リヤド MOU:揚貨装置に関するPSC集中検査キャンペーン
2024/08/28
船員の賃金、雇用契約およびMLC改正に関するパリ、東京、アブジャMOUによる合同集中検査キャンペーンに続き、リヤドMOU(バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、UAEで構成)は、2024年9月1日から2024年11月30日までの期間、揚貨装置に関する集中検査キャンペーンを実施すると発表しました。 本集中検査キャンペーンの目的は、船上のすべての揚貨装置とルースギアが定期的に検査/点検され、適切に保全されているか確認することです。 また、同キャンペーンでは、クレーン作業に伴うリスクと、作業に関する安全マニュアルに概説されているベストプラクティスの遵守について、船員の意識徹底を図ることも意図しています。
代替燃料への転換について
2024/08/28
船舶より排出される温室効果ガス(GHG)の削減は世界的な懸念事項となっており、代替燃料への転換を促すことを目的とした規制が次々と導入されています。 国際海事機関(IMO)は現在、中期対策と呼ばれる新たな規制について議論しており、2025年に承認され、2027年に施行される予定です。 さらに欧州連合(EU)は、EU排出権取引制度(EU-ETS)の対象部門を拡大し、2024年より海運部門が含まれることになりました。 船舶燃料の脱炭素化をさらに推進するため、2025年にはFuelEU Maritimeが導入され、ライフサイクルベースでの温室効果ガス排出量に焦点を当て、船上で使用される燃料の温室効果ガス強度を段階的に削減します。 本稿では、代替燃料の選択肢、安全なオペレーション、安全運航におけるギャップへの対処、緊急時の備え、汚染リスクへの対処、取扱いにおける契約、当クラブにおける代替燃料への転換にかかるメンバーへの支援などについて説明しています。
Crew Health Advice:エムポックス (旧名称:サル痘)
2024/08/22
2022年、アフリカからヨーロッパ全土に拡大したアウトブレイクにより、当クラブはエムポックス(旧名称:サル痘)に関する最新情報を発行しました。このアウトブレイクは、感染者数の持続的な減少により、2023年5月に終息宣言が出されました。現在、エムポックス感染者が再び増加していることを受け、世界保健機関(WHO)は今週、国際保健規則(2005)に基づき、このアウトブレイクを国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態と宣言しました。つまり、エムポックスがアフリカ内外にさらに広がる可能性があるということです。本稿では、エムポックスの詳細、症状、感染経路、感染対策などについて説明しています。
Paris MOUおよび東京MOUは合同で、2006年海上労働条約に定める船員の賃金および雇用契約に関する適合状況を確認する集中検査キャンペーン(CIC)を2024年9月1日より2024年11月30日まで実施すると発表しました。 キャンペーン期間中、PSC検査官は、通常検査に加え、2006年海上労働条約に基づく船員の賃金、船員の雇用契約(SEA)、船主が満たすべき金銭的保証などに関する特別検査を実施します。
LNGに含まれる窒素
2024/08/08
LNG船のデュアル燃料エンジンの出現は、海上輸送における重要な燃料転換を意味し、従来の燃料とよりクリーンなLNG燃焼の両方を活用することで、運航の柔軟性を高め、排出ガスを削減しました。 実行可能な燃料として、LNGの組成、特に窒素含有量と発熱量は、船舶エンジンにおけるボイルオフガス(BOG)の活用に直接影響するため、非常に重要です。当クラブは、特にLNGに高濃度の窒素が含まれている場合(米国の港から調達されるLNGによく見られる)、燃料消費量の増加や燃料の性能保証の違反に起因するLNGの用船契約に係わる紛争が増加していることを確認しています。 本稿では、用船契約における最大窒素含有量条項、発熱量に基づくボイルオフガスの計算方法、ガスクロマトグラフィー装置、LNGの用船契約における紛争の解決方法などについて説明しています。
Crew Health Advice:デング熱
2024/07/16
デングウイルスに感染した蚊によって媒介されるウイルス感染症であるデング熱は、世界的に公衆衛生上の重大な懸念となっています。過去20年間で発症率は飛躍的に上昇し、流行地域と新たな地域の両方で広く蔓延しています。本稿では、デング熱の主な側面、感染、症状、予防策について説明しています。
本回覧は、国際グループがTradeGo User Agreementの第2版を承認したことをお知らせするものです:TradeGo User Agreement (2024.06.12)
回覧 11/24: EU の第14 次対ロシア制裁パッケージ
2024/07/04
2024 年6 月24 日、 EU 理事会は第14 次対ロシアッケージを採択しました。このパッケージには、ロシアの液化天 然ガス(LNG)部門を対象とした初めての措置、さらなる輸出関連の規制、船舶への制裁、およびEU 企業に対す る、第三国にあるEU 域外の子会社がEU 制裁を遵守するよう最善の努力を尽くすことの義務付けなどの新たな制 裁回避の防止措置が含まれています。
Crew Health Advice:船上での友情
2024/06/10
良好なコミュニケーションはあらゆる人間関係の礎であり、船上という閉鎖された環境やストレスの多い環境では特に重要です。そのため相手の話をよく聴き、伝えようとすることを理解して、思慮深く反応することを意味する積極的傾聴法(Active listening)が重要な役割を果たします。積極的傾聴法を実践することで同僚の乗組員に敬意と感心を示し、相いに信頼し理解しあうための基礎を築くことにつながります。
Risk Focus: 有害物質インベントリ(IHM)
2024/06/05
「Risk Focus: 有害物質インベントリ(IHM)」の第2版は、2020年5月に発行された同名のリスクフォーカスの更新版です。前回同様、本リスクフォーカスは船主が有害物質インベントリ(IHM)を策定する際の技術的な側面および、IHMを作成する際のガイダンスを提供しています。また、2025年6月に発効する「船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約(シップリサイクル条約)」に関する最新情報やシップリサイクルに関するEU規則とその施行に関する最新動向、ベストプラクティスと教訓に関するアドバイスも提供しています。
ISO 8217-2024 - 船舶用燃料油規格の更新について
2024/06/05
ISO 8217-2024 2024年5月30日に発行されたISO 8217の最新版は、燃料油の分類、分析方法、パラメータに改訂を加えています。本改訂は、環境規制の強化による業界の再生可能な船舶燃料への移行を反映したものとなっています。また再生可能燃料への移行を支援するため、本改訂には燃料油のテスト要件の追加に伴うバイオ燃料の配合に関する事項も含まれております。ISO8217-2024規格は、2017年版より大幅な改定が行われています。
専門家に聞く:船舶用燃料としてのメタノール
2024/05/30
今回の『専門家に聞く』シリーズでは、UKクラブのリスクアセスメントダイレクターであるAnsuman Ghoshが、船舶用燃料としてのメタノールについて、Donnie Bagang氏(Green Marine 社のマネージングダイレクターであり、メタノール燃料船初のチーフエンジニアの一人)に伺いました。