Crew Health Advice: 腰痛に苦しむ乗組員への支援

椎間板ヘルニア、筋違い、捻挫、炎症、こわばり、圧痛は、UK Clubに報告された腰痛の症状のほんの一部ですが、これは重い物を持ち上げ、あるいは船上での日々の活動が原因となっています。腰痛は、世界中の健康障害の主な原因の1つであり、海上労働環境の中で共通の健康問題となっています。長時間座ったり、重い荷物を持ち上げたり、姿勢が正しくなかったり、筋肉のバランスが崩れたりすることがこれらの原因の一部となっています。

最近の技術革新により、多くの人が一日中コンピューターの前で過ごしています。休憩の時でも、テレビやパソコンの画面の前で同じことをしていることがよくあります。時間が経つにつれて、人々は背中、腰や首に痛みを感じ、その痛みが数日またはそれ以上続くことがあります。長時間座り続けることは、健康に悪いということが証明されています。座りっぱなしの生活は、心臓疾患、糖尿病、肥満、脳卒中、高血圧、高コレステロールなどのさまざまな健康被害に関係しています。

さらに、筋骨格系への影響も考慮する必要があります。世界保健機関によると、先進国の人口の60〜70%は、将来のある時点で腰痛を経験すると言っています。
PEME(Pre-Employment Medical Examination、雇用前健康診断)においては、乗組員は腰痛の病歴に関する申告を含め、既往症の全てを開示することが重要となります。腰痛の多くの原因を見つけるのは難しいかもしれませんが、UKクラブCrew Healthチーム認定の複数の医師は次のようにアドバイスしています:

長時間の立ち仕事、重い物を持ち上げたり、前かがみなどの激しい作業をする乗組員は、腰の問題を抱えやすい傾向があります。雇用前健康診断の過程で、気になる場合には四肢と脊椎の検査に関する限り、医師は下肢伸展挙上(SLR, straight leg raising)テストを実施することができます。これにより、脊椎の可動性や脊髄神経に関連するその他の神経障害を判定することができます。

脊椎に関連する腰痛の問題は確かに対処するのが難しい問題です。多くの場合、このような症状は、業務中に発生する可能性があります。これは、外傷(転倒、腰への衝撃による負傷など)や、不適切な作業姿勢に関連しています。すなわち重い物体を持ち上げる時、脊椎が突然上方へ引っ張られ脊椎の配列が崩され、その結果椎間板の問題を引き起こすことになります。

一部の船舶オペレーターは、PEMEにおいて乗組員の腰痛と脊椎に関して(アドバイスシートの最後に添付されているような)質問表を使って乗組員に自己申告してもらっています。このような質問票は、腰痛と脊椎の悪化についての問題意識を高めるのに役立ち、医師にとっても良い追加情報源となります。腰痛のケアには、背中と腰を支える脊椎やその他の筋肉を強化するのに役立つ、正しい姿勢つくりと簡単な運動があり、それらを以下に示しますので参考にしてください:

腰痛の予防には、背中や腰を支える中心部やその他の筋肉を強化するため、良い姿勢を保つことと簡単な運動が必要です。

【2分間のウォームアップ】

前方への呼吸

位置:膝を少し曲げ、両手を太ももの横において、姿勢を正して座ります。
息を吸って5秒間保持します。
息を吐きながらあごを胸まで下げ、腕を足に向けてゆっくりと前に持っていきます。
息を吸って5秒間保持します。
息を吐きながら開始位置まで体を戻します。
これを10回繰り返します。

ヒップロール

位置:両腕を体の横に置いて仰向けに寝て、手のひらを下に向け、膝を曲げて足をしっかりと立てます。
息を吸い、それから息を吐きながら、臀部、腰、背中(中背部)の順にブリッジの位置まで持ち上げます。
息を吸って3〜5秒間保持します。
その後、息を吐きながら、背中、腰、臀部と最初と逆の順序で開始の位置まで下ろしていきます。
これを10回繰り返します。

サイドキック

位置:体の側面を下にして横向きに寝て、下の膝を90度曲げ、上の膝をまっすぐにします。
上の手を前に置いてサポートしながら、頭をもう一方の腕の上に置きます。
息を吸いながら上の脚を持ち上げ、足を曲げながら、脚をを前方にもっていきます。
これを行うときは、胴部分が前傾しないようにしてください。
息を吐きながら脚を開始位置に戻しこれを10回繰り返します。

【16分間のエクササイズ】

上記各エクササイズを推奨される反復回数だけ実施してください。ゆっくりと次の運動に移ります。

アブプレップ(Ab Plep)運動

位置:両腕を横に置いて、手のひらを下に向け、膝を曲げて仰向けになります。
息を吸いながら首を少し前に曲げながらゆっくり起こします。
息を吐きながら、そして両手を足元に伸ばしながら、背中の上部と腕を床から数インチ上に持ち上げて上半身を丸めていきます。
息を吸って3〜5秒間保持します。
息を吐きながら開始位置に戻します。
これを10回繰り返します。

キャットストレッチ

位置:両手と両膝を床に着け、両手を肩の真下に置き、膝は腰の下に置き、四つ這いになります。
お腹を引き込みます。
その姿勢を下のほうに崩さないように注意してください。
息を吸って、そして息を吐きながら背中を上向きに曲げてC字型の曲線を作ります。
息を吸って3〜5秒間保持します。
息を吐きながら開始位置に戻ります。
これを10回繰り返します。

【2分間のクールダウン】

次のシンプルなストレッチでトレーニングを終了しましょう。
人魚の位置:両足を組んで両腕を横において座ります。
息を吸いながら片方の腕を天井まで伸ばします。
息を吐きながら、ゆっくりと反対側に体を曲げます。
3〜5秒間保持します。
息を吸いながら直立姿勢に戻し、息を吐きながら腕を下げます。
反対側で同じ運動を繰り返します。
両側で5回繰り返します。
www.halcyonmarine.com.phでその他の情報をご覧ください。

健全なBMIを維持することもお勧めします。
さらに、人によっては、温湿布または冷湿布、TENSマシン、リラクゼーション法、および/または瞑想を利用することより、快適な生活を送ることができるでしょう。

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  • 38941 - Crew_Health_Back_Pain_Bulletin_Proof1 1 MB

    2020/01/13

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Staff Author

PI Club

Date2020/01/13