10/12 - 対イラン経済制裁 - EU理事会規則267/2012 - イランからの原油及び石油製品の輸出 - 2012年7月1日より禁止

Trulli

アウトライン

  • EU理事会規則267/2012における対イラン経済制裁の全面施行日とされていた7月1日の期限は、2012年6月25日に正式確認されました。
  • イラン産原油の輸送に関する既存契約及びP&I保険カバーの提供についての特例措置は、同日で停止します。
  • 禁止事項がイラン産の燃料油まで拡大されるため、全ての船舶が、潜在的に経済制裁とこれに伴う保険カバーの制約に影響を受けることとなります。
  • クラブ回覧04/12「経済制裁体制」では、イラン産原油貨物に関する保険提供の制限について、またEUの規制を受けない船主の輸送は容認されている事を含めご案内しています。
組合員各位

対イラン経済制裁 - EU理事会規則267/2012

- イランからの原油及び石油製品の輸出 - 2012年7月1日より禁止

国際グループでは、これまでFAQs(よくある質問)を作成し、2012年7月1日をもって禁止条項が発動された場合、イラン産原油・石油製品の輸送禁止及びクラブの保険てん補禁止という影響があることを、メンバーの皆様にご報告して参りました。一部報道では禁止事項の発動日が延期されるとの憶測もありましたが、EU理事会は6月25日付プレスリリースで、2012年1月23日以前に締結された契約に基づくイラン産原油の輸入・輸送およびEU規制下の保険者によるイラン産原油輸送に対するP&I保険の提供禁止に関する特例措置を停止し、(同規則の規定通り)2012年7月1日をもって、これらの活動を禁止する事を確認すると発表しました。

輸送及び保険提供の禁止

同規則のArticle 11-1 (d)及び12 (2)の規定に従い、当クラブは、貨物の最終仕向地がEU内であるかEU外であるかを問わず、原油あるいは石油製品を輸送する航海に対し、これらがイランで産出されたものである場合には、保険の提供が禁止されます。イラン産石油化学製品の輸送とこれに伴う保険提供は既に2012年5月1日より禁止されています。イラン産原油及び石油製品の輸送は、(EU居住あるいは管轄下の船主については禁止されますが、EU非居住者あるいはEU規制外の船主のEU域外の航海については、従来どおり容認されます)制裁に関するクラブのてん補除外規定の対象となります。合法的に当該貨物の輸送を継続あるいは予定されているメンバーは、同規則の規制が及ばない別の責任保険や財務保証あるいは国による補償制度やその他金銭的保証を手配していただくことをお勧めします。また当該航海を予定されている場合には、航海前及び航海完了時にはクラブに通知していただくよう、お願いいたします。

燃料油

FAQsに記載のとおり、禁止条項は原油及び石油製品を貨物として輸送する場合のみ適用されるのではなく、イラン産の燃料油に対しても適用されることになっています。その結果、タンカーだけでなく全ての船種が、輸送あるいは保険カバーの禁止条項の対象となる可能性があります。本船に補油する燃料油がイラン産であることを知っている場合、当該燃料油を使用すべきではありません。また、燃料油がイラン産であるかどうか疑う、あるいはイラン産と混合しているかどうかを疑う理由がある場合には、メンバーは補油作業の前に、当該燃料油がイラン産ではない事を確認する事を強く勧告いたします。もし確認が取れない場合には別の燃料油を手配していただく事が賢明です。

国際グループでは、今後も関係当局と連絡を取り、輸送や保険提供への影響がある制裁措置の実施について更に注意深く見守り、今後も進展がありましたらご報告いたします。

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  • 8938 - Sanctions circular June 2012 37 KB

    2016/09/02

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Staff Author

PI Club

Date2012/06/27