国際海事機関(IMO)は、船舶運送による環境汚染を低減するため、船舶が使用する燃料油の硫黄含有量を徐々に厳しく制限してきました。これらの新しい制限規則に従わない場合は、多額の罰金が科せられる可能性があります。
IMOは近年、海洋燃料の硫黄含有量の上限を世界全体で引き下げるという2008年の決議を採択しました。従来のグローバルリミットである3.5%mass/mass (m/m)は、2020年1月1日より0.5%m/mに引き下げられています。
新規制は歓迎されていますが、その完全な遵守と施行を実現するためには課題があります。このページでは、これらの課題に対応するために必要な関係資料を皆様にお届けします。
中国・韓国:2022年1月1日より、新たなSOx規制の導入を発表
2022/01/18
ご存じの通り、現在ECA内及びEU内の港に停泊する船舶には、燃料の硫黄酸化物(SOx)の濃度上限0.1%の規制が適用されており、その他の水域では2020年1月1日よりSOx濃度の上限を0.5%とする、国際的な硫黄分濃度規制(MARPOL 条約付属書 VI 規則)が導入されています。さらに多くの国で国内法に基づき、停泊中や内水域における硫黄分濃度の上限を設けています。 このような現地法によるSOx規制は、現在EU、トルコ、アイスランド、カリフォルニア州、シドニー、中国、そして韓国が導入しています。中国と韓国では、2022年1月1日より新たなSOx規制が施行されましたので、ご注意ください。
2020年の低硫黄燃料規制後の課題
2020/11/11
国際海事機関(IMO)は、人間の健康と環境に対する硫黄の影響を考慮し、2005年から船舶からの硫黄排出量を規制し、削減をしてきました。
韓国-ECA 船舶燃料の硫黄含有量の規制を強化
2020/08/03
韓国の海洋水産部は、韓国の主要港における硫黄酸化物排出規制海域(Emission Control Area :ECA)における船舶燃料の硫黄含有量の規制を強化し、0.1%またはそれ以下にすると発表しました。
UKクラブウェビナー (Series 24): 脱炭素戦略はどのように具体化しているか?
2022/03/17
UK P&Iクラブの第24回ウェビナーでは、サステナビリティ・ダイレクターのPatric Ryanがパネリストとともに、海運業界における脱炭素に向けての様々な取り組みについて議論しました。
海上貨物憲章
2021/09/08
2019年6月のポセイドン原則の発足をきっかけに、海運業界全体で環境保護への意識を高め、海運が環境に及ぼす負の影響を軽減するため、荷主グループ (Anglo American, Cargill, Dow, Total, Trafigura) と船主 (Euronav, Norden, Stena Bulk) は、船舶輸送排出量の報告に関する合意書の策定に取り組みました。この取り組みが2020年10月7日の海上貨物憲章 (Sea Cargo Charter) の発足へとつながりました。
IMO MEPC - 超低硫黄燃料油(VLSFO)の品質レビューを発表
2021/03/04
海運業界で指摘されている超低硫黄燃料油(VLSFO)の不安定性や従来の燃料油(HSFO)との特性の違いについて、船舶燃料油の規格ISO 8217を策定した国際標準化機構(ISO)委員会は、2020年1月から6月までに供給されたVLSFOとHSFOの品質比較を発表しました。レポートは下記よりダウンロードしていただけます。
VPS社バンカーデータ - 船舶燃料油供給の可用性、品質とコンプライアンス
2021/02/22
当クラブは、船舶用燃料試験およびバンカー・サーベイの世界的マーケットリーダーであるVeritas Petroleum Services(VPS社)と提携しました。VPS社の月間レポートでは、低硫黄燃料油(VLSFO)の可用性、テスト済燃料の品質、潜在的な運航上の問題、そし商業レベル(エネルギー含有量など)、運航レベル(触媒微粒子や低温流動性など)そしてコンプライアンス・レベル(硫黄含有量)の各レベル毎に見た燃料の性能パフォーマンスについて詳細情報をご覧いただけます。
温室効果ガス削減へのロードマップ
2021/06/29
地球温暖化は、世界が今日直面している最も深刻かつ複雑な課題の1つです。すべての個人、企業、および海運業界を含むすべての業界は、二酸化炭素等の排出量を削減し、気候変動の壊滅的な影響を回避する必要に迫られています。