03/13 - P&I戦争危険 及び 生化学兵器等特別担保 及び 2007年再承認法により改正された2002年米国テロリズム危険保険法

Trulli

アウトライン

  • P&I戦争危険特別担保の限度額は2013年も引き続き5億米ドルとなっています。
  • 生化学兵器等によるクレームは引続き除外条項となっていますが、P&I責任に関する乗組員のリスク及び訴訟関係費用についての生化学兵器等リスクは、3,000万米ドルを限度額として追加担保されます。
  • これら担保のある部分は、2007年再承認法(TRIRA)により改正された2002年米国テロリズム危険保険法の要件に準拠しています。

組合員各位

P&I戦争危険 及び 生化学兵器等特別担保 及び

2007年再承認法により改正された2002年米国テロリズム危険保険法

P&I戦争危険特別担保

2013 年1月28 日の理事会において、保険約款第5条E項ただし書に従いメンバーに提供しているP&I戦争危険特別担保の枠組みにつき検討が行なわれ、2013 年1月28 日付理事会決議文の条件に従い、2013保険年度もメンバーに同担保を提供することを決議しました。

P&I戦争危険特別担保の条件は、5億米ドルの担保限度額を含め基本的に2012年と変更ありません。2012保険年度同様、担保の対象となるのは保険約款第5条D項に規定した加入船舶の適正価額、あるいは船舶戦争保険者から回収可能な金額のいずれか高い金額を超えるクレームのみとしています。 

生化学兵器等クレームに対する担保

理事会はまた、「生化学兵器等除外条項」によってP&I戦争危険特別担保から除外されている、すべてのP&I責任に関する乗組員のリスク及び訴訟関係費用について、3,000万米ドルの担保限度額を含め2012 保険年度と同様に生化学兵器等クレームを担保すると決議しました。

本担保に関わるクレームで、クラブのリテンション限度額の900万ドルを超えるクレームについては、引き続き国際グループ・クラブでプールされます。

本特別担保の条件は2013年1月28日付理事会追加決議文に記載されています。主な条項は以下の通りです。 

  • 3,000万米ドルの担保限度額は、当該船舶の全利害関係者に対し、一船あたりの総額として適用されます。これは事故の利害関係者の数にかかわらず、また(例えば船主、用船者、再用船者等が)複数のP&Iクラブに加入しているか否かに関係ありません。
  • この担保には、リスク総額が過大にならないよう、解除条項(24時間通告)を設けています。特定情勢不安定地域については、理事会の裁量により除外することができます。本特別付保に対する追加保険料はありません。
  • 担保は、グラウンド・アップ(つまりメンバー個々の免責額を超える金額)とし、一船舶一事故あたり(あるいは一事故から発生する一連の出来事につき)3,000万米ドルまでを限度とします。

担保に関する通知 - 

2007年再承認法(TRIRA)により改正された2002年米国テロリズム危険保険法(TRIA) 

米国テロリズム危険保険法(TRIA)を2014年12月31日までの7年間延長するための2007年テロリズム危険保険再承認法(Public Law 110-160)("TRIRA")が2007年12月26日ジョージ・ブッシュ大統領の署名をもって法制化されました。

理事会決議文に従い、メンバーに提供されるP&I戦争危険特別担保及び生化学兵器等追加担保のある部分は、2007年同再承認法(TRIRA)により改正された2002年米国テロリズム危険保険法(以下同法)の要件に従って作成されており、同法第102条1項において定義され、同法第103条c項の要件を満たす「テロ行為」により生じた損失を担保します。

「テロ行為」と認められた事柄から生じた損失のてん補金は、連邦法で定める割合で合衆国から回収できます。現行では合衆国の支払う割合は、保険者がその免責金額を差引いて支払ったテロリズム損失てん補金の85%となっています。改正された同法も従来同様、政府の損害補償についてのトリガー(補償の適用条件)を規定しています。つまり、「テロ行為」と認められた事柄から生じた損害について、保険業界全体の総損失額が一定の金額あるいはトリガー金額を超えなければ、保険会社は政府の損害補償を受けられません。現行のトリガー規定は1億ドルです。またこの規定では、同再承認法の有効期間に総保険損失額が1,000億ドルを超えた場合は、政府はこれを超える金額についての支払い義務はなく、いかなる保険会社も、免責適用後のてん補額が1,000億ドルを超える部分については責任を負わないとしています。

この「テロ行為」担保のために追加保険料はかかりませんが、1加入トン当り0.25セントの保険料が、同法に準拠するためこの合衆国リスクに割り当てられていると見なされています。

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Staff Author

PI Club

Date2013/01/29