責任制限を知りましょう!
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香港では、「1976年の海事債権についての責任制限条約(LLMC 1976)」の「1996年議定書」を2005年に採択しましたが、施行されたのは2015年5月3日でした。締約国では責任制限額の改訂が話し合われてきました。
今年、香港特別行政区立法会は商船法令を改正し、香港における1996年議定書の責任制限額は2017年12月4日以降引き上げられました。
下記の表は、改訂版1996年議定書の下で制限される「財物損傷クレーム」及び「人身傷害・人命損失を含むクレーム」の限度額を示しています。
<500 | SDR 1,510,000 | SDR 3,020,000 |
500-2,000 | SDR 1,510,000 | SDR 3,020,000 |
2,001- 30,000 | +SDR 604 per ton | + SDR 1,208 per ton |
30,001-70,000 | + SDR 453 per ton | + SDR 906 per ton |
> 70,000 | + SDR 302 per ton | + SDR 604 per ton |
船客クレームについては、乗客一人当たり175,000SDRに、船舶の証書に記載されている旅客定員数を乗じた金額で、上限はありません。
香港では1996年議定書を採択しているものの、中国本土では中国国内法の下で別の責任制限の枠組みを規定しており、これはLLMC1976の責任制限額と同等の金額となっています。
最近、香港のクレーム・チームは、中国の裁判所が原告に対して、なぜ1996年議定書に基づいてクレーム額を計算しているのかを説明するよう命じられたというケースがあったと伝えています。
メンバーの皆様は、海事クレームの申立てや答弁の際に、法管轄区域が違えば責任限度額にも違いがあることに注意していただく必要があります。
1996年議定書については、下記リンクをご参照ください。