05/11 - 傭船契約条項 - 保険リスクに対する補償

Trulli

傭船契約条項 - 保険リスクに対する補償 最近、多くの国際グループ・クラブで、傭船者が特にコンテナ船の傭船契約にある条項を入れる事を求めていることがわかりました。下記の理由により、この条項は船主のP&I保険のてん補を侵害する可能性があるため、このような契約を締結することによる結果を考慮せずに傭船契約書に合意するべきではありません。この条項には様々な言い回しが用いられますが、最も多く用いられている形は下記の通りです。"Notwithstanding anything stipulated in this contract to the contrary, Owners are responsible for and shall keep Charterers free from all insured risks as covered by P&I."このような主旨の文言は、本来なら傭船者の責任となすべきP&Iリスクに関わる全ての責任を船主に転嫁させようとするもので、たとえ傭船者に完全な責任があったとしても、船主に傭船者のP&I保険者となる事を事実上求めているものです。この条項は、事故や災害から生じる船主の負債・損失に対する責任が、通常では傭船者にあるような場合でも、船主が傭船者に対して求償することも禁じています。メンバーにおかれては、このような条項は拒否していただくよう忠告いたします。P&I保険の船主加入契約の下では、このような包括的な補償契約及び求償権の放棄をうたった契約の下で発生した責任は除外されています。従って、船主がこの種の条項に合意した場合には、重大な無保険の責任にさらされるという憂慮すべきリスクが存在することとなります。当クラブでは、いつでも本件についての助言をいたしますので、この種の条項を要求されたメンバーはクラブへお問い合わせください。国際グループの各P&Iクラブは、同様の回覧を発行しています。 

Staff Author

PI Club

Date2011/04/28