ロシア産原油等の上限価格措置(プライスキャップ制度) - 石油製品に係るアップデート

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2023 年 2 月 5 日、ロシアが石油の輸出から得る収入を抑制することを目的としたプライス・キャップ制度は、当初の予定通り、CN コード 2710 に該当するロシア原産の石油製品に係るプライス・キャップが設定されました。
下記の通り2 つの上限価格が設定されました。

  • 原油に対して割引価格で取引される石油製品は、1 バレルあたり 45 米ドル
  • 原油に対してプレミアムが付される石油製品については、1 バレルあたり 100 米ドル

CN コード 2710 に該当する様々な製品が、上記のどちらに分類されるかについては、EU規則 No 833/2014 の附属書 XXVIII に記載されていますが、最近発行された EU ガイダンスにも記載されています。

プライス・キャップ制度に基づき、ロシア産石油製品については、貨物の積載より目的地の港で通関するまでの間、その価格が1バーレルあたり上限価格以下であれば、国際グループ(IG)P&Iクラブは、同志国に加盟していない国へのロシア産石油製品の輸送について P&I カバーを提供できることになりました。

施行日である2月5日時点で、ロシア産石油製品を積載している船舶は、貨物が関連の上限価格を上回る価格で販売されていたとしても、2023年4 月 1 日までに航海が完了し貨物が荷揚げされた場合は、引き続き合法的に航海を行うことができます。

2 月 5 日以降にロシア産の石油製品貨物を輸送する予定の船主または用船者は、保険期間中は、積載する期間に上限価格を超える価格で販売されたロシアの石油製品貨物を輸送しないという宣誓書(Attestation)を P&I クラブに提出する必要があります。各クラブが要求する宣誓書は、本クラブ回覧の附属書 II に記載されており、保険年度の開始時に毎年クラブに提供する必要があります。

さらに、2023 年 2 月 5 日以前に開始し、同年 4 月 1 日までに完了する予定のロシア産石油製品の運送を含む取引に現在従事している船主および用船者は、別の宣誓書を作成していただく必要があります。各クラブが要求する宣誓書は、本クラブ回覧の附属書 I にあります。

今回、ロシアの石油製品に適用されたプライス・キャップ制度を考慮した、本クラブ回覧17/22への主な変更箇所は、以下の PDF に赤字の斜体で示していますので、ご参照ください。

  • 2022 17 Russian Oil Price Cap 20230209 Japanese 305 KB

    2023/02/14

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  • 2022 17E Price Cap On Russian Oil Annex I & II 20230209 339 KB

    2023/02/14

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  • UK Club IG Circular 1722 Feb 23 784 KB

    2023/02/09

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Staff Author

PI Club

Date2023/02/09