28/10 - 傭船契約書の条項 - 油濁に関する賠償資力保証
組合員各位、
傭船契約書の条項 - 油濁に関する賠償資力保証
1990年合衆国で施行が見込まれていた油濁法に対応して、船主は傭船契約書上、油濁に関する賠償資力責任確認書(COFR)について、将来予見できない要求事項に応じることを保証すべきでないという内容を盛り込んだ推奨油濁条項がクラブ回覧で発表されました。
さらに、これは油濁民事責任条約(CLC)1992年議定書及び1990年米国油濁法(OPA90)における証明に関する要件に対応するため、1996年にタンカーの傭船契約書に導入すべき条項が改定され、クラブ回覧で発表されました。2008年に、これら条項はバンカー条約の発効に際し、再び改定され一本化されました。
今回、この条項は更に、傭船者の損害賠償の範囲について不明瞭な部分を取り除くために改定されました。特に賠償資力保証の要求を遵守できなかったことによる因果関係、及び船主が要求を満たす事を同意した場合の両者の権利と責任に関する事が明確化されました。
また今回の改定条項は、近々実施が見込まれる2010 US Coast Guard Authorization ActによるOPA90の賠償資力責任条項の修正にも対応しています。2010年10月15日に施行された2010 US Coast Guard Authorization Act は、OPA90で規定している賠償資力責任を「合衆国の裁判管轄に服する地を使用する100総トン以上のいかなるタンカーも」と拡大しています。現行の要件では、合衆国の裁判管轄に服する地を使用する300総トンを超える船舶(貨物または燃料として油を運ばない非自航船を除く)及び合衆国の裁判管轄に服する地に向けた油を積替又は、はしけ運送するために排他的経済水域を使用する船舶のみに適用されています。
国際グループはUS National Pollution Funds Center (NPFC)(米国コーストガードの下部組織)から、これら拡大された賠償資力責任の条項の遵守を求めるには、更に施行規則が必要で、それには数カ月かかる模様であるとの情報を得ています。OPA90の拡大賠償資力責任条項が後日施行されても、本クラブ回覧の別紙(Annex)に記載した改定条項の文言で対応しています。
国際グループはNPFCと引続き連絡を取り、施行規則が発表され、施行日がわかり次第メンバーにお知らせします。
今回の改定条項は、証明書に関する現行の義務を増加させるものではありませんが、メンバーは引続き各船舶が条項第1条の下で求められる証明書を本船上に備え置いているかを確認する必要があります。
メンバーにおかれては、本条項を今後すべての傭船契約書に導入されるべきと考えます。
国際グループのすべてのクラブが同様の回覧を発行しています。
IMSBCコードに遵守しなかった場合
IMSBC コードや(同コードに反しない)現地法を遵守しなかった場合、人命の喪失や環境破壊、財産の喪失などのリスクは言うまでもなく、クラブのてん補が制限される可能性があることもご承知おき下さい。なお、国際グループのすべてのクラブで、著しく危険な貨物輸送あるいは航海により生じた責任、費用はてん補しないという主旨の規定があります。 国際グループの全てのクラブは同様の内容の回覧を発行しています。