回覧01/15 - 2015保険年度
アウトライン
- 各クラブの保有するリスク(リテンション)の限度額は900万ドルに据え置かれました。
- グループ・プールの限度額は8000万ドルに据え置かれました。
- 超過再保険第1層の8000万ドルから1億2000万ドルの30%部分を、グループ共同保険「ハイドラ」が追加負担する事になりました。
- 今回の再保険更改では、超過再保険契約のうち1億ドルを超える11億ドルまでの5%部分について、2015年2月20日より36か月の再保険を別途追加で契約しました。
組合員各位
2015保険年度
国際グループ・クラブのプール協定
2015保険年度は、各クラブが保有するクレームの限度額(Club Retention)は900万米ドルに据え置かれました。国際グループのプール限度額(Pool Retention)は8,000万ドルで変更はなく、引き続き国際グループのキャプティブ「ハイドラ」による再保険は継続され、各クラブの再保険料拠出により基金が賄われています。この再保険料は国際グループの再保険料率に含まれています。ハイドラ再保険は、2014年度には超過再保険第1層(8000万ドルを超える5億ドル)の30%部分を負担していましたが、さらに8000万ドルから1億2千万ドルの部分の30%を、また8000万ドルから1億ドルの部分の10%を追加で負担することとなりました。その他契約の変更はありません。
再保険契約
再保険の更改交渉とプログラムの見直しにより、ダーティ及びクリーン・タンカーの再保険料は8.11%の引下げ、乾貨物船は6.05%の引下げ、客船は据え置かれることになりました。
2014年度のグループ再保険(総トンあたり)の料率は、下記の通りとなります。
DIRTY TANKERS | $0.7317 | % - 8.11 |
CLEAN TANKERS | $0.3138 | % - 8.11 |
DRY CARGO VESSELS | $0.4888 | % - 6.05 |
PASSENGER VESSELS | $3.7791 | % 0.00 |
オーバースピル再保険
クレームが、万一20億8千万ドル(つまりグループの超過再保険の限度額)を超えた場合、その超過額あるいはオーバースピルと呼ばれるクレームは、国際グループ・クラブでプールされます。このオーバースピル・クレームに対するグループ・プールの総限度額は、従来どおり国際グループに加盟するクラブの全船舶についての、1976年船主責任制限条約における物的責任制限金額の2.5%相当額となっています。
メンバーは従来どおり保険約款第22条に従い、究極的に加入船舶の上記相当額までのオーバースピル保険料の支払責任を負っているということになります。2015年度に、グループは各クラブに代わりグループ超過再保険を超えた10億ドル分のオーバースピル・クレームについて再保険契約を締結しました。各クラブがそれぞれのメンバーからオーバースピル・コールを徴収する必要性を軽減するために同再保険が全グループ・クラブに適用されます。
油濁制限
保険約款第5条B項 ii 号に従い、理事会は 2015 年 2 月 20 日グリニッジ標準時正午より、油濁に関するクレーム に対しクラブが責任を負う金額の総額を「賃借人もしく は裸用船者以外の用船者でない船主もしくはその代理人 により加入した船舶に関しては一出来事あたり 10 億米 ドル」とすることを決定しました。
船客及び船員に対するてん補限度額
保険約款第5条B項(iii)に従い、クラブが一切のクレームに対して責任を負う金額の総額は、「賃借人もしくは 裸用船者以外の用船者でない船主もしくはその代理人により加入した船舶につき、船客の責任に関しては一出来 事あたり 20 億米ドル、船客及び船員の責任に関しては一出来事あたり 30 億米ドル」となっています。
P&I戦争危険付保
2015保険年度のP&I戦争危険特別担保についてはクラブ回覧02/15をご参照ください。
用船者P&Iカバー限度額
クラブ保険約款第2条前文ただし書き・に従い、理事会は下記の通り決議しました。
「2015年2月20日グリニッジ標準時正午より、組合における船舶の加入が、賃借人もしくは裸用船以外の用船者あるいはその代理人で行われ、保険約款第2条に規定する危険について、それら用船者に提供される保険に関するクラブの責任限度額が1億ドルを超える場合、組合員は、一出来事から生じた危険について1億ドルを超える金額を組合が再保険者から回収しない限り、組合から回収することはできない。」
合衆国油濁危険 - 追加保険料
2015年度の追加保険料率はゼロに据置かれましたので、本スキームに基づく申告をしていただく必要はありません。