本回覧は、米国国務省のタミー・ブルース報道官が最近発表した、フーシ派などのテロ組織への支援に関する米国の立場についての声明に関連する情報を提供するものです。
2025年4月9日、ブルース報道官は次の通り声明を発表しました。「米国は、フーシ派などの外国テロ組織に支援を提供するいかなる国や商業団体も容認しない。これには、フーシ派の支配下にある港湾での船舶からの荷揚げや、石油の補給を含む。」
2025年3月初旬、米国財務省外国資産管理局(OFAC)は、特別指定国民・資産凍結対象者リスト(SDNリスト)におけるアンサール・アッラー(イエメンの「フーシ派」グループ)の既存の項目を更新する形で、大統領令13224号に基づき、アンサール・アッラーを外国テロ組織(FTO)に指定しました。アンサール・アッラーは、2024年2月16日に国務省により特別指定国際テロリスト(SDGT)組織に指定されていたため、既にSDNリストに掲載されていました。大統領令13224号に従い、米ドルを使用する米国人および非米国人は、アンサール・アッラーまたはアンサール・アッラーが50%以上所有する事業体との実質すべての取引に関与することが禁止されています。さらに、非米国人が同令に従って指定された人物に物的支援または援助を提供したと米国が判断した場合、当該非米国人は大統領令13224号第1条(d)(1)に基づき、二次的制裁のリスクにさらされます。
大統領令によるアンサール・アッラーのFTO指定と同時に、OFACは一般許可25Aを発行し(https://ofac.treasury.gov/media/934046/download?inline)、2025年3月5日以前に船舶へ積載された場合に限り、2025年4月4日午前0時1分まで(米国東部夏時間)、イエメンにおける個人的、商業的または人道的使用のための精製石油製品の引き渡しと荷揚げを許可しました。この一般許可は2025年4月4日に失効し、更新されていません。
OFACの一般許可26Aに従い、「アンサール・アッラーが関与する港湾・空港の運営に必要な」取引は一般的に許可されていますが、「精製石油製品の輸出入に関わる取引」は明確に除外されています。(https://ofac.treasury.gov/media/934051/download?inline)また、一般許可26Aでは、「税金、手数料、輸入関税の支払い、または許可証、ライセンス、公共サービスの購入または受領を目的とする」場合を除き、アンサール・アッラーまたはその支配下にある事業体へのいかなる支払いも許可されていないことにご留意ください。これらのことから、精製石油製品を含む貨物がアンサール・アッラーの支配下にある事業体に引き渡される場合(または、港の通常の利用に必要でない別の形でアンサール・アッラーの関与がある場合)、別の一般許可、例えば一般許可22A(農産物、医薬品または医療機器に関するもの)の下で免除が認められている場合を除き、その取引は禁止されます。
したがって、イエメンで貨物を荷揚げする船舶は、アンサール・アッラーの支配する港での荷揚げや、アンサール・アッラーまたはアンサール・アッラーが50%以上所有する事業体への貨物の引き渡しに関与する場合、米国の制裁対象として指定される可能性があります。さらに、メンバーおよびメンバーの関連会社についても、イエメンへの精製石油製品の輸出入に関わる行為に関与した場合、制裁対象として指定される可能性があります。イエメン向けの精製石油製品を含む貨物の引渡しを検討しているメンバーは、予定されている荷揚港の所有者および貨物受取人の身元について、徹底的なデューデリジェンスの実施を強く推奨いたします。
一般的に、イエメンへの寄港を計画しているメンバーは、不安定な情勢を考慮し、特に、アンサール・アッラー支配下の港(現時点では、少なくともHudaydah港とRas Isa港を含むと理解されています)では、輸送する貨物にかかわらず高いリスクが伴うため、注意を払うことを推奨いたします。
メンバーの皆様は、適用される制裁措置に違反するいかなる取引に対しても保険カバーが適用されないことにご留意ください。また、制裁リスクの高い取引に従事する前に、関与または関与の可能性のある関係者、貨物、船舶およびその他のサービス提供者に関し、取引全体を通じて徹底的なデューデリジェンスを実施することをお勧めいたします。さらに、デューデリジェンスの調査結果を記録に残すことを推奨いたします。
国際グループのすべてのクラブは同様の回覧を発行しています。
UKP&Iクラブ 日本支店 訳