UK P&Iクラブ理事会は、イタリア・ラパッロにて開催され、年次春季会議を終えた後、2026年5月18日に開催されたメンバー委員会をもって終了しました。
理事会は、2026年2月20日に終了した2025年度クラブ業績をレビューするとともに、TTクラブとの合併案を含む経営戦略およびクラブ運営における複数の課題について進捗を確認しました。
TTクラブとの合併
週末をかけて、TTクラブとの合併およびトーマス・ミラー ホールディングス(TMH)の買収案について活発な議論が行われました。
理事たちは合併協議が順調に進んでいることに満足の意を示しました。両クラブは2026年6月初旬にフレームワーク契約を締結する予定であり、これにより両クラブは正式に合併にコミットすることになります。合併の完了は当初計画どおり2027年2月20日が見込まれています。
週末のワークショップでは、メンバーが合併のメリットについて詳細に議論しました。両クラブは連携により、より強固で持続可能な成長基盤を構築し、資本力を強化するとともに、持続的に高品質なサービス提供する能力をさらに高めることを目指しています。
合併後のクラブは、より強力でリスクが分散された資本基盤を有し、市場の変動に対する耐性を高めつつ、変化する環境に対応するための投資余力を確保します。また、合併により大幅なコスト削減が実現し、将来の業績向上にも寄与します。
両クラブの専門知識の結集により、メンバーの将来に影響を与えるリスクと機会に関する比類なき洞察が提供されることになります。
さらに両クラブは、TMHの残存株式を取得する提案を共同で行っており、TMHの取締役会はこれを受け入れ、株主に対して本提案を推奨する予定です。株主の承認が得られた場合、規制当局の承認を前提として、TMHの買収は2026年第3四半期に完了する見込みです。
財務状況のご報告
理事会は、2026年2月20日終了する2025年度決算報告書を承認しました。
厳しい事業環境の中でも、当クラブは堅調な業績を達成し、大幅な黒字を確保しました。自由準備金は5億8,600万ドルに増加し、過去最高を記録しました。
コンバインド・レシオは105%に改善し、前年度に予期せぬクレームが発生して以降、クレーム発生状況が比較的通常レベルとなったことを反映しています。9.4%の投資収益率を伴う好調な投資運用実績が、引受赤字を上回りました。
当クラブは引き続き健全な資本力を有し、Solvency UKカバレッジ比率244%、S&P格付けがA-(安定的)を維持しています。
2023保険年度勘定を保険料の追加調整なしに閉鎖することに合意しました。
契約更新および保険引受
保険料は以前の軟調な市場サイクルを経て着実に回復しており、2026年度契約更新において、当クラブは理事会の承認した財政計画に沿った料率の引上げを行いました。
コンバインド・レシオは105%とクラブの目標値の上限となっており、用船者責任および固定保険料契約のポートフォリオであるUK Fixedを含むP&I相互保険以外の事業で800万米ドルの引受利益を計上し、全体業績に大きく貢献しました。
当クラブは引き続きリスク選好を見直し、P&I相互保険と固定保険料契約のポートフォリオ構成を改善するために適切な措置を講じてまいります。
相互保険の加入トン数は1億6,800万GTに増加し、既存および新規メンバーからの強い支持と継続的な成長を示しています。さらに今後数年間で更なる加入トン数の増加についてもコミットメントが得られています。
クレーム
本年度のクレーム実績は、クレームコストが非常に高かった2025年度と比較して大幅に改善しました。
全体としては概ね想定どおりの結果でした。前年度のDALI号事故のような大型プールクレームは発生しなかったものの、プールクレームは引き続き長期平均コストを上回り、クラブ全体の業績に大きな影響を与えました。一方で、クラブの自己保有リスクにおける大型クレームの発生頻度は低下し、これが一部相殺要因となりました。
保有クレーム実績の改善は、規律のある保険引受および損害防止施策の効果を反映しており、プールコストの増加を上回る成果となりました。全体として、クレームは頻度・重大性ともに依然として変動性を示しており、運航リスク、法制度の変化、複雑化する地政学的環境の影響を受けています。
メンバーは、DALI号事故のクレームの進展、継続的な問題となっているコンテナ船火災事故とそれに伴う用船者への影響、最近のプールクレーム、一部クラブ既存クレームの状況など、クレーム関連の課題について詳細に議論しました。
理事会は進行中の複数のクレームに対する責任制限の影響について議論を行いました。また、米国における人身傷害クレームのコストが増加傾向にあることについて、(クラブがNew JerseyとSan Francisco事務所の専門弁護士チームを通じてリスクを管理する独自の体制を構築していることを理解したものの)、引き続き懸念を示しました。
将来に向けて
全体として、理事会は、当クラブが強固な資本基盤、改善されつつある引受実績および継続的な成長に支えられ、引き続き良好な状況にあると認識しました。
TTクラブとの合併は重要な戦略的機会であり、今後もメンバーの皆さまに対して情報共有して参ります。
理事会は、市場環境およびクレーム動向を注視しつつ、当クラブの戦略的優先事項の推進を継続していきます。




