回覧07/15 - ウルグアイにおける油濁事故対応の契約要件 - 続報

Trulli

アウトライン

  • 本回覧はクラブ回覧 04/15(ウルグアイにおける油濁事故対応の契約要件 - 続報)を参照しています。
  • ウルグアイ・コースト・ガードはDisposición Marítima No.157を発表し、油濁清掃業者(OSRO)との契約締結を必要とする船舶の種類を特定するとともに、補油作業中に求められる技術的措置や安全対策およびOSRO契約書の雛形を規定しています。
  • 本規則は2015年5月15日に発効します。
  • 本回覧はウェブサイトのみで配信します。

組合員各位

ウルグアイにおける油濁事故対応の契約要件 - 続報 

法的枠組み

2012年11月23日に発効したウルグアイ法No.19.012のArticle 6は、ある種の船舶及び浮体構造物に油濁清掃業者(OSRO)との契約締結を義務付けています。

メンバーの皆様は、2015年2月20日に発効したウルグアイの新規則Disposición Marítima No.149についてお知らせした前回のクラブ回覧04/15をご参照ください。しかしその後ウルグアイ・コースト・ガードは、OSROに関する問題点が明確にされるまで、本規則の実施を延期することを決定していました。

2015年5月4日付でウルグアイ・コースト・ガードはDisposición Marítima No.149に続きDisposición Marítima No.157 (以下、本規則)を発表しました。 これは、OSROとの契約が必要な船舶の種類を特定するとともに、補油作業中に求められる技術的措置や安全対策、そしてOSRO契約書の雛形を規定しています。本規則は2015年5月15日に発効します。

以下の情報は、すべて本規則の直訳を根拠にしています。いくつか不明瞭な点がありますが、現時点では、本規則の文言の解釈について、これ以上ご案内できる情報がありません。 

OSROとの契約証明書の保持が求められる船舶

本規則は、次の種類の船舶及び浮体構造物に適用されます。

  1. 炭化水素またはその派生物、危険・有害物質、液体鉱物を輸送・移送あるいは取扱う、または船舶や海洋設備の再浮揚作業に従事するタンカー、バージ、小型ボート、漁船またはその他海洋設備
  2. ウルグアイの港やターミナル、バースに入るためあるいは指示待ちのために24時間以上ウルグアイ水域で錨泊する許可を求める上記いずれかの船舶
  3. 航行や環境に危険を及ぼす船舶への援助・救助行為を規定するウルグアイ法17.121に従い、海事当局が欠陥ありと判断した船舶
  4. 領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚での生物・非生物資源の探査・採取のための海上プラットフォームあるいは固定・可動式設備へ供給する船舶

本規則が適用される船舶は、コースト・ガード認可の現地OSROが発行したOSRO証書を、P&Iクラブの加入証書、CLC証書(適用される場合)とともに地域当局へ提示することが求められています。これら証書類は、投錨・積載あるいは輸送作業の24時間前に提出する必要があります。

OSRO契約は現地代理店を通して行う必要があります。(ただし、ウルグアイ籍船舶は、船主が直接契約を締結することができます) 

入手可能なOSRO契約

前回のクラブ回覧 04/15では、Marine Environmental Care Lasimar S.A. 及び CINTRA Golantex S.Aという2社のOSROが、本規則の下でコースト・ガードの認可を受けており、国際グループはこれらOSROの契約書を検証しましたとお知らせしました。

国際グループは、現在Lasimar S.A.は業務を停止したと聞いています。CINTRA Golantex S.A.の契約書は、国際グループの油濁対応計画ガイドラインに沿っているので、この契約書の下で生じる責任は、P&Iの標準保険カバーの範疇であるため、追加保険を手配する必要はありません。

国際グループは、LIFISOL S.A.という、もう一つのOSROがコースト・ガードの認可を受けたと聞いています。しかし国際グループは、まだLIFISOL S.A.の契約書を入手しておらず検証もしておりません。LIFISOL S.A.の契約書が検証でき次第、追ってご案内いたします。 

OSROとの事前契約を求められない船舶

炭化水素又はその派生物、危険・有害物質、液体鉱物を輸送・移送あるいは取扱うことのない船舶は、OSROとの契約は求められませんが、油濁事故が発生した場合には、MARPOL条約第5章第37条が適用されることとなります。

その他の規定

ウルグアイ水域で24時間以上錨泊する船舶は、代理店を指定する必要があります。

液化天然ガス(LNG)を輸送する船舶は、今後発表されるコースト・ガードの特定要件に従うこととなります。燃料油やその他油製品の供給業者は、それぞれの輸送・移送作業毎に選任されたOSROと連携して緊急対応計画を作成することになります。

国際グループは、引き続き本規則を検証し、必要に応じ進捗状況をご案内します。

国際P&Iグループのすべてのクラブは、同様の回覧を発行しています。

Staff Author

PI Club

Date2015/05/14