回覧16/22: 電子商取引(ペーパーレス・トレーディング)システム-Secroの承認

Golden Gate Bridge

EssDOCS, Bolero International Ltd, E-Title Authority Pte Ltd, Global Share S.A. (edoxOnline platform), WAVE (WAVE Application), CargoX, TradeLens (TradeLens eBL), IQAX Limited (IQAX eBL) およびSecro Inc.(Secro)の承認

本回覧は、P&Iの国際グループがSecroの電子商取引システムを承認したことをお知らせするものです。

回覧06/22にてお知らせした通り、2010年2月まで、すべての国際グループ加盟クラブの約款では、すべての電子商取引システム(ペーパーレス・トレーディング・システム)の使用によって生じた貨物の運送にかかわる責任について、紙の船荷証券、すなわち譲渡可能な紙の文書を使用する場合には生じなかった責任については、てん補の対象外としていました。

2010年2月20日以降は、電子商取引システムの使用によって生じた貨物運送に関する責任は、国際グループが事前に承認したシステムに限り、てん補の対象となっています。これまでに、国際グループは、EssDOCS、Bolero International Ltd.(具体的には、the Rulebook/Operating procedures September 1999)、E-Title、edoxOnline、WAVE、CargoX、 TradeLends(TradeLens eBL)、およびIQAX Limitedを承認しています。そしてこの度、新たにSecroが国際グループ承認システムとして加わることになりました。

Secroは、商品取引業者、船主、代理店および金融サービスプロバイダー間のリアルタイムかつ安全なコラボレーションを可能にするSaaS型(Software-as-a-service:事業者のクラウドサーバーにあるソフトウェアをユーザーが利用するサービス)プラットフォームです。Secroではユーザーが、譲渡可能・不可いずれの船荷証券をも含む最も一般的な貿易文書の作成、電子署名、交換をデジタルで行います。Secroは契約履行ツールも提供しています。Secroのプラットフォームは、データの暗号化を使用し、プライベート・ブロックチェーン技術で構築されています。Secro Inc.は米国が拠点の独立系民間企業で、ベンチャーキャピタル投資家に支援されています。詳細は、Secroのウェブサイト(secro.io)をご確認ください。

Secroの使用に関する法的文書や使用条件は、2022年10月6日付のSecro Customer and User Agreementで規定されています。この文書は2022年9月29日付のSecro e-billとともに、国際グループが確認の上、承認しています。いずれも、電子船荷証券を認可するシンガポール電子取引(改正)法2021(2021年3月19日施行)を含むシンガポール法に準拠しています。

国際グループ加盟クラブの約款では、貨物の運送に関するその他のてん補除外規定は、承認済みのすべての電子商取引システムに対して、紙の船荷証券と同様に適用されます。これら免責事項の中には、運送契約で定めた港または場所以外での貨物の荷揚げ、先日付または後日付の電子文書/記録の発行/作成、譲渡可能な電子文書/記録の提示なしでの積荷の引き渡しが含まれており、承認された電子商取引システムを使用した場合であっても、当該システムの規則に従わない積荷の引き渡しによって生じた責任なども、てん補から除外されます。

国際グループとしましては、電子商取引システムを使用しているメンバーの皆様に、システムの運用に関する法的、実務的な利点や問題点について、当クラブにお知らせいただけると、これらシステムを監視するうえで役立つことと存じます。

国際グループのすべてのクラブは同様の回覧を発行しています。

UKP&I クラブ 日本支店

 

Staff Author

PI Club

Date2022/11/21