船舶燃料としてのアンモニア
2023/08/23
世界の海運業界は岐路に立たされており、より環境に優しい燃料への転換による二酸化炭素排出量の削減が急務となっています。そこで、アンモニアが船舶燃料の有望な候補として浮上してきました。船舶設計者、船級協会、造船所を含むコンソーシアムも、アンモニア燃料船の基本設計について発表しています。 本記事では船舶燃料としてのアンモニアの将来性や、カーボンフリー代替燃料の導入によって開ける海事分野の変革について考察しています。また、アンモニアを船舶燃料として導入する際の安全上の注意点や技術的な課題もまとめています。
回覧09/23:電子商取引 (ペーパーレス・トレーディング)
2023/08/22
本回覧は、IGによる最新版DSUAの承認を確認するものです。最新バージョンはDSUA 2023.1という名称で、DSUA 2021.1に代わるものです。なお、従来のDSUA 2021.1もクラブのてん補対象として、引き続きIGの承認は継続します。
東京MOUはパリMOUと合同で、今年9月より船舶の火災安全をテーマとする集中検査キャンペーン(CIC)を実施します。 また、インド洋MOUおよび黒海MOUが本キャンペーンに参加することを確認しましたが、今後、地中海、リヤド、ビニャ・デル・マールの各MOUも参加することが予想されます。 CICは2023年9月1日から11月30日の間に実施され、キャンペーン期間中の定期的なPSC検査実施に加え、SOLAS 条約第 II-2 章 構造(防火並びに火災探知及び消火)の遵守を確認することを目的としています。
混雑港への寄港中の効率的管理:オペレーションの最適化と安全性の確保
2023/08/07
長い航海を終え、積荷・揚荷のために寄港する際には、数多くのタスクに対処しなければなりません。 乗組員と陸上スタッフが協力して安全慣行を改善し、タスク管理を最適化して船舶運航全体の効率を向上させることが重要です。 本記事では船舶の安全管理と整備を効率的に行う上で生じる課題とその対策について説明しています。
安全運航をめざして:陸上サイドによる本船支援
2023/07/31
船舶運航の世界では、最新のソフト・ハードウェアが導入され、船舶は年々進化しているにもかかわらず、今もなお、50年前や100年前と同じような海難事故が数多く発生しています。原因を調べてみると、これまでと変わらないような過失や怠慢が繰り返されていることが分かります。
航海計画不備による海難事故
2023/07/31
船舶は出港前に航海計画を策定し、当該航海が安全であり、本船が無事航海の目的を達するかどうかを確認する必要がある。航海計画策定については、IMO Resolution A.893(21) (GUIDELINES FOR VOYAGE PLANNING)により、ガイドラインが定められている。
中国:洋山(Yangshan) VTSセンター海域を航行する外航船に対する注意喚起
2023/07/28
上海の洋山港海事局は、上海港洋山海域における船舶の航行や着岸時のリスクを軽減するため、洋山海域の実情に基づいて外航船が安全に航行するためのガイダンスを発表しました。 詳細につきましては現地コレスポンデンツ、Shanghai P&I Services Ltd のCircular No.SPI230701 をご確認ください。
MEPC 80:概要
2023/07/27
海洋環境保護委員会(MEPC)は2023年7月3日から7日に、ロンドンにて第80回海洋環境保護委員会(MEPC 80)を開催しました。 今回の会合では、2023年温室効果ガス(GHG)排出削減戦略は全会一致で採択されましたが、国連による2050年までのネットゼロ戦略との整合性は確保されませんでした。 今回採択された決議MEPC377(80)では、2023年GHG削減戦略の実行にあたり発展途上国が直面する課題を明示し、海運業界の完全な脱炭素化への移行が公正かつ公平であることの必要性が示されました。
香港条約(シップ・リサイクル条約):2025年6月26日に発効
2023/07/18
2023年6月26日、バングラデシュ及びリベリアは、IMOにおいて、シップリサイクル条約(正式名称:2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約)に批准しました。 本条約は「耐用年数が経過した船舶がリサイクルされる際に、人体の健康や安全、あるいは環境に悪影響を与えないようにすること」が目的です。 2009年5月15日に採択されましたが、この度バングラデシュとリベリアが批准したことにより、本条約の発効要件が満たされたため、2025年6月26日に発効されることになりました。 本条約は、国際貿易に従事する500総トン以上の船舶 および条約締約国の船舶リサイクル施設に適用されます。
グリーンシッピング:ゼロエミッション燃料
2023/07/17
前回の記事では、ネットゼロの実現に向けた業界の動きにおいて、燃料転換が果たす役割について説明しました。 今回の記事では、業界が脱炭素化を実現する上で潜在的な道筋と見ているゼロカーボン燃料に焦点を当てています。 燃料転換へ向けた動きは進んでいるものの、パリ協定の目標気温に沿って2050年までに海運の脱炭素化を実現するためには、2030年までに国際海運燃料の5%、国内海運燃料の15%をゼロエミッション燃料に転換する必要があると推定されています。
UK P&I クラブのシニアリスクアセッサーであるCapt.Akshat Aroraは、Safety4Sea主催のパネルディスカッションに参加し、パンデミックや紛争などこれまで様々な課題に影響されてきた船員のウェルフェアに対する意識を高め、業界を積極的に可視化することや、デジタル化、脱炭素化について協力して取組むことの重要性を強調しました。
UK P&I クラブのロスプリベンションチームCaptain Konstantinos Karavasilisは、Saferty4Sea主催のパネルディスカッションに参加し、海上勤務における健康的な生活を促進する方法やリスク要因、教育の重要性などについて、P&Iクラブの専門家やメディカル関係者とともに意見交換をしました。