日本メンバーのためのニューズレター "Lookout"
トーマス・ミラーのP&Iチームは、日本のメンバーや海事関係者に影響を与える現在の様々な問題について、P&Iに焦点を当てた記事を“Lookout”というニューズレターで配信しています。これらの記事についての詳細、または、まだ扱われていないトピックを希望される方は、弊社、東京または今治事務所にご連絡いただければ幸いです。
"Lookout"配信ご希望の方は、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
航海計画不備による海難事故
2023/07/31
船舶は出港前に航海計画を策定し、当該航海が安全であり、本船が無事航海の目的を達するかどうかを確認する必要がある。航海計画策定については、IMO Resolution A.893(21) (GUIDELINES FOR VOYAGE PLANNING)により、ガイドラインが定められている。
香港条約(シップ・リサイクル条約):2025年6月26日に発効
2023/07/18
2023年6月26日、バングラデシュ及びリベリアは、IMOにおいて、シップリサイクル条約(正式名称:2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約)に批准しました。 本条約は「耐用年数が経過した船舶がリサイクルされる際に、人体の健康や安全、あるいは環境に悪影響を与えないようにすること」が目的です。 2009年5月15日に採択されましたが、この度バングラデシュとリベリアが批准したことにより、本条約の発効要件が満たされたため、2025年6月26日に発効されることになりました。 本条約は、国際貿易に従事する500総トン以上の船舶 および条約締約国の船舶リサイクル施設に適用されます。
Thorco Lineage号の事例
2023/06/15
本記事ではThorco Lineage号の事例を説明いたします。貨物の物理的損害と物理的損害のない経済的損失の双方について、ヘーグ・ヴィス ビー・ルール第 4 条 5 項(a)に基づく責任制限が適用となることを明確にしました。
英国:電子取引文書法案
2023/06/02
私達は情報通信のデジタル時代に生きていますが、国際貿易の完全な電子化については、取引文書の占有や権利の移転の問題など、法的な課題が残っています。本記事は、2022年10月に英国議会に提出された、国際取引文書の電子化を法的に認める「電子取引書類法案」についてご説明します。
Crew Health Advice:聴覚障害の抑制
2023/05/04
当クラブが実施する船員雇用前健診(PEME)において、聴覚障害により、不適合となる例は全体の11%を占めています。特に機関室など大きな騒音にさらされている船員は、騒音性難聴 (NIHL) を引き起こす傾向が高くなります。そのため、耳栓やイヤープロテクターなどで聴覚保護を行い、適切に休息をとることが重要です。
ラテンアメリカ:ブラジル電子B/Lと海上輸送に関する最新情報
2023/05/03
当クラブには、ラテンアメリカやカリブ海でビジネスを展開するメンバーから多くの船舶が加入しており、また世界中から多くの船舶がこの地域に寄港しています。今回は特にブラジルの電子B/L (ポルトガル語でCT-e)と沿岸の内航貨物輸送の最近の状況について、焦点を絞って考察いたします。
太平洋岸北西部での穀物の荷役
2023/05/03
太平洋沿岸北西部での穀物の積み込みは、本当に忍耐力が試されます。年間約 150 日から 180 日間も雨が降り年間総降水量は平均40インチに上ります。このような気候に不慣れな船主にとっては、小雨の中で穀物を最大限積載することや、降雨量の多い時期に貨物を湿気から守りつつ本船の遅延を防ぐことが重要です。今回の記事では、特にワシントンとオレゴンの港で穀物貨物を積み込む船主および用船社への助言をお伝えします。
汚染に対する解決策
2023/05/03
油流出事故が発生するといわゆる、”All hands-on deck !" つまり全員が直ちに総力を挙げなければいけない事態となります。つまり保険者、用船者、船主、USコーストガード、地元や国の関係当局、財物や環境団体などあらゆる関係者が集められます。これらすべての関係者を結びつけるのが、1990 年米国油濁法 (OPA90) です。