04/11 - 米国における油濁事故対応計画書 (VRP)

Trulli

米国における油濁事故対応計画書 (VRP)

  • 2008年12月31日付救助及び海上火災活動に関わる最終規則の要求事項
  • 準拠期限は2011年2月22日 

救助契約(Salvage Agreements)

本回覧は米国へ寄港する油輸送タンカー船主を対象にしています。

題記の件に関し、国際グループが検討を行った救助契約及び資金協定のリストについてのクラブ回覧12/10及び19/10をご参照ください。

T&T Bissoは2011年2月22日付でその契約書に附則(Addendum)を追加しました。

T&T Bisso SMFF Agreement Addendum February 2011と脚注が付されたThe T&T Bissoの附則(Addendum)は、船主が後日、ロイズ救助契約書式(LOF:Lloyd's Open Form)に切り替える選択肢を設けています。この附則は国際グループの救助契約に関わるガイドラインに従っているものの、第5条には注目すべきと思われます。この条項には貨物をLOFに拘束する船主の権限が規定されており、LOFに拘束されていない救助資材により発生したクレームを受けて、そのような権限の許可を受けていなかったことによって発生するいかなる損失、損傷あるいは費用についても、船主がT&TBissoに保証する事を求めています。

国際海難救助条約の第6条が、救助契約を結ぶ権限を、本船上の財物所有者に代わり船長/船主に与えている事はご承知の通りですが、船主がT&T標準OPA90協定書からLOFに切り替えようとする場合には、この船主の権限はすでに締結している救助契約の改定にまでは及ばないと思われるので、おそらく変更に伴って貨物関係者の特別な合意が必要となるでしょう。もし変更する事を選択した場合、メンバーはその結果として、変更前に貨物関係者の権限を得る事を考える必要があります。なぜなら、船主が貨物関係者に契約の変更の許可を得ていないことが、P&I保険(あるいは船舶保険)に有効にクレームできない事となるかもしれないからです。

さらに、Donjon Smitについては、契約書の表題が多少変更されています。10月に発行したクラブ回覧では、Donjon Smit - July 2010, Version 1.1 on page 1 and Version 1.0 on subsequent pages と表記しました。このバージョンは現在、Version 1.1となり、別紙Annexを含む全てのページに脚注が付されています。

国際グループが、油濁事故対応計画書(VRP)の救助に係るガイドラインに適合すると考えるサルベージ会社の救助契約及び資金に係る協定書は、現在以下の通りです。

Donjon Smit - July 2010, Version 1.1
MRA - Marine Response Alliance, LLC Dated 2 August 2010
Resolve - Dated 14 June 2010
T&T Bisso - OPA 90 Ship Agreement Non-US - 22 April 2010
T&T Bisso - OPA 90 Ship Agreement US Owners - 15 June 2010
T&T Bisso SMFF Agreement Addendum February 2011

なお、2011年1月1日よりSCOPIC料率は上がっております。現行の料率は、下記ウェブサイトのAppendix Aをご参照ください。
http://www.lloyds.com/

各料率の比較はこれまで発行したクラブ回覧は更新されませんので、ご参照していただかないようお願いします。

国際グループの各P&Iクラブは、同様の回覧を発行しています

Staff Author

PI Club

Date2011/02/22