Lessons Learnt: バンカー漏油による海洋汚染 

Bunker Spill
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船型:ばら積み船

事故概要

事故時、本船は接岸しておりバルク貨物を積載中であり、同時に、重油をバンカーバージから積み込んでいました。天候は良好でしたが、非常に寒く(-20℃)、甲板は厚い氷と雪に覆われていました。

補油の前に、すべての関連するチェックリストは、補油計画書と本船のSMSに基づく燃料補油手順書に従って終了していました。

全ての必要な安全対策は乗組員によって行われ、またデッキ及びエンジンのログブックには、全ての必要事項が記録されました。デッキスカッパーと油受けには全てプラグが正しく差し込まれ、固定されました。

作業開始前、本船機関長とバンカーバージの船長の間で、毎時最大250m³のポンピングレートが合意され、バンカーの供給温度が約35 C°になることが確認されました。

補油計画では、燃料タンク3(P)と燃料タンク3(S)、次に2(P)、4(P)と4(S)の順に補油することでした。対象のタンクである2(P)は、総容積の約82%、約292m³まで積み込まれることになっていました。

事故当時、17時30分頃に3(P)、3(S)の燃料の積み込みが始まり、20時頃に終了しました。その終了時、2(P)の補油を開始し、通常の方法で補油を始めました。

21時になると、当直エンジニアが手動で2(P)の計測を行い、タンクが約60%フル、すなわち215m³に相当することを確認しました。すべてが順調であり、次の計測は21時20分に計画されていました。

21時15分に、バンカー燃料が甲板上のベントからこぼれているのが発見されました。油受けはあふれ、燃料は甲板上に達し、横に広がっていきました。補油作業は直ちに停止されました。

この事故で、流出した油の大部分は甲板上でうまく収容されましたが、少量が舷側を越えて海に流れ込みました。

分析

調査の結果、異常な寒さのため、サウンディングパイプ内の燃料のレベルが、タンク自体のレベルよりも遅い速度で増加したことが明らかになりました。すなわち、サウンディングパイプを介して計測した読み取り値は不正確でした。

事故の教訓

  • 極寒の状態で補油する場合、検討事項を追加する必要があります。
  • 燃料補油計画は、補油作業に関わるすべての乗組員により検討され、理解されなければなりません。
  • 状況に相応しい厳寒SMS手順書を検討する必要があります。
  • 疑わしい場合は、乗組員は補油速度を落とし、支援を求めるべきです。
  • 乗組員は常に警戒を怠らず、タンクの計測が適切かつ定期的に行われることを確認し、合意されたポンプ速度に対応していることを確認してください。

UKPIの事故の教訓シリーズについてのお問い合わせは、次の連絡先まで:lossprevention.ukclub@thomasmiller.com

Staff Author

PI Club

Date2020/04/08