国際海事機関(IMO)は、船舶運送による環境汚染を低減するため、船舶が使用する燃料油の硫黄含有量を徐々に厳しく制限してきました。これらの新しい制限規則に従わない場合は、多額の罰金が科せられる可能性があります。
IMOは近年、海洋燃料の硫黄含有量の上限を世界全体で引き下げるという2008年の決議を採択しました。従来のグローバルリミットである3.5%mass/mass (m/m)は、2020年1月1日より0.5%m/mに引き下げられています。
新規制は歓迎されていますが、その完全な遵守と施行を実現するためには課題があります。このページでは、これらの課題に対応するために必要な関係資料を皆様にお届けします。
海運業界も2024年よりEU域内排出量取引制度の枠組みへ
2022/12/22
2005年に設立されたEU域内排出量取引制度(EU ETS) は、最大の温室効果ガス (GHG)の排出量取引システムです。EUでの長年にわたる議論の末、海運業界も2024年から段階的にEU ETSに組込まれることが合意されました。
英国のMRV制度の報告要件が 2025 年に延期
2023/01/12
2021年9月にお伝えした通り、英国MCAは船舶からの温室効果ガス排出量の測定、報告、検証に係る英国MRV制度について、当初2021年末からデータ収集をすることを想定していましたが、運輸省が報告受入れにはさらに準備期間が必要であるとして、収集データの報告義務を2025年まで延期することを発表しました。船舶からの排出量のモニターについての法的要件は引き続き施行されています。
IMO:船舶からの窒素酸化物(NOx) 第3次規制の遵守
2022/08/22
特定排出規制海域を運航予定の新造船には、MARPOL条約付属書VI における第3次窒素酸化物(Tier III Nox)排出規制の遵守が義務付けられています。この記事では、NOx 排出に関連する規制、排出規制への対応策、資金調達、そして関連業界の状況について説明します。
船舶の脱炭素化へのロードマップ
2022/09/27
地球温暖化は、今日の世界が直面している最も深刻で複雑な課題の1つです。海運業界を含むすべての業界は、温室効果ガスの排出量を削減し、気候変動の壊滅的な影響を回避する必要に迫られています。UKクラブは、船主と管理者が直面している最新の問題や課題の概要を提供しメンバーを支援してまいります。
中国・韓国:2022年1月1日より、新たなSOx規制の導入を発表
2022/01/18
ご存じの通り、現在ECA内及びEU内の港に停泊する船舶には、燃料の硫黄酸化物(SOx)の濃度上限0.1%の規制が適用されており、その他の水域では2020年1月1日よりSOx濃度の上限を0.5%とする、国際的な硫黄分濃度規制(MARPOL 条約付属書 VI 規則)が導入されています。さらに多くの国で国内法に基づき、停泊中や内水域における硫黄分濃度の上限を設けています。 このような現地法によるSOx規制は、現在EU、トルコ、アイスランド、カリフォルニア州、シドニー、中国、そして韓国が導入しています。中国と韓国では、2022年1月1日より新たなSOx規制が施行されましたので、ご注意ください。
2020年の低硫黄燃料規制後の課題
2020/11/11
国際海事機関(IMO)は、人間の健康と環境に対する硫黄の影響を考慮し、2005年から船舶からの硫黄排出量を規制し、削減をしてきました。
韓国-ECA 船舶燃料の硫黄含有量の規制を強化
2020/08/03
韓国の海洋水産部は、韓国の主要港における硫黄酸化物排出規制海域(Emission Control Area :ECA)における船舶燃料の硫黄含有量の規制を強化し、0.1%またはそれ以下にすると発表しました。
UKクラブウェビナー (Series 24): 脱炭素戦略はどのように具体化しているか?
2022/03/17
UK P&Iクラブの第24回ウェビナーでは、サステナビリティ・ダイレクターのPatric Ryanがパネリストとともに、海運業界における脱炭素に向けての様々な取り組みについて議論しました。