日本メンバーのためのニューズレター "Lookout"
トーマス・ミラーのP&Iチームは、日本のメンバーや海事関係者に影響を与える現在の様々な問題について、P&Iに焦点を当てた記事を“Lookout”というニューズレターで配信しています。これらの記事についての詳細、または、まだ扱われていないトピックを希望される方は、弊社、東京または今治事務所にご連絡いただければ幸いです。
"Lookout"配信ご希望の方は、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
東京MOUはパリMOUと合同で、今年9月より船舶の火災安全をテーマとする集中検査キャンペーン(CIC)を実施します。 また、インド洋MOUおよび黒海MOUが本キャンペーンに参加することを確認しましたが、今後、地中海、リヤド、ビニャ・デル・マールの各MOUも参加することが予想されます。 CICは2023年9月1日から11月30日の間に実施され、キャンペーン期間中の定期的なPSC検査実施に加え、SOLAS 条約第 II-2 章 構造(防火並びに火災探知及び消火)の遵守を確認することを目的としています。
航海計画不備による海難事故
2023/07/31
船舶は出港前に航海計画を策定し、当該航海が安全であり、本船が無事航海の目的を達するかどうかを確認する必要がある。航海計画策定については、IMO Resolution A.893(21) (GUIDELINES FOR VOYAGE PLANNING)により、ガイドラインが定められている。
安全運航をめざして:陸上サイドによる本船支援
2023/07/31
船舶運航の世界では、最新のソフト・ハードウェアが導入され、船舶は年々進化しているにもかかわらず、今もなお、50年前や100年前と同じような海難事故が数多く発生しています。原因を調べてみると、これまでと変わらないような過失や怠慢が繰り返されていることが分かります。
香港条約(シップ・リサイクル条約):2025年6月26日に発効
2023/07/18
2023年6月26日、バングラデシュ及びリベリアは、IMOにおいて、シップリサイクル条約(正式名称:2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約)に批准しました。 本条約は「耐用年数が経過した船舶がリサイクルされる際に、人体の健康や安全、あるいは環境に悪影響を与えないようにすること」が目的です。 2009年5月15日に採択されましたが、この度バングラデシュとリベリアが批准したことにより、本条約の発効要件が満たされたため、2025年6月26日に発効されることになりました。 本条約は、国際貿易に従事する500総トン以上の船舶 および条約締約国の船舶リサイクル施設に適用されます。
Thorco Lineage号の事例
2023/06/15
本記事ではThorco Lineage号の事例を説明いたします。貨物の物理的損害と物理的損害のない経済的損失の双方について、ヘーグ・ヴィス ビー・ルール第 4 条 5 項(a)に基づく責任制限が適用となることを明確にしました。
英国:電子取引文書法案
2023/06/02
私達は情報通信のデジタル時代に生きていますが、国際貿易の完全な電子化については、取引文書の占有や権利の移転の問題など、法的な課題が残っています。本記事は、2022年10月に英国議会に提出された、国際取引文書の電子化を法的に認める「電子取引書類法案」についてご説明します。
Crew Health Advice:聴覚障害の抑制
2023/05/04
当クラブが実施する船員雇用前健診(PEME)において、聴覚障害により、不適合となる例は全体の11%を占めています。特に機関室など大きな騒音にさらされている船員は、騒音性難聴 (NIHL) を引き起こす傾向が高くなります。そのため、耳栓やイヤープロテクターなどで聴覚保護を行い、適切に休息をとることが重要です。
2つの保険会社の物語: P&I保険とTTクラブの海上での相互作用
2023/05/03
コンテナの一貫輸送では従来P&I保険から除外されていた陸路や鉄道をコンテナが運送されるため、新たなロジスティックスにかかわるリスクをカバーするTTクラブ(Through Transport Club)が、P&Iカバーを補完する形で誕生しました。この記事では、P&I保険とTTクラブのカバーについて解説いたします。