05/12 - 船舶警護要員の雇用に関するBIMCO標準契約書式(GUARDCON)
アウトライン
- GUARDCONは、BIMCOあるいはP&I国際グループによる警護要員の乗船配備の奨励でも承認でもありません。
- GUARDCONは、適切な保険付保、合法的な武器の携帯、輸送、責任条項、船長の責任等を含む重要な事柄を網羅しています。
- GUARDCONの条項を変更した場合の保険カバーは、クラブの事前合意が必要です。
- GUARDCONには、武器を使用する上で基準となるガイダンス"Guidance on Rules for the Use of Force"が添付されており、これは民間海上警備会社と雇用契約を取り交わす際の書式の一部をなすものです。
組合員各位、
BIMCO GUARDCON CONTRACT - 船舶警護要員の雇用に関するBIMCO標準契約書式
2012年3月28日にBIMCOが発表した、船舶警護要員の雇用に関する標準契約書式(GUARDCON)をご参照ください。
(武器を携帯するかどうかに関わらず) 警護要員を雇用するか否かの判断は、メンバーの運航上の問題です。メンバーが判断を下す際には、旗国の法律に常に準拠し、また現地で適用される法令にも従う必要があります。またIMOのMSC Circular 1405[1] 及びBest Management Practices(現在2011年8月発行の第4版)に規定される「正当な注意義務の原則」(the due diligence principles)に沿った要件にも留意しなければなりません。
しかし民間海上警備会社(PMSC)の数は増加しており、それぞれが違う契約条件であることで不透明な結果となっています。従いまして、海運業界全体の利益のために、BIMCOはGUARDCONを策定しました。これは船主、損害保険会社、P&I国際グループの代表、海事弁護士、警備会社やその他船主及び海上保険協会等の代表者が構成する作業委員会によって草稿されたものです。GUARDCONは、(GARDCONの中でContractorsとして表記されている) 民間海上警備会社との契約条件を同レベルにするとともに、メンバーおよびP&Iクラブが契約を詳細に調べ、承認するという過程を簡素化することを意図しています。
メンバーの皆様には、GARDCONは、警護要員の乗船配備について、BIMCOあるいはP&Iクラブ国際グループが推奨あるいは、是認するものではない事をご承知おきください。また、武装警護はBest Management Practicesを遵守することの代替となるものでもありません。警護要員の乗船配備はリスク査定をした後に考慮すべきもので、船長もその判断過程で関与すべき事柄です。GUARDCONの条項は、しかしながら、国際グループの海事セキュリティ小委員会により検討されたもので、クラブのてん補及びプールの求める規定に従ったものとなっています。
GUARDCONは、次の事柄を含む数多くの主要課題を取り上げています。
- 民間海上警備会社(Contractor)が負うべき責任の基準:
- 警備会社の責任および契約上の補償金(これについてメンバーは確認が必要)をてん補するための適切な保険を手配すること
- 備会社が、武器を合法的に携帯、輸送するための許可および免許を保持すること
- 自損自弁の原則(Knock for Knock principles)に基づいた責任及び補償条項
- 安全航行及び船舶の最高指揮権に関する船長の責任
もし、GUARDCONの修正版や異なる契約書を使用する場合には、その修正案あるいは異なる契約が、クラブ・カバー及びプール規定の要件に沿ったものであるかを確認するため、警護要員の乗船予定日より以前に、クラブにご相談いただく事をお勧めします。
GUARDCONには、個別のガイダンス「武力行使のためのルールについてのガイダンス(Guidance on the Rules for the Use of Force)」が添付されています。これは、民間警備会社との雇用契約に含むべき武力行使規則に関する合意について、メンバーに参考にしていただくためのものです。ただし、武力行使のルールは、MSC.1/Circ.1405の規定及び、旗国や適用される地域の国内法に準拠しなければならない事をご承知おきください。
もし、メンバーの皆様でGUARDCONに関するご質問がある場合には、当クラブへお問い合わせください。
全ての国際グループのP&Iクラブが、同様のクラブ回覧を発行しています。