回覧6/20: メキシコでの警戒情報- 違法麻薬性物質の密輸による船舶の拘留および乗組員の拘束リスク

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アウトライン

P&I国際グループ、ICS (国際海運会議所)、BIMCO(ボルチック国際海運協議会)およびInterManager(国際船舶管理者協会)(以下、国際業界団体)は、メキシコにおける船舶の拘留や乗組員の拘束についての一連の情報を公開し、メンバーに注意を呼び掛けています。
UBC Savannah号のケースにおいては、違法薬物が船内で発見された後、船長が正式に起訴されない状態で長期間にわたり勾留されています。
メキシコの刑事訴訟法では、例え無罪であっても、違法薬物に関連する犯罪で告訴された場合は、公判前や公判の間は拘置所で勾留されなければならないことにご注意ください。

メンバー各位

メキシコでの警戒情報– 違法麻薬性物質の密輸による船舶の拘留および乗組員の拘束リスク

P&I国際グループ、ICS (国際海運会議所)、BIMCO(ボルチック国際海運協議会)およびInterManager(国際船舶管理者協会)(以下、国際業界団体)は、メキシコにおける船舶の拘留や乗組員の拘束についての一連の情報を公開し、メンバーに注意を呼び掛けています。UBC Savannah号のケースにおいては、違法薬物が船内で発見された後、船長が正式に起訴されない状態で長期間にわたり勾留されています。

2019年7月以降、国際業界団体は、主にエクアドル、コロンビアまたはパナマから出航した船舶がメキシコの港、特にAltamiraとEnsenada港に到着し、違法薬物が船内で発見され船舶が拘留されるというケースを多数確認しています。航行中に乗組員が違法薬物を船内で発見、メキシコの港に到着する前に現地当局へ速やかに申し出たにもかかわらず、船舶の拘留や乗組員の拘束が行われる、というケースも確認されています。

国際業界団体は違法薬物の密売によってメキシコが被るダメージと、刑法の力で違反者を起訴することによって犯罪行為を鎮圧・抑止する必要性をよく理解しています。ですが、不当な船舶の拘留と乗組員の拘束によって発生するリスクと、長期にわたる可能性のある拘置所での勾留は、無視されるべきではありません。

この点において、メキシコの刑事訴訟法においては、例え無罪であっても違法薬物に関連する犯罪で告訴された場合は、公判前また公判の間は拘置所にて勾留されなくてはならないという点に注意が必要です。メキシコ内で公判前から公判終了まで行われる拘束は、現在のCOVID-19の影響によりさらに長期にわたる可能性があります。

国際業界団体は既にメキシコ政府に対し、法令が明らかに無差別に適用されていることや、と、船舶拘留および乗組員の収監が検察官によって過度に厳しく執り行われていることについて、深刻な懸念を発表してしています。国際業界団体とメキシコ政府の間では、収監中のUBC Savannah号の船長の釈放と、現在拘留中の船舶の解放を実現するための方法を探るべく、現在協議が行われています。

積み荷役前(特に南米で積み荷が行われる場合)およびメキシコへの寄港前に、船舶が取るべき拘留・収監リスクの具体的な予防措置について疑問がある場合は、当クラブへご相談ください。

国際グループのすべてのクラブ、ICS、BIMCO、そしてInterManagerは同様の回覧を発行、また注意喚起を行っています。

UKP&Iクラブ 日本支店

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Staff Author

PI Club

Date2020/05/14

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