SOSREP制度の導入と将来に向けて

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The views and opinions expressed here are solely those of the original author or contributor. These views and opinions do not necessarily represent those of the UK P&I Club.英国でSOSREP制度が導入されて以来、約20年が経ち、3代目のSOSREP、Les Chapmanが就任することとなりました。SOSREPとは実際どのような仕事をし、役割を果たすのでしょうか?

SOSREPとは、Secretary of State's Representative(閣僚権限代行者)の略で、海難事故による環境への影響やコストを軽減するため、英国の海難事故対応の国家介入権限を付与された監督者として任命された公務員です。彼(*) は政府に任命されますが、独立性と公平性を持っています。

SOSREPには、以下のような幅広い権限があります。

  • 汚染の危険性があるオフショア事故(船舶死傷者を含む)への対応を監視する全般的な責任を負う。
  • 英国関係者とみなされる場合には、事故管理を指揮することができる。
  • 介入権を行使 - 清掃または事件対応案が公益とみなされない場合、介入することができ、海難事故船舶に避難場所として港を提供することもできる。

ドナルドソン卿の報告書 "Safer Ships, Cleaner Seas"の勧告に従い、1999年に初めて導入されたSOSREPは、おそらく英国の重大事故対応における最も革新的なステップの1つと言えます。最も成功した事例は、"MSC Napoli"号の救助でした。SOSREPは本船を遅滞なくLyme Bay海岸に乗り上げるよう直接指示したため、救助や汚染対策が困難な深海で沈没することを防ぐことができました。

ISUの総責任者マーク・ホディノット氏(**)は、SOSREPの影響は、船主と救助者の双方にとって有益であると考えており、「SOSREPの役割は非常に成功しています。SOSREPは幅広い介入権を有していますが、政治的影響を受けることがないことが、継続的な成功の鍵といえます」と語っています。

マーク氏は、将来に向け新しいSOSREPが幅広い介入権を維持し、政治的影響を受けないことが重要だと考えています。またこのシステムは「非常にうまく動いており、変更する必要はない」と考えています。


* 明らかに、将来のSOSREPが女性であることを妨げるものは何もありません!

** コメントをいただいたInternational Salvage UnionのMark Hoddinott氏に感謝します。

Amanda Hastings

Claims Executive

Date2018/01/04