2014保険年度 保険約款補則条項の改訂

  1. 合衆国油濁追加保険料 - 合衆国油濁条項の削除
  2. インドネシア及びフィリピン積みニッケル鉱の輸送の危険 - 通知義務要件
  3. タンカー及びOBO条項の改訂

2014保険年度に、以下の保険約款補則条項が改訂されますので、お知らせいたします。

2014保険年度 合衆国油濁追加保険料 「合衆国油濁条項」の削除

タンカー事故の実績が継続的に向上していることを踏まえ、国際グループは、近年合衆国航路タンカー追加保険料率を引下げる方針を取ってまいりました。本条項にかかわる大事故の発生もなく、追加保険料として徴収される保険料収入は年々減少している傾向にありました。そのため国際グループは2014年度追加保険料をゼロに引き下げることを決定しました。

この決定により、2014年2月20日以降は、合衆国航路に関する申告をしていただく必要はありません。合衆国油濁条項は不要となり、ルール補則より削除されます。

「ニッケル鉱条項」の導入

国際グループ・クラブ間で合意がなされ、クラブ回覧08/12にてお伝えした通知義務要件を条文化するため、「ニッケル鉱条項」が導入されました。これは、インドネシアあるいはフィリピンの港からニッケル鉱を積み出す場合、組合員はクラブにその旨を通知する義務があるというものです。

ニッケル鉱条項(Appendix A参照)はクラブのルール・ブックの船主保険約款補則及び用船者補則に導入されます。

タンカー及びOBO条項の改訂

昨年、年間で持続性油貨物(ダーティ)と、同貨物以外の貨物(クリーン)を切替えて輸送するタンカー及びOBO (あるいはCombination Carriers)に対する、国際グループ再保険費用の請求システムが、全グループ・クラブで改訂されました。この改訂により、持続性油あるいはその残渣(スロップを除く)を輸送しない船舶の再保険費用は、当該船舶が30日以上の期間、クリーンである場合には保険料が返還されることで減少することになりました。

本改定を盛り込んだ4条項は、クラブ回覧04/13にて発表されました。これら条項は、1年を経て当該組合員のため、さらに明文化し、文言を洗練しました。

本改定条項では、もし船舶が、ダーティ貨物を、連続30日間あるいはそれ以上にわたり輸送しない場合には、クリーンの期間はクリーン・タンカーの保険料率を適用することができるというものです。ただし、クリーンの期間が、連続30日間以下の場合は、その期間もダーティ・タンカーの料率が引続き適用されます。「クリーン」とは、実際にクリーン・カーゴを輸送するという意味で、つまり原油・重油製品等のダーティ・カーゴ輸送の狭間のバラスト期間も含むことはできますが、ダーティ貨物あるいはその残渣の無い期間が連続30日あるいはそれ以上の場合に限ります。これはOBO船にも同様の原則が適用されます。

これら4条項(Appendix B参照)はクラブ・ルールの船主保険約款補則に記載されます。 

Appendix A ニッケル鉱条項

組合員が、ニッケル鉱貨物をインドネシアあるいはフィリピンの港から積載しようとする場合は、可及的速やかに、管理者に事前通知をしなければならないことを、本保険契約の条件とする。

通知は、管理者へ書面で行い、可能な限り以下の情報を含むものとする。

  • 船舶名
  • 積載港・錨地、入港予定時刻
  • 積載予定日
  • 用船者・荷主の詳細
  • 代理店の詳細
  • 荷主の貨物申告書及び関連証明書コピー

管理者は、その裁量により、当該貨物の積載前の状態を検証するため、組合員に代わり貨物検査の開始を求める事ができ、その検査は積荷中も行う事ができる。

組合が別段の定めをした場合を除き、上記の書面による通知が、当該貨物の積載前になされない場合には、当該貨物の状態に直接的、間接的に関連した事由から生じる責任、損害又は費用について、組合から回収することはできない。

Appendix B タンカー及びOBO条項

タンカー条項(持続性油貨物輸送を前提とした加入)

1. 当船舶は、保険年度中に持続性油を貨物として輸送することを、ここに合意する。これにもかかわらず、持続性油あるいはその残渣(スロップを除く)を、連続30日間あるいはそれ以上にわたり輸送しなかった場合、その加入船舶は、管理者に申請する事により、当該期間に関わる保険料の払戻しを受取る事ができる。(この期間とは、持続性油あるいはその残渣(スロップを除く)を積載しなかった日から、次に持続性油貨物を積載した日までの日数より1日差引いて計算することとする。)管理者が、当該払戻しをする保険年度の終了から3カ月以内に文書による通知を受領しなければ、組合による払戻しはない。

2. 本条項において、「持続性油」とは下記に規定する「油」以外のすべての炭化水素を含む鉱物油とする。

ASTM Method D86/78またはその後改正された試験において

(a)摂氏340度で少なくともその体積の50%の量が留出する炭化水素油、及び

(b)摂氏370度で少なくともその体積の95%の量が留出する炭化水素油

タンカー条項(持続性油以外の貨物輸送を前提とした加入)

1. 当船舶は、保険年度中に持続性油を除く貨物を輸送することを、ここに合意する。これにもかかわらず、保険期間中に持続性油貨物を輸送した場合は、その加入船舶は、いかなる場合においても当該輸送完了の日から1カ月以内に、当該貨物の輸送につき速やかに管理者に申告し、管理者が当該期間について算出した追加保険料が支払われることを条件とし、担保を継続(ヘルドカバー)とする。

2. 船主が管理者に上記第1項に規定する申告をしなかった場合は、当該船舶の保険は持続性油を貨物として積載した日(保険停止日)をもって停止するものとし、保険約款第28条b項が適用される。ただし、理事会はその裁量により、また適切と判断する条件で、当該船舶の加入を復権し、本第2項の規定により保険が終了したために組合がてん補しない当該船舶のいかなるクレームの全額又は一部を認めることができる。

3. 本条項において、「持続性油」とは下記に規定する「油」以外のすべての炭化水素を含む鉱物油とする。
ASTM Method D86/78またはその後改正された試験において
(a)摂氏340度で少なくともその体積の50%の量が留出する炭化水素油、及び
(b)摂氏370度で少なくともその体積の95%の量が留出する炭化水素油

OBO船条項(持続性油貨物輸送を前提とした加入)

1. 当船舶は、保険年度中に持続性油を貨物として輸送することを、ここに合意する。これにもかかわらず、ドライ・カーゴ及び/又は持続性油あるいはその残渣以外の液体貨物を、連続30日間あるいはそれ以上の期間にわたり輸送した場合、その加入船舶は、管理者に申請する事により、当該期間に関わる保険料の払戻しを受け取る事ができる。(この期間とは、持続性油あるいはその残渣(スロップを除く)を積載しなかった日から、次に持続性油貨物を積載した日までの日数より1日差引いて計算することとする。)管理者が、当該払戻しをする保険年度の終了から3カ月以内に文書による通知を受領しなければ、組合による払戻しはない。

2. 本条項において、「持続性油」とは下記に規定する「油」以外のすべての炭化水素を含む鉱物油とする。

ASTM Method D86/78またはその後改正された試験において

(a)摂氏340度で少なくともその体積の50%の量が留出する炭化水素油、及び

(b)摂氏370度で少なくともその体積の95%の量が留出する炭化水素油

OBO船条項(持続性油以外の貨物輸送を前提とした加入)

1. 当船舶は、保険年度中にドライ・カーゴ及び/又は持続性油あるいはその残渣を除く液体貨物を輸送することを、ここに合意する。これにもかかわらず、保険年度中に持続性油を貨物として輸送した場合は、その加入船舶は、いかなる場合においても当該輸送完了の日から1カ月以内に、当該貨物の輸送につき速やかに管理者に申告し、管理者が当該期間について算出した追加保険料が支払われることを条件とし、担保を継続(ヘルドカバー)とする。

2. 船主が管理者に上記第1項に規定する申告をしなかった場合は、当該船舶の保険は持続性油を貨物として積載した日(保険停止日)をもって停止するものとし、保険約款第28条b項が適用される。ただし、理事はその裁量により、また適切と判断する条件で当該船舶の加入を復権し、本第2項の規定により保険が終了したために組合がてん補しない当該船舶のいかなるクレームの全額又は一部を認めることができる。

3. 本条項において、「持続性油」とは下記に規定する「油」以外のすべての炭化水素を含む鉱物油とする。

ASTM Method D86/78またはその後改正された試験において

(a)摂氏340度で少なくともその体積の50%の量が留出する炭化水素油、及び

(b)摂氏370度で少なくともその体積の95%の量が留出する炭化水素油

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    2016/05/16

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PI Club

Date2014/01/09