04/13 - 現行クリーン・カーゴ条項及びドライ・カーゴ条項に替わる新条項
アウトライン
- 当クラブは、2013保険年度のクリーン・カーゴ条項及びドライ・カーゴ条項を改訂しました。
- 新条項では、船舶が少なくとも連続30日間にわたり非持続性油のみを輸送した場合に、保険料の払戻しが可能になりました。
- これらの条項は、プロダクト・タンカー、ケミカル・タンカー、OBO船(Ore-Bulk-Oil Carrier)のオペレーターに関係するものです。
プロダクト、ケミカル・タンカー及び
OBO船のオペレーター 各位、
現行クリーン・カーゴ条項及びドライ・カーゴ条項に替わる新条項
1年の間にクリーン・カーゴとダーティ・カーゴを切り替えて積載するタンカー、あるいはドライ・カーゴとウェット・カーゴを切り替えて積載するOBO船に適用される、国際グループ再保険料の請求システムが2013保険年度に国際グループ全クラブで変更となりました。この変更により、30日間以上にわたり船舶が「クリーン」貨物のみを輸送する場合には、保険料の払戻しが行われ、非持続性油を輸送するメンバーにとって再保険料が大幅に削減されることとなりました。
新システムでは、船舶が非持続性油(あるいはクリーン・プロダクト)のみを、少なくとも連続30日の期間を年1回又は複数回にわたって輸送に従事する場合、その輸送の期間は「クリーン・タンカー」とみなし、その再保険料率が適用されることとなります。非持続性油を連続して輸送する期間が、30日間以下の場合は、当該船舶は引続き「ダーティ・タンカー」の再保険料率が適用されます。
「クリーン」とは、実際にクリーン・カーゴを輸送するという意味で、つまり原油・重油製品等の「ダーティ・カーゴ」輸送の狭間のバラスト期間は含んでいません。「クリーン・タンカー」の定義は、「持続性油あるいはその残渣(スロップを除く)を輸送していないタンカー」のことです。OBO船のウェット・カーゴ輸送にも、同様の原則が適用されます。「クリーン・カーゴ条項」及び「ドライ・カーゴ条項」という名称の従来の条項は、保険約款補則に記載されていますが、2013保険年度に改訂され、下記の条項に差し替えられます。
現行クリーン・カーゴ条項に替わる2つの新条項
- 保険年度の開始時に、持続性油を輸送するという前提でプロダクトあるいはケミカル・タンカーの保険契約をしたメンバー、及び保険年度の開始時に、持続性油あるいはその残渣(スロップを除く)以外の貨物を輸送するという前提でプロダクトあるいはケミカル・タンカーの保険契約をしたメンバーにつきまして、次の条項が、従来の「クリーン・カーゴ条項」に取って代わり、当該船舶の2013保険年度保険契約条件の一部を形成します。
クリーン・タンカー(持続性油ベース)条項
- 当船舶は、保険年度中に持続性油を貨物として輸送することを、ここに合意する。これにもかかわらず、非持続性油貨物を、連続30日間あるいはそれ以上にわたり輸送する船舶は、管理者に申請する事により、当該期間に関わる保険料の払戻しを受取る事ができる。(この期間とは、非持続性油貨物を積載した日から、次に持続性油貨物を積載した日までの日数より1日差引いて計算することとする。)管理者が、当該払戻しをする保険年度の終了から3カ月以内に文書による通知を受領しなければ、組合による払戻しはない。
- 本条項において、「持続性油」とは下記に示す「非持続性油」に規定されないすべての持続性の炭化水素の鉱物油とする。「非持続性油」とは、ASTM Method D86/78またはその後改正された試験において
(a)摂氏340度で少なくともその体積の50%の量が留出する炭化水素油、及び
(b)摂氏370度で少なくともその体積の95%の量が留出する炭化水素油とする。
クリーン・タンカー(非持続性油ベース)条項
- 当船舶は、保険年度中に非持続性油を貨物として輸送することを、ここに合意する。これにもかかわらず、保険期間中に持続性油貨物を輸送する船舶は、いかなる場合においても当該輸送完了の日から1カ月以内に、当該貨物の輸送につき速やかに管理者に申告し、管理者が当該期間について算出した追加保険料が支払われることを条件とし、担保を継続(ヘルドカバー)とする。
- 船主が管理者に上記第1項に規定する申告をしなかった場合は、当該船舶の保険は持続性油を貨物として積載した日(保険停止日)をもって停止するものとし、保険約款第28条B項が適用される。ただし、理事はその裁量により、また適切と判断する条件で、当該船舶の加入を復権し、本第2項の規定により保険が終了したために組合がてん補しない当該船舶のいかなるクレームの全額又は一部を認めることができる。
- 本条項において、「持続性油」とは下記に示す「非持続性油」に規定されないすべての持続性の炭化水素の鉱物油とする。「非持続性油」とは、ASTM Method D86/78またはその後改正された試験において
(a)摂氏340度で少なくともその体積の50%の量が留出する炭化水素油、及び
(b)摂氏370度で少なくともその体積の95%の量が留出する炭化水素油とする。
現行ドライ・カーゴ条項に替わる2つの新条項
保険年度の開始時に、持続性油を輸送する前提でOBO船の保険契約をしたメンバー、及び保険年度の開始時にドライ・カーゴ及び/又は非持続性油貨物を輸送する前提でOBO船の保険契約をしたメンバーについては、次の条項が、従来の「ドライ・カーゴ条項」に取って代わり、当該船舶の2013保険年度保険契約条件の一部を形成します。
OBO船(持続性油ベース)条項
1.
当船舶は、保険年度中に持続性油を貨物として輸送することを、ここに合意する。これにもかかわらず、ドライ・カーゴ及び/又は非持続性油を貨物として、連続30日間あるいはそれ以上の期間にわたり輸送する船舶は、管理者に申請する事により、当該期間に関わる保険料の払戻しを受け取る事ができる。(この期間とは、非持続性油貨物を積載した日から、次に持続性油貨物を積載した日までの日数より1日差引いて計算することとする。)管理者が、当該払戻しをする保険年度の終了から3カ月以内に文書による通知を受領しなければ、組合による払戻しはない。
2.
本条項において、「持続性油」とは下記に示す「非持続性油」に規定されないすべての持続性の炭化水素の鉱物油とする。 「非持続性油」とは、ASTM Method D86/78またはその後改正された試験において (a)摂氏340度で少なくともその体積の50%の量が留出する炭化水素油、及び (b)摂氏370度で少なくともその体積の95%の量が留出する炭化水素油とする。
OBO船(非持続性油ベース)条項
- 当船舶は、保険年度中にドライ・カーゴ及び/又は非持続性油を貨物として輸送することを、ここに合意する。これにもかかわらず、保険年度中に持続性油を貨物として輸送する船舶は、いかなる場合においても当該輸送完了の日から1カ月以内に、当該貨物の輸送につき速やかに管理者に申告し、管理者が当該期間について算出した追加保険料が支払われることを条件とし、担保を継続(ヘルドカバー)とする。
- 船主が管理者に上記第1項に規定する申告をしなかった場合は、当該船舶の保険は持続性油を貨物として積載した日(保険停止日)をもって停止するものとし、保険約款第28条B項が適用される。ただし、理事はその裁量により、また適切と判断する条件で当該船舶の加入を復権し、本第2項の規定により保険が終了したために組合がてん補しない当該船舶のいかなるクレームの全額又は一部を認めることができる。
- 本条項において、「持続性油」とは下記に示す「非持続性油」に規定されないすべての持続性の炭化水素の鉱物油とする。「非持続性油」とは、ASTM Method D86/78またはその後改正された試験において
(a)摂氏340度で少なくともその体積の50%の量が留出する炭化水素油、及び
(b)摂氏370度で少なくともその体積の95%の量が留出する炭化水素油とする。
メンバーは、「ダーティ」(持続性油)あるいは「クリーン」(非持続性油)な貨物の輸送についてクラブへ四半期毎に申告する必要はなくなりますので、ご承知おき下さい。しかし、ダーティ・ベースで付保される船舶が30日を超える期間「クリーン」貨物を輸送したため保険料の払戻しを適用されるメンバーは、保険期間終了から3カ月以内、つまり2014年5月20日までに文書で申請していただく必要があります。クリーン・ベースで契約したがダーティ・カーゴを輸送した船舶については、メンバーは速やかに管理者にダーティ・カーゴの輸送を申告しなければなりません。これは、いかなる場合でも当該輸送の完了日から1カ月以内となります。
この変更によりダーティ・カーゴとクリーン・カーゴを切替えて輸送するメンバーの年間コストは削減されることとなります。そのため、当クラブでは2013保険年度の保険契約書類が既に発行されている場合には、メンバーが新システムを利用し保険料の払戻しが受けられるよう、変更後の書類を発行いたします。繰り返しとなりますが、保険契約書類はアンダーライテイング・オンラインあるいは、iPandiアプリでご登録のユーザーに提供していますのでご利用下さい。