09/08 - バンカー条約の発効(2)- 批准国発行のBC証書の要件およびブルーカード発行について

Trulli
バンカー条約の発効 − 批准国発行のBC証書の要件およびブルーカード発行について

ご存知のとおり、バンカー条約は2008年11月21日に発効いたします。既にお知らせした通り、国際グループの各クラブは、同条約批准国が保障契約証明書(以下「BC証書《)を発行するために必要とされるバンカー条約「ブルーカード《を発行することに合意しています。

BC証書

(1) 批准国に船籍を有する船舶

批准国に船籍のある船舶は、その旗国からBC証書を取得するだけで要件を満たします。この証書は別の他の批准国へ寄港した場合でも、保障契約の証明として取り扱われます。この旗国の証書は、所定の様式でクラブが発行するブルーカードを提出して申請すれば発給されます。(下記「ブルーカードの発行《についてご参照)批准国籍船のメンバーは、BC証書の申請手続きについて確認のために旗国当局に連絡をお取りください。

(2) 批准国以外に船籍を持つ船舶

非批准国の船舶は、同条約の批准国が発行するBC証書を取得する必要があります。国際グループ事務局および国際海運会議所(ICS)では、多くの批准国のなかで、非批准国籍船に対しBC証書を発行してくれる国があるかどうかを調査しています。国際グループは、3月と6月に開かれた国際油濁補償基金(IOPCファンド)の会合において、これら批准国が、非批准国籍船に対してBC証書を発行する必要性を認識するよう意見書を提出しました。今日に至るまでどの批准国も、非批准国船舶に対する証書の発行については、あまりに膨大な証書の発行に事務的負担が伴うため、当該船舶が自国へ入港しない限り、非批准国籍船に対する証書を発行することに消極的です。 国際グループとICSは、自国への入港の有無ににかかわらず、1,000総トン以上のすべての船舶に対し一刻も早く発給してもらえるよう多くの批准国と交渉を続けてまいります。ブルーカードは、BC証書を発給する国宛にクラブが発行するものであるため、批准国との満足のいく話合いがつくまでは、クラブとしてはブルーカードを発行することはできません。進捗状況については随時お知らせいたします。

ブルーカードの発行

バンカー条約の要件を満たすため、ブルーカードには、船吊、船舶識別番号または信号符字、船籍港、IMO番号、登録船主の吊称および事業主体のある住所を記載する必要があります。ブルーカードに記載すべき所在地については、法的助言に従い、クラブはメンバーより別途申し出のない限り、登録された事務所の住所を記載いたします。条約の発効日が迫っていることから、メンバーは速やかに申請手続きの準備を始めていただくことをお勧めします。

ブルーカード発行のための必要情報の提出

ブルーカード発行準備に必要な情報をいただくため、各メンバーに「ブルーカード発行申請書《を別途Eメールにてお送ります。ブルーカードを必要とするメンバー(批准国籍船の船主および、非批准国籍だが批准国の港やオフショア施設に寄港すると思われる船主)は、早急に同申請書に記入の上、返送してください。 批准国籍船のメンバーへは、同申請書を受領後、ブルーカードをお送りします。 非批准国籍船については、どの批准国に宛てるか判明次第ブルーカードを発行します。どの批准国が、旗国以外の船舶に対して証書を発行するかが明らかになり次第、クラブはその旨メンバーにお伝えしますので、メンバーは申請先となる批准国を指示して頂ければ、ブルーカードを当該批准国あてに発行します。

戦争リスクに関する証書上の責任

また前回の回覧でもお知らせしたとおり、クラブがブルーカードを発行するにあたり、「条約証書上、戦争リスクについてクラブが支払ういかなる責任についても、メンバーが付保する船舶戦争保険の船主責任特約から回収できる金額、或いは標準的な戦争保険船主責任特約を付保していれば回収されたであろう金額について、メンバーはクラブに補償し、かつメンバーが当該船主責任特約の約款上有する権利及び第三者に対する求償権をクラブへ譲渡することにつき、メンバーの同意をいただくこと《が条件となっています。メンバーはブルーカードを申請することにより、これらの条件に同意したものとみなします。 従いまして、ブルーカードを必要とされるメンバーはすべて、船舶戦争保険の標準的な船主責任リスクについて別途必要な限度額まで付保していただくことが必要となります。また、メンバーは戦争保険の保険者に対し、証書上の権利および求償権の譲渡につき通知しておく必要があります。

バンカー条約の批准国(2008年7月現在)

バハマ、ブルガリア、クロアチア、キプロス、エストニア、ドイツ、ギリシア、ジャマイカ、ラトビア、リトアニア、ハンガリー、ルクセンブルク、マーシャル諸島、ノルウェー、ポーランド、サモア、シエラ・レオネ、シンガポール、スロベニア、スペイン、トンガ、英国 (全22カ国)

国際グループ・クラブより同様の回覧が発行されています。

Staff Author

PI Club

Date2010/09/02