UK P&I ClubおよびTT Clubのメンバーは、貨物サプライチェーン全体を網羅する初の輸送分野における相互保険グループを創設するための両クラブの合併について、圧倒的多数で賛成票を投じました。グループは海運、物流、港湾およびターミナル業界を対象とすることになります。
この承認は、9月に開始されたメンバー投票手続に引き続いて、10月7日と8日にそれぞれ開催された両クラブの特別総会において確認されました。本合併は、規制当局の承認を条件として、2027年2月20日に発効する予定です。
今回の投票は、海上保険および物流保険市場において独自の競争優位性を有する統合グループの創設に向けた重要な節目となります。この合併により、所有船・用船を合わせて2億5,000万トン超の保険引き受けを行っているUK P&I Clubと、世界のコンテナ・フリートのうち80%の保険引受けを行い、世界上位100港のうち70港超に被保険利益を有するTT Clubが一つになります。合併後の組織は、年間保険料収入約7億5,000万米ドル、自由準備金約8億8,800万米ドルを有することになります。また、この合併により、コンバインド・レシオの改善が全体で5%見込まれています。
地政学的不確実性、クレーム・コストの上昇、急速なテクノロジーの変化および専門的人材をめぐる競争激化を背景に、この合併は、両クラブは、これまで以上に複雑かつ実務的に連鎖するリスク環境に対応するメンバーを支援する上で、独自の強みを発揮できる立場を築くことになります。両クラブの合併に伴い、より大きな事業規模、強固な財務基盤とレジリエンスが実現し、メンバーに長期的価値を提供できるようになります。
メンバーは、市場トップクラスの技術的な知見、専門知識とテクノロジーへのより広いアクセス、並びに輸送チェーン全体にわたるより豊富なリソースおよび流通ネットワークのメリットを享受することができます。これらは、両クラブが有する引受け、クレームおよびロスプリベンション分野における深い知見の組合せによって支えられます。
両クラブは、それぞれの名称、ブランドおよび市場での地位を維持し、メンバーは現在の引受け、クレームおよびサービスチームから、引き続き支援を受けることができます。また、各クラブには独自の委員会が設置され、クラブ単位で重点的な監督が行われます。
UK P&I Club理事長、 Jan Valkier 氏は次のように述べています:「メンバーの皆様は、この合併に対して明確かつ力強い支持を示してくださいました。そのご支援に感謝いたします。これは両クラブにとって画期的な瞬間です。私たちは、市場に存在する他のどの組織とも真に異なるグループを創り上げます。そのグループは、規模、強固な財務基盤、知見および投資能力を備え、ますます複雑化し連鎖するリスク環境に対応していきます。メンバーに対しては、今後も慣れ親しんだ担当者が窓口となり、UK P&I Clubは引き続き国際グループへの強いコミットメントを維持します。これは当クラブのアイデンティティの礎です。」
TT Club 理事長、Morten Engelstoft 氏は次のように述べています:「TT ClubとUK P&I Clubは50年以上にわたり協力関係を維持しており、この合併は共通の価値観に基づいて築いてきた関係の自然な発展です。当クラブ・メンバーの皆様は、自らの事業が直面するリスクが関連業界のリスクとますます密接につながっていることを認識しています。船舶、港湾、ターミナルおよびより広範なサプライチェーンにわたるクラブ専門知識を結集することで、より幅広い知識、より深い専門的知見、そして専門人材やテクノロジーへのより広いアクセスを提供することができます。一方で、メンバーが高く評価いただいている専門性の高いクラブサービスと独自性は維持されます。」
グループの親会社の名称はUnited Transport Mutual Limited(「UTM」)となり、ガバナンス、資本基盤の強化、安定性および共通プラットフォームを提供することにより、各クラブを支援します。UK P&I ClubおよびTT Clubは引き続き、独自の商品、引受方針およびメンバーへの提供価値をもって尽力していきます。
UTMはまた、Thomas Miller Holdingsの買収に関する親法人としての役割も担います。これは、Thomas Millerの株主が9月に両クラブによる共同買収提案を受け入れたことによるものです。同買収に関する規制当局の承認は、今後数週間以内に取得できる見込みです。
UTMは、両Clubにおける業務執行並びに非業務執行の立場の専門的知見を活用した親会社の理事会によって運営されます。UK P&I ClubおよびTT Club両方の理事を務めてきたNiels Smedegaard氏が理事長に任命され、Morten Engelstoft氏およびJan Valkier氏が共同で理事長を務めます。また、Simon Beale氏およびMarcus Hine氏もUTMの理事会に加わります。Andrew TaylorがUTMのCEOに任命され、William BeveridgeがAndrew Taylorの後任としてUK P&I Club CEOに就任する予定です。Kevin Kingは引き続きTT Club CEOを務めます。これらの任命およびその他のマネジメント人事変更は、合併の進展に合わせた段階的な移行の一環として実施されます。
UK P&I Club CEO、 Andrew Taylor は次のように述べています: 「United Transport Mutualは、グループの各事業部門がそれぞれの強みを発揮できるようにするために設立されました。マネジメント業務をグループ所有のクラブに置くことで、これまでクラブ外部へ流出していた価値をグループ内に留保し、メンバーの利益のために再投資できるようになります。これにより、将来の相互保険グループを特徴づける人材、専門的知見、サービス、そしてテクノロジーへの投資を一層強化していきます。」
両クラブの経営陣は、メンバー、顧客および従業員のための移行の慎重な管理を確保しつつ取り組んでいきます。また、メンバー、ブローカーおよび顧客向けの日常業務体制に変更はありません。
